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太のストーリー

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生きる姿を、音楽と。太のストーリーを紹介します。
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#スキしてみて

マスクの下でニヤけながら桜台の商店街を歩く

コロナで緊急事態宣言が出て、外出できなくなった2020年春。 それから数年、自粛などもあって…

京王永山駅のラーメン屋で後輩が言ってくれたこと

社会人になってから、一度だけボランティアサークルに入っていたことがある。ただ仕事でパワハ…

品川シーサイドの公園で、同級生のヤンキーがかけてくれた言葉

「あ、やめろーーー!」 と思いっきり叫んだけれど、時すでに遅しだった。 クラスメイトの寺田…

青空の下、永福町の公園で思ったこと

6年前の夏の終わり。 パワハラにあって、自主退職に追い込まれた。 一時期は無職になってしま…

駒場東大前の高校のグラウンドには、投げ捨てたすね当てがまだ転がってい…

高校2年生の10月、もうすぐ秋の公式戦が始まろうとしていた頃のことだ。 サッカー部に所属して…

「羽田空港行き」を見て思い出すこと

実家から羽田空港へのアクセスが良かったこともあって、小さい頃は空港に遊びに行くことがあっ…

下北沢駅前の居酒屋チェーンで

大学3年生の春、就活の影が見え隠れするようになってきた頃の話だ。 ティーンの頃から音楽が大好きで、その音楽を仕事にできたら幸せだろうなあ、と漠然と考え始めたタイミングで、当時よく読んでいた音楽雑誌が「音楽業界で働くとは?働くには?」という内容の講座を開くというお知らせをたまたま見つけた。 「ここに行けば夢が叶うかも」と少し興奮してすぐに申し込み、月に数回下北沢に通うことになった。 講座には、僕と同じように音楽業界に憧れている学生や、異業種から音楽業界への転職を目指す社会人な

これまでの全てが繋がって奇妙な線になる

最近、結婚式に行く機会が多い。 20代半ば過ぎ、友人関係が1番活発だった時期に挙げた自分の式…

引っ越し先は、孤独な自分を受け入れてくれた街。

最近引っ越してきた街は、僕が大学に入学した最初の1年間、通っていたキャンパスがある街だ。 …

好きで居続けたからこそ

「好きなものを好き」と言えない期間が自分の人生で長く続いたのは、中学生の頃の出来事が大き…

その場で言い返せば良かったのに

先月、前職で迎えた最終出社の日のことだ。 取引先との挨拶を電話やメールで済ませてから、社…

僕の日常は亡き祖父とともに

僕が生まれるよりずっと前、母方の家系は、都会のとても良い場所に二つの土地を持っていたらし…

水タバコの煙と共に消えた世間体

汚いものを見るような目で睨まれるたびに、心臓の音が早くなる。 入社前に面接で会っていた頃…

五月、「ここは自分の居場所じゃない」と思ったときに

今から7年前の五月。 社会人1年目。地方に赴任してすぐに開かれた、新人歓迎会でのことだ。 たくさんの先輩や偉い人が、転勤してきた新人をもてなす会だった。 苦行だった。 大学時代、サークルをちゃんと続けず、嫌いな人や大人数の場を徹底的に避け続けてきたツケが回ってきた。 そんなことを思いながら、僕は貸し切られた居酒屋で凍りついていた。 気の利いたことは一つも言えず、貼り付けた笑顔しかできない自分が情けない。話そうと思ってもドキドキしてしまって、何を言ったら良いか分からなくなっ