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地元愛と家庭の味が生んだカタルーニャの絶品チーズケーキ

前回の記事から大分間が空いてしまった。どんな記事を書こうかと悶々と考えていたらいつの間にか時が経ってしまっていた。書きたいことは山程あるのに、構成やトピック、記事の一貫性など色々と考えていると手がとまってしまう。結局、細かいことは諸々考えず、書きたいことを思うままに書くのが1番という結論となり、今に至る。


書きたいことといっても私が記事にしたいのはやはり「食」についてだ。趣味はおいしいものを食べること、カフェ巡り、コーヒーづくり、旅行に行くこと、書くこと。しかし、コロナ渦になってからは旅行は難易度の高い非日常の趣味となってしまった。なので、Noteでは自分がこれまで様々な場所で出会ってきたおいしいものについて書いていきたい。

今年も早いもので半年が経ってしまったので、今日は2012年上半期を振り返り、特に印象深かった「食」について記載しようと思う。


今年始まってすぐのことだが、ものすごく衝撃を受ける食べ物に出会った。それはずっと食べたかったお店のバスクチーズケーキ。

バスクチーズケーキには昨年からはまり、色々なお店のものをいただいてきた。
普段あまりまわりに流されない自分は、流行りものも自分が興味を持たなければ試すことはない。バスクチーズが流行り始めた当初も特に興味はなく、試すことはなかった。


しかし、昨年シンガポールではコロナの影響で外食が一切禁止され、その際にケーキ屋さんやカフェなど、スイーツを買えるお店も営業停止となった。特に影響がなかった方もいるだろうが、甘いものをカフェや自宅でいただくのが楽しみな自分にはかなりショックな出来事だった。簡単なものなら自分でもつくることができるが、お店の凝ったデザートが食べたい。
そんな時に救世主となったのが店舗を持たない販売店、すなわちオンラインのお店だった。その時期にバスクチーズケーキを購入し、気に入ってから私のバスクチーズケーキの旅は始まった。


色々調べた中で、あるレストランのデザートメニューが気になるようになった。
それはOliviaと言うレストランのバスクチーズケーキ。シンガポールの人気のバーなどが並ぶ一角にある、おしゃれなレストランである。


いつも予約でいっぱい、かつお料理よりデザートに興味があるお店だった。そんな訳でケーキのみ購入できないか問い合わせをしたところ、ホールケーキであれば購入できるということがわかり、お祝い事に合わせてこちらのケーキを予約した。


箱を開けた瞬間、ものすごくよい香りが辺り一面に漂ってきた。この香りを嗅ぐだけで幸せな気分になった。
焦げめがついた表面も全体的なシルエットも美しい。よく見るバスクチーズケーキと異なる点は、まわりがタルト生地でできていることだ。同じチーズケーキでもこれまでのケーキとは全く別物な気がし、期待が高まった。

カットした瞬間、サクッというタルト生地の砕ける音とともにとろけた部分が溢れ出てきた。
大好きなブッラータチーズを思わせるとろとろ感。
カットすると、漂う香りも強くなり、わくわくが高まった。

一口いただいた瞬間、体中に電撃が走った気がした。
こんなにもクリーミーな味わいは、バスクチーズケーキだけではなく通常のチーズケーキをもってしても出会ったことはなかった。

まず驚くのはケーキの食感である。そのとろっとした食感から、舌にのせたケーキは瞬時に消えてしまい、最初から口にいれていなかったのではという錯覚を起こすほど。それほどにまでにとろっとした食感のなめらかなチーズケーキだった。

さらに驚くべきは香りである。このチーズケーキの特記すべき点は、中にブルーチーズが入っている点。口に入れた瞬間、鼻に抜ける豊潤で香り高いブルーチーズの香りは他の何とも異なっており、チーズそのものの香りを楽しんでいるかのようにも感じる。
それは香りだけでなく、味わいにも十分に出ている。口の中のケーキはまるでチーズそのものをいただいているようなクリーミーでまろやかな味わいである。
 
 

ケーキと同時に興味を持ったのがこちらのお店のシェフだ。スイーツでここまで人を感動させることができるのかと衝撃を受け、このレストランのシェフについて調べてみた。
シェフはelBulliという有名なミシュランのお店で修行を積んだ凄腕の持ち主。

そして、カタルーニャ地方の出身だということを知った。カタルーニャは長年に渡りスペインに対し独立運動を求めている自治州である。
そのため、カタルーニャ地方の料理はスペイン料理ではなくカタルーニャ料理としてカテゴライズされる。シェフはそうしたカタルーニャ料理を多くの人に知ってもらいたいと語っている。また、彼がもう一つ大事にしているのが自身の家庭の味だ。


チーズケーキは奥さんが日常作っているものだという。彼は故郷の味と家庭の味を多くの人に知ってもらいたいという思いでこのケーキをレストランのメニューに加えたそうだ。


この話を読み、よりこのケーキが自分の中で印象深いものとなった。コロナの状況が落ち着いたら、絶対に行きたい場所にバスク地方やカタルーニャ自治区がある。これからのそんな楽しみもつくってくれた一品だった。

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