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10.1ヶ月のプレセッショナルを終えて
スコットランドへ来て、1ヶ月が経ちました。あっという間の1ヶ月で、驚いたこと、戸惑うこと、成長したこと、まだまだのこと、色々な感情が過去のものにならないように、書き留めておきたい。
この地に到着した日、とてもいい「気」を感じたことを覚えている。
とても気持ちのいい天気で、最高気温が20℃の土地が27℃にもなる最高の晴れ日だった。ここでこれから1年弱生活するのか、この土地を、この大学を選んでよかった、と直感した。
その一方で、慣れない土地や食べ物の調達、シーツも布団もない部屋で過ごした初日はとても心細く、伝わらない英語に落胆した日でもありました。
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さらに、円安の影響から何を買うにも物価が高く、そこへ気を払うことにストレスを感じずにはいられませんでした。私は新しい土地に着くと、その土地での各スーパーの価格感をつかみたいがために、手近のお店で目的のものを買うことはなく、時間がかかっても複数の店へ足を運び、そのまま何も買わずに帰宅ということもしばしばあります。おそらく目的がありすぎるのでしょう。1人だからこそできることでもあります。
数日間の準備期間を経て、いざプレセッショナル初日。圧倒的な中国出身者の多さに驚きました。英語と中国語を話せたらもう最強じゃん、と感じました。そして同じ年代の友人を作りたいな、と思っていたところ偶然同じクラスになった方が同じくらいの社会人経験を持つ方で意気投合。お互い完全な英語を話せるわけではありませんがコミュニケーションをとれる友人ができました。彼女は心理学の専攻で上野千鶴子さんに関心を持つフェミニスト。フェミニストの定義は幅広いと思いますが、私も彼女と同じ考えがあり、お互いジェンダーギャップランキングの低い国同士、通じる部分があります。
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午前中はセミナーで午後はチュートリアル。チュートリアルでのクラスメイトのスピーキング力は私より圧倒的にレベルが高く、私はまだ短文でシンプルな表現が精一杯なので、次の5週間ではもう少し長く文章が話せるように頑張ってみようと思います。また、チュートリアルでは毎週ディスカッションがありました。正直、ディスカッションって何だっけ?とほぼ私の記憶にはディスカッションのノウハウはありませんでした。
しかし、最終回のディスカッションは録画をされ、課題の採点対象になるとのこと。グループのメンバーと当日は朝から練習を重ねました。練習の時点からすでに自分の意見をもち流暢に話すメンバーに「すごいわぁ」としか思えませんでしたが、「準備すればできるよ」、の言葉に支えてもらい、本番は過去一番の出来のスピーキングをすることができました。久しぶりの達成感を味わい、あぁこれが自信に繋がる過程なんだと、この過程を社会人になって再び経験できたことをとても嬉しく思いました。本番前までは、いやこれは出来ないかもしれない、とメンバーの圧倒的な頭の回転の速さに驚いていたのに、本番はみんなの協力でスムーズなディスカッションを「演出」することができました。
準備とは何か、本番と同じように実践することだ、と改めて学ぶことができました。そしてメンバーはとても協力的で、ポジティブでエネルギーがあって私よりずっと若いのにしっかりしていてとても頼りになりました。私もできることは積極的にギブしていこう、と思っています。
最終週はこれまでプレセッショナルを受けた生徒4名のプレゼンテーションを聞く会。PhDの生徒からUndergraduateの生徒まで、みんな自信をもってプレゼンテーションをしている姿に、そしてプレゼンテーションの上手さに本当に私と同じ人間か、と疑いました。いつもなんで?なんで出来るの?と自信の低い私は周りの行動に驚くことばかりなのですが、自分で自分を信じ込ませることが大事なのかと思いました。そして「そう振る舞う」うちに変わってくるのかもと今回のディスカッションを通しても学んだことです。
それにしても、プレセッショナルの先輩達のプレゼンテーションはどれも深く頷ける内容ばかりで、特に最後にプレゼンをした中国人の話は強く共感するとともに、自分を奮い立たせてくれる内容でした。彼もやはり英語で話すことが怖くて、下手な英語に罪悪感を感じでいたとのこと。でも自分が中国にいて中国語をうまく話せない人に何も感じないでしょ、と。まさにそうだと思いました。ただ私にはまだ怖い思いと自分の意見を持ち合わせるという部分が足りていないことを同時に課題と感じています。
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こちらでは、みんな何をそんなに長く話しているの?と思う光景を道端の会話でも電話での会話でも目にすることが多々あります。自分の考えを表現する機会を勤務時代に何となく抑圧されていた、というより意見を持ったとしても、結局答えは決まっているという諦めと無駄な悟りが自分の思考を停止させていたんだ、と思います。特に大学病院という大きな組織では1つの部署においても意思決定に個人の意見が反映されることは多くないと思います。その環境に慣れすぎたことが1つの要因だと思います。
もう1つ、夫婦で生活を共にすることは考えを擦り合わせながら同じ方向を向き続けなければ継続が難しいということ。私は今回の留学を機に夫と別々の場所で生活をしています。出発の日は空港で涙が止まりませんでした。それは夫と生活が出来なくなる寂しさもありましたが、それ以上にこのスタートラインに立てたことが信じられないという嬉しさ、ワクワク、どきどきと沢山の感情が混じり合ったことが要因だったと思います。周りからは悲しくて泣いていたと思われていたでしょう。でも実際は違ったのです。
そして、今までも自分の人生の主役は自分であったはずなのに、自分が道の中心に戻って歩いていく感覚がその時頭に浮かびました。その時、わかったのです、夫に歩幅を合わせながら、生きていたこと。それが嫌だったわけでも苦痛だったわけでもありません、でも、1つの道を自分1人で歩いていくことは夫婦では出来ないのです。今は少し距離の空いた2車線をお互いの歩みが見える範囲でそれぞれ歩いている感覚です。この留学が終わることにはまた合流するでしょう。
まとまりのない文章になってしまいましたが、今、私の周りはたくさんのポジティブなエナジーが取り巻いていて、自分に「もっと勇気をもて、ポジティブにいろ」、と背中を押してもらっているような環境にいます。とても幸せです。
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