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白井智之「名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件」感想~『低融点合金』から『げぼ(嘔吐)』まで、読み落としちゃダメ!

・マジックなのか?超能力なのか?

その昔、一躍、スプーン曲げで超能力ブームを巻き起こしたユリ・ゲラー。

スプーンを軽く擦るだけでスプーンが曲がるだけでなく、なんと!なんと!折れちゃうー。

マジックなのか?超能力なのか?
超能力ってすごーいと、そんなのあるわけなーい。
どっちつかずな加減がまたブームを盛り上げていたのかも。

でも、やっぱトリックだよね?
テコの原理を使った力技かな。
それともスプーンに亀裂を入れていたのかな。

えぇぇーーー!
『低融点合金』

文字通り、低い融点で溶ける金属のことです。ユリゲラーが使っていたとされるガリウムの融点は二十九・八度。この素材でできたスプーンは指で擦るだけでふにゃふにゃに曲がってしまいます。(本文より)

素材だったとは!∑(๑ºдº๑)!!
素材で簡単に曲がることを本書を読んで知ったよ。

・簡単あらすじ

病気も怪我も存在せず、失われた四肢さえ蘇る、奇蹟の楽園ジョーデンタウン。調査に赴いたまま戻らない助手を心配して教団の本拠地に乗り込んだ探偵・大塒は、次々と不審な死に遭遇する。奇蹟を信じる人々に、現実世界のロジックは通用するのか?
「現実」を生きる探偵と、「奇蹟」を生きる信者。

・『低融点合金』から『げぼ(嘔吐)』まで、読み落としちゃダメダメ!

すべてが伏線になる一冊。

軽い気持ちで読み始めたら本格的ミステリーだった。
『このミステリーがすごい!2023年版』国内編第2位なのにも納得。

〇〇だから〇〇ではないというロジックで畳みかけ、本格的ミステリー慣れしていない私はついていくのに必死。
でも、面白かったよYO!!

日本での事件がキッカケとなり、外国のカルト宗教団体に乗り込み調査という設定も面白いのだけど、困ったことが。

名前に混乱( ´•ᴗ•ก; )
レイチェルにクリスティナ...。
違いがわからーん!
どっちがどっと?
同じ場面に二人が登場するし、重要っぽい場面だし混乱する脳内。

これでは「カラマーゾフの兄弟」はこの先読めるのだろうか...不安しかない、わ・た・し。

で、読了後に参考文献欄を見ると、「人民教会集団自殺事件」は架空のお話かと思いや事実だったとは。
元ネタが凄すぎるー。
というか、元ネタの事件そのまんまのことが起こってるナントッ!!Σ(゚∀゚ノ)ノ

・圧巻の解決編150ページも煽りじゃない。

・人は信仰と現実の齟齬に直面すると、無理やりにでもその齟齬を解消しようとする。(本文より)


この言葉が軸に、解決編が3回ある。

助手のりり子と探偵事務所ボスの大塒が謎解きを畳みかけるでー。

信者を守ろとりり子で解決か?さくらんぼ🍒
もういっかい!!

信者の立場で大塒が解決か?さくらんぼ🍒
もういっかい!!

よそ者の立場で大塒が解決か?さくらんぼ🍒
もういっかい!!

重ねて重ねて重ねて、一切削ぎ落さない。
まるでゴッホの絵のような厚塗り表現でみせる。

三回も、もういっかいしたのに、
真実が分かった時に、タイトルの意味に膝を打つ。

名探偵とは誰のことか?
いけにえとは何を指すのか?
すべては装丁に書かれていたー!(ネタバレ?)


☕☕

・朝マックがすごいこことにー!(余談でーす)

朝マックに数年ぶりに行ったら、喫茶店のモーニング同様に年齢層が高いのに驚いた。
高齢化社会を垣間見た?それとも田舎だからなのか?

近所だし、ゆっくりできたので朝活読書時間に良き♡

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