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『婚活1000本ノック』感想⑧

成仏しとらんのかーい!についてはもう次回予告にてネタバレされていたからいいとして。ドラマチックでスピーディな展開でとても良かった。
まず冒頭のタイタニックが世代に突き刺さる。あの車のシーンは誰しもの心に残っているのではないだろうか。
綾子は山田を忘れようとして山寺にいた。若いころは飲んだり騒いだりして忘れられたものだが、ある程度大人になるとそうもいかない。そうするともう座禅であったり写経であったり水をかぶったりするしかないのである。
それは忘れるための儀式だが、「ここまでしたのに忘れられなかった。私はまだ彼をこんなに想っている…」と逆にこじらせてしまう可能性もある鋭利な諸刃の剣だ。
ともあれ綾子はBLを書くことになったが、そこに関してはまったく掘り下げられなかった。次回以降触れられるのかこのままなのかわからないが、官能小説の部分も表現されているこの作品。綾子作のBLについてもなんらかの具体的な説明があるのかもしれないと思うと、少し、いやかなり興味深いのだ。

さて婚活と山田と仕事を失った綾子を置き去りに、九本は前に進みだす。
私は親とそれほど仲が良くないので、このままでは虫になるといわれたところではあそうですかって感じなのだが。だってもう死んでるし、どっちにしろ生まれ変わったら虫かもしれないし。だが死んでなお娘に憑くほど愛にあふれた父親とその娘であれば、虫にはなってほしくないと思うのだろう。
父親が虫になるのを防ぐために九本は結婚相手を速やかに探し出す。
やはりここは小池だ。このための小池。小池は他と比べて結婚相手としての欠点が少なめだった。いやどう考えてもヤギ男だろ、ヤギ男ファーストチョイスだろとは思うものの、この場合山田が介入できる唯一の相手である小池には劣る。
「心から愛する相手との結婚」という条件にこれが該当するのかどうかは甚だ疑問ではあるが、九本の中でオッケーならオッケーだろう。だって父ちゃんが成仏したのか虫になったのかなんてわからないからね結果的には。
そしてプロポーズ大作戦は最高にドラマチックな終わり方を迎えた。幸せになってくれ九本。
父ちゃんはどうなるのか。綾子は?山田は?
次回クライマックスということだが、最終回なの?どうなの?

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