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【週刊】VTuberニュースピック 22年3月2週

「VTuberニュースピック」。日本のVTuberニュースを中心に各メディアが報じたVTuberのニュースやその週に起きた出来事をピックアップしてご紹介します。VTuberのメディアを通すことで今何が注目されているか? に着目します。

採用基準

・対象はウェブメディアでVTuberについて扱ったニュース/コラム/インタビューなどの記事で、かつ筆者が注目すべき、面白いなど独断と偏見でセレクトしたもの。
・リライトを伴わないプレスリリース転載および執筆者がVTuber本人または関係者であるニュース記事の掲載は非優先的になる。
・VTuberの定義は各メディアが「VTuberとして扱ったもの」または「VTuberのグループ」などとして扱われたことのあるもの等を主に扱う。
・まとめサイトは除外。
・対象言語は日本語を中心に、世界各国21言語のニュースを取り扱う。
・採用は前週の日曜日(日本時間)0時〜翌週の土曜日24時の間に投稿されたもの。
・ロシアおよび周辺国地域の情報については、地政学的リスクにより情報を収集できていない恐れがあり、アクセス遮断の恐れがあります

※注意: 筆者はメディア寄稿を行っていることがあるため、選出は完全な公平を保障するものではありません(自作成記事も含みます。)。独断と偏見になります。また、記事中では日本国が「台湾」「ウクライナ」と定める国または地域をそのまま表記することがありますが、筆者は文中でその主張を支持する意図はありません。

ピックアップ

6日

「最初は詐欺だと思った」VTuber中国進出の先駆者、神楽めあの挑戦

取材・執筆: myrmecoleon、取材・編集: ゆがみん。神楽めあさんへのインタビュー記事です。神楽めあさんは、日本のVTuberとしてビリビリに早期進出したVTuberです。今回の記事のように中国進出について深く聞かれたインタビューはありませんでした。今回のインタビューでは新たな海外VTuberの歴史を紐解くカギになるかと思います。

VTuber法務チームをモノリス法律事務所が発足 ミライアカリなど約100人を支える

執筆: ゆうき。モノリス法律事務所がVTuber法務チームを発足。同事務所は以前からVTuberVの法務を担ってきましたが、今後さらに存在感を見せそうです。本文にもありますし、後述されるニュースでもかなりゴシップや不祥事が多くなってきている今こういった法務が必要となるシーンはさらに頻出するでしょう。

周央サンゴ、因幡はねる、富士葵など出演 SpotifyでVTuberのオーディオ新番組

執筆: ゆうき。SpotifyでVTuberの公式番組が開始。これまでにじさんじの公式番組などはありましたが、広く公式番組が行われるのは初でしょう。TwitterではMCの組み合わせについて完壁だという声も聞かれており、今回の企画側のリサーチがしっかりされているというところも評価されています。

Twitchで独自に育ったVTuberコミュニティの実態 バイリンガルVTuber、Minya Septemberに話を聞く

執筆: すら。Twitchで活動するMinya SeptemberにTwichの実態などについてインタビューしています。Twichで活動するVTuberは増加し続けていますが、いまだに日本での理解があまりないのが現状です。今回の記事はその理解を促すのにぴったりだと思います。

7日

(なし)

8日

けものフレンズV「シマハイロボ」になってシマハイイロギツネが多くのファンと交流 精巧に動く力制御をV-Sidoで実現

まさに未来のVTuberの形といえるでしょう。けものフレンズのVTuber化プロジェクトの一環として、シマハイイロギツネが「V-Sido」を使用して遠隔操作を行い、ファン交流をしました。ここのところはVTuberのアンドロイド化が進みつつあります。このようなVTuberの交流が行われるのは響木アオさんの握手会のような例があり、このように直接触れながらもコミュニケーションが取れ、しかも相手が動くというのは本当に先をいっていると思います。

What Is the Name of Veibae’s Character? As the Vtuber Responds to Criticism Over Her “True Voice,” We Take a Look Back at Her Prior Life

VShojoに所属するメンバーの一部は現在海外圏のストリーマー界隈で勢いを見せています。目立っているのは、NyannersやIronmouseさんですが、Veibaeさんもその勢いを伸ばしつつあります。多くの日本人にはあまり彼女のしゃべり方について違和感を覚えないと思いますが、彼女のしゃべり方は強いイギリスでの訛った英語で話しています。Veibaeさんはインターネット上で顔を公開しています。彼女のTwitterなどでは彼女の自撮りが上げられることが何度もあります。この記事ではそういった風変わりなVeibaeさんについて解説しています。

Nijisanji’s Multilingual Talents Are on Track to Making Vtubing Bigger Than Ever

海外視点から見た、にじさんじの解説記事です。日本のVTuberが英語をしゃべることを苦手としていることなどが書かれていますが、ホロライブとにじさんじを同じ規模に扱うのではなく、ホロライブ一強のように扱っているのは特徴的です。

