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【オンボーディング失敗体験記 vol.1】若手に相談されなくなる上司の返答

オンボーディング失敗体験記とは、とある企業の新入社員が、入社後、上司とのコミュニケーションや会社の仕組みなどから、少しずつ”やる気を失ってしまう”物語"です。どの会社にも発生しているかもしれない「あるある」な場面を切り取ります。経営者や人事またはマネジャーが、「新入社員が会社になじむため、適切なオンボーディング手法を学んでいく」をコンセプトに発信しております。

そもそもオンボーディングとは、新しく組織に加わった新入社員(新卒・中途の両方を指す)が、早期離職を防ぎながら、企業にとって有用な人材に育成する施策のことをいいます。もともとは、船や飛行機に新しく乗り込んできたクルーや乗客に対して、必要なサポートを行い、慣れてもらうプロセスのことを指しており、そこから派生した人事用語です。

多かれ少なかれ、新入社員が入る全ての会社は、適切なオンボーディングを実施することを求められます。新入社員が、心理的安全性を感じ、自社へのエンゲージメントも高まり、いち早い成果を出すことが期待できます。結果として、離職を防ぎ、定着率を上げることができます。

それでは、”本日の失敗体験記”を見ていきましょう!

本日の失敗体験記

〈 ①上司のちょっとした一言でやる気を失う瞬間〉
〜〜〜〜
上司「仕事は良い感じに進めてる?」
部下「はい!おかげさまで!早く成果出して、新規事業にチャレンジしたいですね」
上司「俺も当時そう思ってたわ。やる気のある若手は、みんなそういう風に言うんだよね、でも、まずは目の前の仕事で成果を出すのが大事だよ」
部下「わかりました、、、(なんかやる気が下がるな…)」
〜〜〜〜

〈 ②「やっぱりわかってくれてないなぁ」と思う瞬間〉
〜〜〜〜
部下「必要な業務だとはわかっていますが、やっぱりテレアポきついです…」
上司「俺が前職の時は、電話から手を離すなと言われてたよ」
部下「そんなことがあったんですね」
上司「そうそう、営業時間全てテレアポに充てろって言われてたから、朝と夜にリサーチを進めてたよ。しかも、四季報もどんっと置かれて、かけ切るまで帰してくれなかったんだよな〜」
部下「そうでしたか、、、(はぁ…そんなこと言われても…)」
〜〜〜〜

オンボーディング失敗体験記の解説

本日の失敗体験記、2つの事例を挙げてみましたが、いかがでしょうか?心当たりはありますでしょうか?
前提として、上司・マネジャーは、悪気があって上記のような発言をしているわけではありません。共感を示してあげたい気持ちで、このように会話しています。
しかし、新入社員がやる気をなくす瞬間は間違いなく発生します。

「人」に向き合っていない

今回の場合、「新規事業をやってみたい」「テレアポがきつい」という『事象・問題』は捉えていますが、『人』に対して向き合っていなかったり、上司の中では重要な内容と捉えていない結果、このように新入社員がやる気をなくしてしまっています。人と向き合う、ということが根本的な要因です。

一問一答的なアドバイスになってしまい、結果として上司が「自分語り」をする形となり、若手育成の抜本的な課題解決になりませんでした。特に、上司の実際の経験を話したとしても、時間軸・外的環境・経験値などが全く異なることから、「あなただから、それできたじゃん、僕はできないな」と思われてしまうのがオチです。「僕でもできるかもしれない!」と思わせることができるのか、今一度考えてあげることが必要ですね。

「なぜ新規事業をやりたいのか」
「なぜテレアポがきついのか」

その「人」自身と向き合ったときに出てくるコミュニケーションを取らなければ、もしかすると新入社員は、やる気をなくし、”言っても無駄”だというモードになるかもしれません。上司からすると些細なことかもしれませんが、オンボーディング期間こそ、その人が持つ考えや価値観を拾ってあげることが重要です。

オンボーディングでやるべき3つのこと

今回の失敗体験記から得られる学びとして、3つの学びがあります。

①「自分はわかっている」思い込みを捨てる
② 逆代理体験をさせない
③ 内的キャリアに向き合う

①「自分はわかっている」思い込みを捨てる

まず、マネジャーや上司は「自分は(メンバーのことを)わかっている」という思い込みを捨てることから始めます。特に、心理的柔軟性(*)が低い上司が陥りやすいNG行動です。

「働くということはこういうことだ」、「新人はこうあるべきだ」というなんの根拠もない過去の実体験を元に物事を考えています。離職の予兆があったとしても、なかなか気づきません。部下も「相談しても無駄」だと思い、相談もなくなってしまいます。

(*)心理的柔軟性とは…
「今、この瞬間」への気づきを維持しつつ、否定的な思考・感情を受け入れながら、自分にとって価値あることを行っていく心の力のこと

②逆代理体験をさせない

逆代理体験とは、上記にも書いたように、「それはあなただから出来るじゃん」「(昔は、朝まで仕事してたと言うけれど)自分じゃあ無理だな」と、無力感を与えてしまう行為です。

些細な発言も、相手の自己肯定感を下げてしまっている可能性があります。一般的に使われる「代理体験」である「自分にもできそう!」「俺も頑張ろう!」と思えるようなコミュニケーションを心がけたいですね。

失敗体験記の新規事業にトライしてみたい若手社員には、「その時期から思っていたのはすごいね、そんなこと全然考えてなかった!なぜそう思うの?」と言われる方がきっと嬉しいはずです。マネジャー自身が思っているよりも、知らぬ間に、無力感を与えていることは避けたいですね。

③内的キャリアに向き合う

問題解決のために相談に乗ってあげるのは非常に良いことですが、その問題を抱えている部下の心境や考えていることに、配慮ができていないと無駄になってしまう恐れがあります。

・発言を肯定する
・なぜそう思うのかを深ぼる
・ゴールを一緒に思い描き、設定する
・上司ができるフォローを提示する

何か相談事があったときに、一問一答で対応するのではなく、その人自身を見て、どのようなキャリアを描きたいのか、一緒に考えるべきです。

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