和田慎二作品の魅力を語る!〜フェア参戦レポ&画集の感想〜
先日、『スケバン刑事』など数々の名作を生み出した少女漫画家・和田慎二先生の画集発売記念フェアに参戦してきました!
今回は備忘録も兼ねて、フェア会場の現地レポートや、購入品の感想・和田作品の魅力を綴りたいと思います。
10年砂漠に突如降り注いだ、嬉しすぎるニュース
何を隠そう、私がマンガ好きになったきっかけは、和田先生の作品。小学生くらいの頃に、母や叔母が集めていた和田作品に魅力され、以来ずっと大好きな作家さんです。
しかし約10年前、和田先生は61歳の若さで、突然お亡くなりになってしまいます。
以降はもちろん新刊が出ることもなく、ファンとしては長く寂しい気持ちを抱えていました。
そんな中、昨年末にTwitterを徘徊していると……
なんと!!没後10年の節目に和田先生のベストアルバム的な画集が発売され、それを記念しフェアが開催されるというニュースが!!!
「い、行くっきゃない……!(ゴクリ)」
こうして私は、1月22日のフェア初日に参戦することを決意したのです。
名作は色褪せない!担当者さんの愛を感じるフェア会場に大感激!
さてさてフェア当日、やって来ました神保町!
会場の書泉グランデさんへと移動します。
入口のスタッフさんにフェアの開催フロアを確認し、階段を上ると……
さっそく複製画がどー-ん!
階段壁面に、数十点の展示がズラリ!
和田先生の真骨頂であるアクションシーンは、今回のような大判×カラーの展示だと、すんごく映えますね!!!
後ろ髪を引かれながら、後ほど階段をもう数往復することを誓い2階の会場へ!
すると階段上がってすぐのベストポジションに、今度はメインブースがどーーーん!!
画集を中心に、これまでの傑作選や単行本、限定ポストカードがズラリ!
天井に目を向けると、名シーンが吊るされています。
さらに、特典色紙の見本に目をやると……
なんと!『スケバン刑事』主人公・サキの必須アイテムである、ヨーヨーが……!
思わず、グッズとして販売されているのかとスタッフさんにお尋ねしたところ……
なんと、こちらはスタッフさんの私物!
今回のディスプレイ用に、わざわざ持参してくださったそう。
本のプロである書店員さんにも、時を超えてここまで愛されているなんて……。
改めて和田作品の偉大さを感じずにはいられませんでした。
また、ふとレジ奥のスペースに目をやると、スタッフさんが画集に特典を同梱する作業に励んでおられました。
この1つ1つが我々ファンの元へ届くと思うと、感謝しかありません……!
そんなこんなで会場を堪能しつつ、お目当ての画集を無事GET!
そのほかのグッズは、迷いに迷った末、読んだことのない初期作品が収録されていた傑作選を購入。
(限定ポストカードも欲しかった泣。もっと経済力さえあったら……どっかに翡翠の地層が眠ってないかしら……!)
その後はブースで記念写真を撮ったのち、再び階段の展示を行きつ戻りつ。作品達を惚れ惚れと眺めながら、会場を後にしました。
待ち侘びていたのは、私だけじゃなかった!
フェア当日、さっそく帰り道でTwitterに感想を呟いたところ、色々な方から反応をいただけました!
特に感激したのは、同世代のファンの方と絡めたこと。
周囲になかなか同世代の和田作品ファンの方がいなかったので、めちゃくちゃ嬉しかったです!
画集の紹介と感想〜少女漫画の花園に、夜風を吹かせた和田慎二〜
さてさて帰宅後は、さっそく戦利品を開封の儀!
ここからはメインの画集について、中身や感想などを紹介していきます。
画集の中身はどんなかんじ?
コンテンツ盛りだくさんな今回の画集。
中身としては、各作品の名イラストを解説コメントと共に紹介するページが中心です。
(簡単なあらすじも載ってるので、読んだことのない作品があっても安心して楽しめます!玄光社さん、バファリン並みの優しさ設計サンクス……!)
それらの合間には、キャラクターのラフや先生のスケジュールメモなどの貴重な資料も載っています。
そして最後の章には、先生ゆかりの方々のインタビューパートを収録。
実際の章立てと作品の分類は、こんな感じです👇
この章立てから再確認したのは、和田先生の守備範囲の広さ!
全く違うジャンルの作品を、それぞれに章立てできるくらいの作品数・質で創り出してきた先生はやっぱりすごい。
振り幅という言葉がちっぽけに感じるほどの作品の多彩さに、改めて尊敬を感じます。
さらに、ゆかり人々のインタビューも秘蔵エピソード満載で「ほほ〜!」の連発。
中でも、互いの看板作品を同時に連載開始したライバル・美内すずえ先生のインタビューが印象的でした。
画集は4,950円(税込)と結構いいお値段でしたが、納得させるだけの充実した内容が詰まっており、買ったことに1ミリも後悔はないです!
