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芳ばしいフィナンシェを




痩せ細りたい衝動にかられるときがある。ダイエットを誓ったわけでも自暴自棄なのでもない。慰めてほしいからだ。


TKGの産物でフィナンシェ作り。


自分のダメダメなところを思い知らされた時、意気消沈して、ろくにご飯も食べずに泣きながら布団に入る。

そんな時思うのは、ガリガリに痩せて誰かに大丈夫?と言われることだ。(もしかしたら、読まれている人の中にはギョッとしたり、苛立ちを覚える人もいるかもしれない)私は打たれ弱くて、毎度本気で病的な空想と涙で身体をひきずるようにして生きているわけで、自分でやっていることながら苦しかった。でも、ようやく、まずは自分を慰めることが最優先みたいだと気づいた。向き合うのは、その次でよい。すぐに向き合えない自分を嫌にならず、まずは自分を慰めること。


焦がしバターは飴色ぐらいで。


問題が起きたその日は、全然眠れなくて、翌日仕事に行くのが億劫で、考えただけで憂鬱だし、とにかく落っこちないように大好きな接客をしていた。スコーンを2つだけ食べた。

問題に向き合えてない自分にも嫌気がさしていたので、翌日ようやく30分だけ向き合う。ノートに原因とどうしたらよいかを今までの私を追いながら書き記した。ちゃんとやってきたことを認めて、その上で自分と問題とを両方から見て整理して、考えて、具体的にどうするのかを自分ではっきりさせる。いいなりになるのでなくて、ちゃんと自分の意見も聞くことが良かったなと思った。

向き合うことにすごく腰が重かったけど、書き出してみると、少し前向きになれて、おにぎりをちゃんと握って職場に向かった。あたたかい格好をして。大好きな作家の本をリュックにつめて。大人になったなと思う。


松永製作所のフィナンシェ型のこのロゴがたまらん。好き。



いつも、慰めてもらうことを相手に頼り切ってきて、でも、慰めて!と言うことが、自分如きで相手を振り回すことが、迷惑だと思っていてできないので、黙っていて、でも慰めてほしい。けれど、黙っていては当たり前だけど伝わるわけもなく。そして、相手に対してこの人は自分のことをなんとも思ってないと勝手に悲しくなる。


食べるところたくさん欲しいので、満ち満ち。


それが今回、自分の力でなんとかしなきゃとなったのは、ちょうど想ひ人の体調がよろしくなかったのと、誰かを頼り過ぎて相手がキャパオーバーになる事件が重なったからだ。自分のことを人頼りにしすぎていたなと思ったし、頼ることはその人との間を深めること、信頼があるからできることに憧れて、行き過ぎてしまった。

でもだからといって、なんでも一人でやってやると孤独に逃げるのでなくて、頼み方をちょっと変えてみたりバランスをとる。


レシピ通りの焼成だと瓦煎餅みたいに。なんで。


そして、自分に優しくすることは楽をすることだけでない。文字を起こして、丁寧に髪を乾かしてそうやって手を加えて救われることがあるのだとわかった。気が弱くて挫けそうな人達に芳ばしいフィナンシェを。


♢♢♢

今回は、神奈川県にある、お菓子屋さん「リリエンベルグ」さんのレシピ。外観から可愛すぎるのだな。

レシピ通りの焼き時間だと上写真のように丸焦げ寸前で、出来立てがバリバリの瓦煎餅だったので、後半の焼き時間を3分にした。(180℃15min→200℃3min)途中温度を下げるレシピはあるけど、上げるレシピは初めてかも。面白い。

出来立てはサクサク。翌日はしっとり。ヤッタネ!

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