見出し画像

食品ロス:今自分にできること(井出留美さん著作より)

人間の便利な生活による環境破壊をどのように食い止めるか…

100年先の話ではなく、自分が生きているうちに訪れうる、今まで食卓に並んでいた品々が消え去る危機的状況。それを少しでも軽減するための食品ロスを含むゴミ削減問題への取り組み。
国や企業レベルでの取り組みを大前提に、消費者の個人として、じゃあ何ができるの?
それぞれが、それぞれに無理なく(もしくはちょっとの努力で)できることを始めて、実践し続けることなのかな、と最近感じてます。

食品ロスジャーナリストの井出留美著作「あるものでまかなう生活」を読んで、いくつか共感したポイントに自分のコメントを添えてまとめました。

「あるものでなんとかしようと思うと工夫が生まれる。それが楽しい。」
あるもの・手持ちのもので循環(サイクル)を生み出すことの大切さへの言及ですが、発想力と想像力が試されて確かに楽しい。発想力豊かな子供に戻った気分で♪ 気持ち的に余裕がない時は無理せずに。

「その資源は地下からとったものか、地上からとったものか?」
地上からとったものは、捨てられたら土に帰って循環することへの言及です。プラゴミ削減にも繋がる認識として常に頭の片隅に入れておきたい。まずは、使い捨てプラスチック(single-use plastic)を減らすことから。

「賞味期限はおいしさの目安」であることを頭で理解するだけでなく、実生活で体感する。
商品の賞味期限設定の基準を正確に理解すると、安全に食べられる期間がより長いことが分かります。賞味期限切れで食べ物を捨てることが減り、食品ロス削減に繋がります。自分の中に刷り込まれている常識や慣習を変えるには、マインドセットの切り替えが必要…

【基準その1】賞味期限は、食品の品質劣化を基準としていない場合もある

ペットボトル水の賞味期限:品質でなく内容量を保証できる期限。一定期間を過ぎるとペットボトル内の水が蒸発して内容量が若干減る為。通常保管であれば、濾過工程を経たミネラルウォーターの品質劣化は少ない。

卵の賞味期限:夏場に生で食べる前提で、パックしてから2週間に設定されている。10度以下の冬季なら産卵してから57日間生食可能との研究結果あり。温度が安定しない扉は避けて冷蔵庫に保管し、空気の空間がある尖った方を下に保管することで鮮度を保つことができる。

缶詰の賞味期限:食品の品質でなく缶の品質保持期限。食品の品質劣化の一つの要因は酸素に触れること。酸素に触れない缶であれば理論的には半永久的に腐敗しない。シロップ漬けや味の濃いものは15年間品質が保たれた実験あり。

熟成させたり寝かせることで味が良くなるもの: 缶詰、手延素麺、茶、ワイン、味噌、酢、魚醤などは賞味期限切れ後の方が美味しい場合もある。なので、五感を働かせて判断することが大事。


【基準その2】「3分の1ルール」

製造から賞味期限(日付)までの期間を3等分し、1/3が(お店への)納品期限、2/3が(消費者への)販売期限とする長年の商慣習。


【基準その3】「安全係数」

メーカー側で、最初に設定した賞味期限に様々なリスクを考慮した安全係数(0.8以下。0.5等の場合もあり)を掛けた期限を計算して、最終的な賞味期限として表示。


【基準その4】賞味期限が3ヶ月以上の食品は年月日表示が不要(年月表示のみで良い)

現在の加工食品品質表示基準です。年月表示の商品を提供するメーカーは、食品ロス削減に前向きな姿勢の会社として、商品を購入することで応援しようと思います。

商品に表示されている賞味期限は、おいしく食べられる期限としては、かなり余裕があることが分かります。まずは、陳列棚の前方から(賞味期限の早い順に)購入(「てまえどり」)し、家のストックで期限切れを見つけても開封して臭い・見ため・味などで判断。


また、今後活動が広がっていくことを期待している面白い取り組みとしては、資源の再生速度(regenerative speed)に焦点を当てた紙作りがあります。

その1つのバナナペーパーで使用されるバナナ(可食分以外)は、切った茎が一年で再生するとのこと。それに比べ、一般的な木は、紙の原料となるチップができるまででも10年かかるらしいです。竹も成長速度が速いことに加え抗菌効果もあり、注目を浴びてますよね。
新しい価値観として、バナナなどの非木材の紙を選ぶことが浸透していくよう自分も応援したいです。


上記以外にも、海外の事例なども紹介しながら、身近な取り組みが分かりやすく書かれていますので、興味がある方は是非読んでみてください。

できることから、一つずつ。

Towards a happy eco-friendly life.


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?