生物屋さんとプログラミング

こんにちは、omatsuです。

最初の挨拶からネタ探しをしていたら、4日もたってしまいました。そろそろ第一稿を書かないと目標の週三回投稿が達成できないので、ひとまず『潜水生理学や生物学に関する雑学』で一つ書いていきたいと思います。

さて、最初のネタは生物学の研究にはプログラミングが必須となりつつあるというお話です。

生物学に携わっている方だったら、「当然じゃん!もっと違う話をしろ!」みたいに言われると思いますが、そうでない方の多くは、「えっ、生物学なのにプログラミング?なんで?Why?」となるのではないかと思います。

この記事では、現代の生物学にとってのプログラミングの役割と、今後その重要性が増すのではないかという個人的な予測を踏まえて、今後の生物屋さんの研究のスタイルに触れていきたいと思います。

正直、このような話はお偉い先生がたに任せておけばいいようにも思えますが、たまには学生がこんなことを発言してもいいだろう。

ある飲み会にて

去年の末ぐらいに、中学校の部活の同期が近々結婚するということで、7年ぶりに集まって飲む機会があった。

そういった飲みの席では、当然今何をやっているのかという近況報告になる。すると、やはり他のメンバーは就職し、博士課程に進むという奇特な人間は僕一人であった。

酒が入っていくうちに「omatsuは明日何やるの?」と聞いてきた同期がいたので、「研究室に行ってちょっと試してみたいプログラムを組みにいく。」と返した。すると生物学の研究ってプログラミングとか使う必要があるの?とでもいいたげに顔をキョトンとさせていた。

おそらく、世間が思い描く生物学を勉強している人のステレオタイプって、動物のケツ追っかけ回しているか、白衣着て顕微鏡をのぞいてニヤニヤしている変人なんだろうなぁ... 

ただ、この記事を読んだ生物屋さん以外の人も、この同期と同じ反応をするのではないだろうか?

実は生物学に大事なプログラミング

近年の生物学には、プログラミングは切っても切り離せないものになるつつある。その理由の一つは、扱うデータが膨大になりつつあり、今までパソコンの表計算ソフトなどを使って手動で解析できていたものが、手動では追いつかなくなってきたことである。これについて詳しく書いてある記事があったので、興味がある方は以下のページを参照してください。

WIRED.jp「かくして「プログラミング」は生物学者の必修科目となった」

もう一つは、数式を用いて仮説などを立てる場合、その数式が複雑であったり、もしくは様々な条件によって数式を部分的に変えるなど、ヒトが計算するにはあまりにも煩雑すぎて時間がかかることをコンピュータにやってもらうためである。コンピュータがこのような計算を代わりに行ってくれるため、生物屋さんはまだ読んでいない論文を読んだり、自分の論文を執筆することに時間を費やせる。もちろん、休憩時間や睡眠にも。

つまり、プログラミングさえ覚えれば、生き物の情報のビックデータ化によって複雑になった作業を全部コンピュータがやってくれるので、多少楽ができるようになるということだ。

コロナ禍によってプログラミングがより重要になってくるかもしれない。

昨今のコロナ禍はフィールドワークを行っている研究者や我々大学院生に大きなダメージを与えている。フィールドワークにいかなければ得られないデータやサンプルが移動制限によって取りに行けないのだから、研究がなかなか進まない状況である。学生にとっては卒業や今後の進路にも関わってくるので、まさに死活問題である。

しかし、プログラミングが使えると、今までに手に入れたデータを基に新たな解析を行える。

また、別の切り口から研究を進めることが可能になるかもしれない。

例えば、今まで唱えられてきた仮説を検証することができるかもしれない。現在定説となりつつある仮説も、条件を変えてシミュレーションを行うと異なった結果になることがある。もし、この結果が理論的に正しいと説明できるのであれば、一つの新発見として報告できるかもしれない。

また、今までわからなかった理論モデルを理解できるようになるかもしれない。これは偏見であるが、生物学を勉強しにきた人々の多くは理系なのに数学や物理が嫌いで、数字を扱うことに抵抗があることが多い。そのため、論文など数学や物理学をの知識を利用したモデルを見ると、拒絶反応を起こして論文を読み進められなくなることがある(omatsuもそうであった)。ただ、プログラミングができるようになると、今まで理解するのに苦労したモデルをグラフにするなど可視化できる。いくつかの数値を変えたグラフを作っていくことで、モデルの意義やどのようにしてモデルが変化するのかを読み解くことができるようになる。

コロナでフィールドに出る機会が減ったことでできた時間も、プログラミングを使って有効活用できれば、また違う研究の仕方を身に付けられる可能性がある。

これからの研究生活:大学院生として思うところ

今回のコロナ騒動によって、フィールドワークは突如としてできなくなることが浮き彫りにになった。コロナが治ったとしても、今後同じようなことが起こることは十分ありうる。もし、第2波や第3波、同じような状況が起こったとしても、プログラミングを身に付けておけば、フィールドに出れない状況でも研究を進められるようになると考えられる。

ただし、これまで生物学の研究にはプログラミングが必須になりつつあるという話を長々してきたが、それでも生物学の基本は観察にある。どんなにプログラミングで面白い結果が出たからといって、自然で起こり得ないような結果はコンピュータが考えた「机上の空論」にすぎない。これからの生物学では、プログラミングの長所を生かし様々な仮説を検証し、野外観察によって仮説の実証や、新たな疑問点を見つけるのが一つの主流になるのではないかと未熟ながら考えている。


おそらく、多々文章に穴が見られると思いますが、そこはご愛嬌で、間違えや穴はご指摘していただけると幸いです。

えっ、「お前はちゃんと研究を進めているのか?」ですって?


さて、プログラミングの間違えを直さなくては...

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