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つくだ煮の歴史と旨味

浅草橋のつくだ煮屋さん、鮒佐。

文久2年から?…
162年前です。

いかにも歴史のある佇まいを目にして、これは買っておかないとと思い、お店に入りました。

ショーケースを見る。
…うーん。「とりまぜ」と書いているものが1250円の60gから何万円もする大きな箱のものまで並んでいる。

よくわからない。

店の方が声をかけてくれました。

「昆布、あさり、ごぼう、えび、しらすを少しずつ詰めたのが、とりまぜですよ。もしくは単品でご注文もできます」

単品メニューには穴子や季節物の若鮎がありました。
単品の若鮎、そしてしらすを買うのもいいかと思いましたが、初心者らしくここは、とりまぜを選びました。

家に帰って開けてみます。

私の持ち運びが悪く、中身がぐちゃぐちゃによれてしまったので、撮影は断念。ちゃんと懐紙を入れるなどされていましたのにね。

中に入れてくださっている説明書きで、鮒佐の歴史はもとより、つくだ煮の歴史もよく知ることができました。

つくだ煮は大阪の漁民が塩煮で作っていたものを徳川家康に献上したことが始まり。本能寺の変の煽りで大阪を脱出しようとした家康に、漁船とつくだ煮を渡し救ったのです。
その後全国での漁業権を与えられ、江戸の佃島に移り住んで開拓したのもこの大阪の漁民だったのですね。

昔からこの「佃」という地名を知って佃煮みたいだなあと思っていたけれど、本当にそうだったとは。そのとき調べてみてもよかったのに、今になりましたね。 

鮒佐さんは弟子や職人を取らず、ずっと息子に受け継ぐという方法で、今5代目になっています。鮒佐さんが醤油を使ったつくだ煮を作った元祖だということです。

諸説があるようですが、こう紐解くと歴史って面白いなと思います。ふだんは歴史に興味はないんですけどね。

つくだ煮はなんと水産省も薦める健康食品!! 
丸ごと全体をとれるのがいいのです。漢方にある、一物全体そのものですね。まるごと料理を推奨している私の主義にも合います。

具を少しずつご飯に乗せてみましょう。

いかにも塩辛そうなつくだ煮!!

でも、うまみがある…
発酵食品ぶりを感じます。
そう、本物のお醤油が使われているのだと思います。お醤油は発酵食品なのです。(スーパーに並んでいるものは、塩水を色付けしたものだったりしますので、発酵させていないものが多数ですが…)

本物のお醤油の辛さと旨さに、素材の旨味がドーンとそびえていて、小粒ながらしっかりと存在感を示す味わいです。佃煮は素晴らしい。薪で炊いた火で作っていることも、間違いなく美味しさに貢献しています。

1250円の小さなパックでも、ご飯一杯分にどれだけ必要かと言ったらそうでもない。少しでいいですね。大事に食べることにします。賞味期限は20日間です。

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