少しでもケチることが生きがいなのは、血筋なのかも。

子供の頃、親とスーパーに買い物に行っているところをクラスメイトにみつかりたくなかった。
なぜならうちの買い物カゴは、半額のシールが貼られたものでいっぱいだったから。

今はそんな時代ではないからやらないかもしれないけど、昔はレジを通す時に
「半額でーす」とコールをされていた。

多分それは、お客様にも半額で打ってますよという安心感を与えるものなのかもしれないけれど、「半額でーす」「半額でーす」と続けて言われると

「おっ、半額ハンターがいるぞ?」といった具合に、視線を集めてしまったものだ。

それが恥ずかしく、レジにたどり着く頃にはなんとなく少し離れたところから会計が終わるのを待っていた。
周りに知っている人がいないか、キョロキョロしながら見張るようなそぶりで。

あの頃はいやだった半額祭り。
でも恥ずべきところではなかったと知るのは、もっともっと大人になってわかること。

少しでも節約して、わたしたちの将来のために貯めていてくれたのだから。

そんな親の血を引き継ぎ、同じく半額や割引のシール、お買い得品にはもっぱら弱いタイプにわたしは成長した。

スーパーやディスカウントストア、食品も扱う薬局その他のお店をはしごする。
これを買うならここが安いというデータは頭の中に全部ある。

今日は歩いて隣駅のスーパーへ。
運動にもなるし、全体的に最寄りのスーパーより全部安い。いいことしかない。

風邪引き中買い物に行けず、色々と足りないものがあったので、重いけどまとめ買いをした。

サッカー応援のためか、ピザがよく売れていた。そしてレジは行列。
品物を詰める台もいっぱいで、詰め終わりそうな人の後ろに並んでいた。
そこまでしても、やはりここにきた意味はあった。

最高に気持ちの良い買い物だった。
ケチ、バンザイ。
ケチは地球は救わないけど、家計を救う。

ケチれたから、スタバでも飲んじゃおうか!
そう思ったけど、それじゃぁプラマイマイだからやめた。

そうだ、ローソンのアプリで今日が使用期限のコーヒー無料クーポンがあったからそれをもらって飲もう。

エコバッグを引っ掛けた腕がちぎれそうになっても、心はほこほこ。

大満足で帰ろうとしたその時、夫から
「仕事のこともあって、ちょっと飲んで帰ります」という連絡が。
夫はメンバーの中で最年長、若い女子もいる。となれば、多く出すことは決定している。

コロナ禍で色々変化があった中、節約せな、そう言ってたのはあなたですがな。

星野家の場合、お金の管理は全て夫。
わたしはあんぽんたんなのでお金の管理はさせてもらえない。

だからこそしっかり節約して、買い物のはしごまでやってるのになんてこった。

と、ここまで思ったけど、海のように心の広いわたしは(うそばっか)はいと返事をした。

何百円かを節約したわたしと、何万か払う夫。なんでや。

もやもやを打ち消すようにローソンでコーヒーと唱えながら家路を急いだ。

でも荷物が重くて、コーヒーなんて持てない。なんでか急に心折れた。

泣く泣く無料コーヒーを諦める。

最初からクーポンなんてなかったことにすればいい。
そう思って家に帰ったのに、やっぱりもったいなくて、荷物を置いてまた出直した。
一杯の無料コーヒーのために、わたしの執念たるや。

自分のそういうとこ、嫌いじゃないしむしろ好きなんだ。

苦いからミルクはふたついれたけど、それでもまだ苦かった。
ほんとはカフェラテが飲みたかったんだった。

酸いも甘いも苦いも人生。

こんなご時世、夫を慕ってくれて一緒に飲みに行ってくれる後輩がいることに祝杯をあげようじゃないか。

知らんけど。

わたしはわたしのケチを楽しむ、ただそれだけ。
それを生きがいにできる、コスパ高い人間に成長できるDNAを持って本当によかったと思った。

知らんけど!


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