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小俣 荘子
2020年9月25日 19:46
丘の上から見えたのは、砂と廃墟のような建物が一面に広がる小さな町だった。子供の頃、ふざけて祖父の手を顕微鏡で覗き込んだときの景色を思い出した。ザラザラで、でこぼこしているけれど不思議な安らぎがある。 乾いた土地には今日も強い風が吹いている。ヒマラヤ山脈の山あいには、風車がたくさん並んでいた。風を受けて回転するプロペラ。かつては小麦を挽き、今は電気を生み出している。そして、その回転軸を改