科技范儿!最高检首次由虚拟检察官解读2022工作报告

最高人民検察院と快手がバーチャルヒューマンを使用し、報告を行ったというニュース。国家機関がバーチャルヒューマンを活用した一例ともいえるでしょう。日本を除く東アジアのバーチャルヒューマンはなぜだか女性で、スーツを着ていることが多いように思います。

世优科技:元宇宙风口领域“数字虚拟人”已成流量密码

バーチャルヒューマンの人気なものを紹介している記事です。やはりこういった記事ではVTuberは解説されない傾向にありますね。

9日

葛葉、ニートのゲーマー吸血鬼がメジャーアーティストになるまで 想定外な音楽活動への素直な気持ち

執筆: 平賀哲雄。葛葉へのインタビュー記事なのですが、今回はPR記事となっており、インタビューの担当も多くの音楽アーティストのインタビューを歴任してきた平賀哲雄さんが担当した記事というのがかなり特徴的です。あくまで配信を行っているVTuberとしてではなく、いちアーティストとしてインタビューに答えています。

仮想キャラ「Vチューバー」の抱き枕カバー、複製販売の男の家から490枚押収

海賊版の抱き枕カバーなどを販売したとみられる男性が著作権法違反容疑で仙台地検に書類送検されました。未だ逮捕されたとの情報は確認できていませんが、少なくともこのように立件されること自体がこれまであまりなかった動向ではあるので、様子見をしたいと思います。

“유명 연예인보다 낫나요?” 분홍머리 ‘이 여자’에 명품 브랜드 꽂혔다

バーチャルヒューマンの広告活用について解説した記事です。バーチャルヒューマンの広告活用は名ブランドであるヒューゴボスにもおよび、9日にimmaがそのブランドの顔に選ばれました。

直播行业AI价值爆发 薯片科技虚拟主播走红

路菲比Febeeさんを主題にビリビリのVTuberと薯片科技について取り扱っています。ビリビリの配信の状況を理解するのに役立ちそうな記事です。正直固有名詞が多く含まれるので、理解するのには時間を要しそうです。

10日

鳩羽つぐが2年ぶりの動画「room」を投稿 黎明期謎の雰囲気で人気を博したVTuber

ここで突然ですが、VTuberメディア比較のコーナーです。10日、鳩羽つぐさんが2年ぶりに動画投稿を行いましたが、これについて主要各メディアが記事を書きました。今回私はPANORAさんで書き、ねとらぼさんに転載されるなどされましたが、今回は各々の書き口が微妙に違うところを解説できればと思います。

・Real Sound「謎だらけのVTuber・鳩羽つぐが2年ぶりに動画を投稿 12秒の沈黙が意味するものとは
・PANORA「鳩羽つぐが2年ぶりの動画「room」を投稿 黎明期謎の雰囲気で人気を博したVTuber
・インサイド「謎だらけのVTuber「鳩羽つぐ」が復活―約2年ぶりに“意味深な動画”を投稿
・KAI-YOU「VTuber鳩羽つぐ、2年ぶりの動画投稿 電脳少女シロの番組に届いた映像か?」
・MoguLive!「鳩羽つぐのYouTube動画が約2年ぶりに公開 一体何が……?

まず、このように全メディアが同じ話題について取り扱ったのはプレスリリースを除いておそらく今年はあまりないかと思います。上記の記事一覧は上から投稿時系列順で並べているのですが、各メディアが自メディアよりも先に公開されている他メディアの記事を確認したのか、前に公開された記事を踏襲して情報がどんどん足されています。なおPANORAについては諸事情で公開時系列はRealSoundより遅くなっていることは補足しておきます(執筆時点でRealSoundさんは公開してませんでした)。
おそらく最もこの中で異端なのは私が執筆したPANORAの記事になります。他の記事は、鳩羽つぐの内容に集中していますが、私はMonsterZ Mateの内容も盛り込んでおり、コミュニティが「鳩羽つぐじゃない」と騒いでいる様子からそれを新規層にもわかるような解説を心がけて内容を盛り込んでいます。また、鳩羽つぐのVHSを写真を撮って掲載したのもPANORAのみになります。
鳩羽つぐの記事はこれまでPANORAさんは扱ってきておらず、2年以上前からMoguLive!さんが得意な領域でした。ですが今回は公開が最も遅いのはMoguLive!さんになります。情報量も他メディアよりも劣りますが、短く読みやすく、情報が整理されているという点においては最もわかりやすいと思います。
RealSoundさんは公開からたった数時間なのにも関わらず鳩羽つぐについて詳細に解析した記事を投稿している点において文量が頭ひとつ出ています。ニュースよりもコラムを得意とするメディアならではでしょう。
インサイドさんとKAI-YOUさんはニュース記事としてどちらがどう優れているかを上げることは難しいですが、インサイドさんは要点をしっかりと伝えることに注力した記事に感じます。KAI-YOUさんはKAI-YOUさんらしいそのワードのポップさを伝え、どういった魅力があるのか、それがいかに面白いかを伝える記事の構造になっているのがこの両者のメディアとしての特徴が出ているのではないでしょうか?