どのページも、めくるたび目が幸せ~~~~!
感想〜和田作品の魅力とは〜
それではここから感想として、画集で和田ワールドを振り返ることで改めて感じたその魅力を、つらつらと語っていきたいと思います。
※ナガイヨ!※
【読み応えのあるストーリー】
まず魅力として真っ先に挙げたいのは、良い意味で少女漫画らしくない、スケールが大きく重厚なストーリー!
日本中、世界中、果ては地球や古代史規模で展開されるストーリーの壮大さは、身近な憧れを描くことの多い少女漫画の世界において、特異な存在感を放っています。
そこへさらにサスペンスや歴史・伝説という、こちらも少女漫画では珍しいタフな要素が組み合わさることで、唯一無二の和田ワールドが完成。
その世界観は、少女漫画という「陽」の存在でありながらも、どこか暗く妖しい「夜」の雰囲気を纏っている印象があります(実際、和田先生くらい夜間のシーンが多い少女漫画も珍しいのでは……?)。
例えるなら、1点の濁りもないピンクの絵の具に、赤黒い血の色をほんの数滴垂らしたような……。その夜の色が作品に少女漫画の枠に収まりきらない生々しさや凄みを与えているゆえに、和田作品には大人や男性が読んでも楽しめるものが多いと思います。
今でこそ少女漫画と少年・青年漫画の垣根がフラットになりつつあり、少女漫画で男性的なテーマを扱うこともその逆も当たり前になりましたが、当時は本当に画期的だったのでは……!
【画力は少女漫画×少年漫画のハイブリッド!】
また、ストーリーと双璧を成す魅力が、圧倒的な画力!!!
少女漫画ならではの繊細な優美さに少年漫画っぽい躍動感あふれる構図・表現が絶妙なバランスで組み合わさっていて、も~~~たまらん!
前述した、いい意味で少女漫画っぽくないストーリーの特徴にもぴったりマッチ!
特に大ゴマや扉絵など、キャラクターの全身が分かるショットでその魅力が遺憾なく発揮されていると思います。
【愛に包まれた、強くて脆いキャラクター達】
そして最後に、生き生きとしたキャラクター達も、和田作品の魅力を語るのに欠かせません!
和田先生の描くキャラクター(特にヒロイン達)は、凛と強く時にはチャーミング。でもどこか心に闇というか脆いところもあって……1人の人間を構成する「陰と陽」のバランスが素晴らしいなと。
また和田先生の作品やあとがきを読んでいると、先生からキャラクター達に向けられた、まるで彼らのお父さんのような愛が、ひしひしと伝わってきます。
作中ではロリコンといじられることもある和田先生ですが(笑)、私が作品を読んで感じる先生からキャラクターへの目線は、そういった直接的な恋愛感情とは少し違うように感じています。
もっと慈しみがあって、穏やかで……なんというか、父親が自分の娘の中に若き日の妻の面影を見るような……間接的でプラトニックな愛情を感じます。
また作品を見渡しても、『パパ!』シリーズや『少女鮫』など、父親がキーになる作品が多い。そういった部分にも和田先生の父性愛的な目線が現れているのでは……?と、勝手に思っています。
(そして、このお父さん理論のせいでしょうか。和田作品は少女漫画にしてはサービスショットが多いんですが、その裸体が厭らしさゼロで本当に美しい。女性が見ても気持ち悪くないというか、健やかで、清潔で、なんなら神々しさすら感じるくらい綺麗なんですよね〜。)
そして先生からの愛は、脇役キャラクター達にもしっかりと注がれていて、各作品に主人公以外にも魅力的なキャラクターがたくさん。
私のイチオシは『怪盗アマリリス』のミザリー&ジュニアのカップルや、主人公のライバル・ゆかりさん。人間味あふれる憎めない敵キャラが好き!
あとは、和田作品に欠かせないお手伝いのスガちゃんも!
(……は〜〜〜、
ようやく言いたかったこと全部言えたw)
画集はオンラインでも販売!フェアは2月28日まで!
そんなこんなで、当日から行った後まで、じっくり楽しむことができた和田慎二フェア&画集。
フェアの開期は2月28日まで。
まだ今週末・来週末が残っていますので、ご興味がある方はぜひ!
フェア情報詳細・オンラインショップへのリンクはこちらの公式から↓
私も今回のイベントを機に和田作品の魅力を再確認したので、また過去作品を読み返したり未読作品もコツコツ収集していきたいなと思います。
それでは~^^
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