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イタリア人の心意気に打たれた日
去年の10月、イタリア人の血を引くアメリカ人の旦那さんの家族が、家族のルーツがあるイタリアのトスカーナの田舎を訪ねる旅を企画したので、私も便乗した旅。普段はスペインのオリーブオイルを輸入しているのと、随分昔に行ったヴェネツィアとローマがいまひとつしっくりこなくて、それ以来興味を持たなかった国・イタリア。
と言ってトスカーナの思い出ではなく、帰国前にローマに2泊することになり、その時のこと。2泊連泊がいいという旦那さんの強い希望で、1泊しか空きがなくて泣く泣く予約をあきらめたホテルがあった。Horti 14 Bongoという名前のホテル。
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ローマ大学植物園(奥に見えるのが植物園とのボーダー)に隣接し、ホテル中に植物が植栽されていて、インテリアも植物モチーフです。
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植物が大好きで、ローマ大学植物園に行って(行きました)、このホテルに泊まりたかったのだけど、そういう理由で泊まれずじまい。2階がどうもカフェっぽいので、といってもホテルのサイトを事前にチェックした限り、宿泊者専用の朝食会場かイベント用スペースと書いてあったのでなので、誰でも入れるカフェじゃないよなぁとはうすうす思いつつも、あの~という感じで、「コーヒー飲めます?」と受付のお姉さんに聞くと、「OK! もちろんよ」とニッコリ。なんだ、カフェなんじゃん、ということで、2階に案内される。(トップ画像の写真)
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あれ?誰もいない。カーテンも一部閉まったまま。ま、気にせず、おいしいコーヒーとクッキーを頂く。植物園を歩き回ったので疲れがとれてホッとしたところで、お会計をと思い階下へ。
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「いらないわよー」「え???」「It’ on the house (ホテルの奢りよ)」
いやいやいやいやと日本人としてしつこめに言ってみるも、ニッコリ笑って本当にいらないから、と見ず知らずの、もう二度とローマには来ないかもしれない日本人に振舞ってくれたのでした。
もちろん、帰国してSNSでこのことを書いて#しましたよ。確かに宣伝にはなるかもしれないけど(私の拡散力はほぼないに等しいけれど)、それにしても、とおりすがりの旅人に対するこの気持ち良い、すがすがしい対応に完全にやられました。イタリア人を誤解していました、ごめんなさい。
翻って、日本という国のおもてなしを考えてしまいました。時に形式ばった高尚にさえ思えるおもてなしは、イタリアのカジュアルな心意気に果たして見習うものはないだろうか。
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