VTuberアイアンマウスの超長時間配信が終了 31日に及ぶ驚愕のチャレンジ

アイアンマウスさんの24時間ノンストップで配信していたTwichの放送が31日間で終了しました。この期間中アイアンマウスさんは女性ストリーマー世界1位になるなど数多くの功績を残しました。

【ホロライブ】『ザ・バットマン』YMD(ラプラス様)×バットマン(ロバート・パティンソン)×キャットウーマン(ゾーイ・クラヴィッツ)対談が実現! インタビュー動画が本日19時に公開

ホロライブメンバーが参加していた「ザ・バットマン」の試写会に続いて、出演者との対談動画が公開されました。以前にはキズナアイさんなどがこのように出演者と直接対談することがありましたが、今回はホロライブのラプラス・ダークネスさんが参加しています。

Hololive EN stars finally debut 3D models, and it was total chaos

ホロライブENの3Dモデルがお披露目になることに関する記事。現在のところトラッキング精度は高くありませんが、今後実装を行うとのこと。歌やダンスを得意とするメンバーの活躍の場が増えそうです。

人氣 Vtuber「周防帕特拉」將舉辦 3th Live「PatLive -AKIBA PaRaDe-」

ハニーストラップに所属する周防パトラさんは4月24日にライブを開催することがを発表しました。この記事を取り扱っているgamebaseは今週だけでも.LIVEのライブ開催や鳩羽つぐの動画投稿なども扱っていることから、日本のVTuberシーンを広く扱っていることがわかります。

对话小冰CEO:「虚拟人」背后的商业逻辑

中国Forbsがバーチャルヒューマンについて広く扱う記事を掲載しています。記事中には3年後の大阪万博を見据え、その場にバーチャルヒューマンが登場することを歓迎するとしています。Forbsらしい専門家を交えて、広く書かれているので、情報の扱いも他のメタバースと概念をかなり混ぜた内容ではないことも特徴です。

11日

Seoul to promote domestic indie fashion brands using virtual promotion agent

ソウル市はファッションブランドを宣伝するためにバーチャルヒューマンを活用する取り組みを行っています。現在候補としてモ・イダ、ハリラ、ソ・ハが選ばれており、今後彼女たちの声を作り出すとのこと。

大人気ユニット「すとぷり」、ななもり。の私生活トラブル謝罪 運営「重く受け止めております」

すとぷりやP丸様。を運営するSTPRは公式サイトでななもり。さんに関する謝罪文を公開しました。

12日

小説家デビューのにじさんじ・来栖夏芽が持つ、配信者&作家としての「高いタレント性」

執筆: 草野虹。思ってた方向と別なベクトルで解析していたので、意表を突かれました。いつも自分が記事書いた時には個々がツイートするほど反応が来ないのに、自分が知っているリスナーが草野虹さんが書いてる記事には反応していたのはいちライターとして結構ダメージがデカかったです。精進します。

Surgen críticas hacia el primer grupo de VTubers de Israel

イスラエルで運営されているVTuberグループ、Idol Corporationが公開。コンセプトに人種差別に対する批判が含まれていることからもかなり強い思想的な主張もコンテンツに含まれそうです。寛大なコミュニティではそれらを受け入れる姿勢を示していますが、否定的なコメントの中にはパレスチナに対する行為について咎める声も聞こえており、政治とエンターテイメントの混同している意見も存在します。地政学的、人種的な問題を抱えながらVTuberの活動をしていくというのは本来言われていたVTuberの「人種なんて関係ない」といったものとはかなり相反します。やはりVTuberは万能な表現方法ではないのでしょう。

注目note/ブログ

その他動向

ZERO Projectイベント『ぜろぷろ学園』が発表
ルリイロデイズがスウィッチでリリース発表
鳩羽つぐ x ヴィレッジヴァンガードコラボグッズ販売開始仮ちゃん
まりなす、仮ちゃんモデル公開←まりなすの運営は何考えてるの?
「VTuberスタイル MaiR BOOK」発売発表
羽子田チカ3D化か?

など。

次週は3月20日~3月23日に投稿予定です。
※予定は変更となる可能性があります。

告知欄

告知欄では、ぜひともこの欄で告知をしたいVTuber、おすすめ動画を載せてほしい、こういう企画を載せてほしいといったファンの声にお応えします。詳細はDMまたはコメント欄にて。

Discordサーバー「Project Virtual History」では、VTuberに関する情報を収集・蓄積しています。

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