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自分との対話と軽やかさ

梨木香歩さんの本『やがて満ちてくる光の』(新潮社刊)を読んでいて、伊勢神宮に関するエッセイが心に留まった。
梨木さんは伊勢神宮・外宮の森に明るさと軽やかさを感じ、その秘密は神宮のありかたにあると思ったという。
朝夕の神々の食事を用意する「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」。20年に一度、神殿から調度品まで何もかもを一新する「式年遷宮(しきねんせんぐう)」。日々、目的に向かって動き続ける神宮。

 ~繰り返して倦むことを知らない、決して澱ませず清浄を保つのだという強い意志がこの明るさ、清(さや)けさを生み出しているのだろう。(本文抜粋)~

私の中に、澱んでしまった場所は無いか?
荷物が多くなって、動きが重くなっていないか?
その時々で大切なものは変わる。ずっと大切にしたいものはきっと、旅行鞄に詰められるぐらいの量だろう。
深いことと澱んでいることとは異なる。神宮は明るく軽やかで、深い。
手足を動かそう。その時々に必要な出会いを大切にし、またそれらが澱んでしまう前に、潔く感謝とともに、お別れしていこう。そして本当に大切にしたいものに、愛を注ぎ続けよう。
私の中の森が、明るく軽やかで、深くありますように。

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