社内報は会社を変えうる_コミュニケーション手段だという話

社内報は会社を変えうるコミュニケーション手段だという話

こんにちは。株式会社ベーシックというSaaSとメディアを運営する会社で広報を担当しているおくだ(@OKYO000)と申します。

私は昨年11月より、編集長としてベーシックの社内報「b-ridge」を運営しています。
前回のnoteでは、私がいかにして多くの社員に社内報を読んでもらえるように取り組んできたかをお話しました。

元々私が社内報に力を入れたのは、社内報を通じて「会社の経営課題解決」をサポートしたい、という想いが理由です。
それを実現するためには、当然単に多くの人に読んでもらえればいいというわけではありません。

多くの人に読んでもらったうえで、いかに実現したかったことをなし得るのか、言い換えると、「量(読者数)」だけではなく「質(経営課題の改善度合い)
」をいかに高めるのか、ということが大事です。

そこで、今回はその「質」の部分に焦点を当てて、より具体的な話をしていきたいと思います。

社内報で目指す3つのゴール

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改めて、ベーシックでは、社内報を通じて上記の「3つのゴール」の達成を目指しています。

そして、そのゴールをより確実に、より効率的に実現するために、徹底的に「型」に落とし込んで運営を行なっています。(以下の図はその型の分類)

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その上で、その型に沿った記事が確かに目指すゴールの達成に向けて近づいているかを定量的および定性的に把握すべく、四半期に一度、社員アンケートを取っています。

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例えば、以下は、第1四半期から第2四半期にかけてのそれぞれのゴールに対するスコアの変化です。
5を満点だと設定していることを踏まえると、まだまだ改善の余地はあるのですが、スコア自体は着実に改善していることがわかります。

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それでは、それぞれのスコアを上げるために、具体的にどういう取り組みを行なっているかについて紹介します。

「社内情報共有」について

「社内情報共有」を促進するために、社内の人が知らない、まだ認知の低い情報を記事化しています。具体的には以下の通りです。

・新しく入社したメンバー
・業務内容がわかりづらい部署
・社内で行われているもののあまり知られていないイベント
・社内で知られていないけれども活用してほしい制度

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「新入社員の自己紹介記事」については、特に型化しやすい記事であり、人事と連携し、常に最新の入社情報を把握する共に、定型の質問項目を新入社員に対して迅速に投げてもらい、入社の数日後には記事が公開される運用を行なっています。
これまでは、せっかく新しく入社してもらったのに、全社に対しての認知が十分でなく、新入社員のコミュニケーションが自部署内に限定されていることが多かったですが、今では他部署を巻き込み、明らかにコミュニケーションの幅が広がっています。

認知の低い「部署」や「制度」については、上述アンケートの定性コメントをしっかりと参照し、運営チームの主観だけではなく、現場が今求めている情報をタイムリーに記事化することを心がけています。
部署の業務内容が明らかになることにより、今までは関わることのなかった部署同士の連携が起こったり、ノウハウが共有されたりすることによる業務の効率化にも繋がるので、こちらも定期的に出していく記事の型として重視しています。

「社内活性化」について

「社内活性化」は、社内報で取り上げることにより、社内メンバーのコミュニケーションのきっかけになる、話題となるようなネタを記事化しています。
そのことにより、より社内が活性化され、活気のある状態になることを目指しています。具体的には以下の通りです。

・会社近くのランチ・ディナースポット紹介
・社内で旬の話題

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「会社近郊のスポット紹介」自体はある意味定番のネタだとは思うのですが、通常のランチや飲み屋の紹介に加え、
・持ち帰りのできるフードトラックの紹介
・朝活におすすめの場所
・IT健保で利用できる店
など、通常のグルメサイトとはまた違う、ベーシックで勤める社員だからこその視点を入れ込むようにしています。
結果的に、社内報がきっかけとなり、社員が連れ立って紹介したお店に行くことも多く、紹介を始める前と比べて、明らかに社員のコミュニケーションが増えていることを実感しています。

「旬な話題」については、少しテーマが広いのですが、前述社員アンケートのコメントを同じく参考とすると共に、こちらについては、社内報メンバーでアイデアを出し合って、ある意味ブームを作っていくことも多いです。
この点においては、社内報運営メンバーを、様々な部署から選出していることが活きており、一部の部署で流行っていたものが、社内報での紹介により全社に伝播することも多々ありました。
例えば、人気マンガである『キングダム』熱の全社での高まりや、Twitterのプロフィールのアイコンを社内にある青い壁で統一する流れも、元々は社内報がきっかけになっています。

なお、両ネタについては、社員が盛り上がっている様子をSNSに投稿することがきっかけとなり、結果として他社も巻き込んだブームに発展したり、

Twitterアイコン統一化の動きが、BtoBマーケティングの好事例として、外部のWebメディアにまで掲載されたりと、

当初期待していた社内での盛り上がりに止まらず、外部にも波及するような副次的効果もありました。笑

「コンピテンシー強化」について

「コンピテンシー強化」は、社内で掲げている行動規範を浸透・促進させるために、行動規範が特に優れている社員を取り上げ、インタビュー形式で記事化しています。具体的には以下の通りです。

・MVP受賞者のインタビュー
・昇進者のインタビュー
・役員のインタビュー

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社内の行動規範の徹底については、以下のように社内掲示などで露出を増やすなど、これまでも浸透・促進の為の施策はもちろん打ってきてはいたのですが、さらなる浸透・促進の為には、「それら行動規範を実行できている状態とはつまりはどういうことなのか」、より具体的な理解が必要であると感じていました。

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全社表彰であるMVPの受賞者や昇進者については、そもそも「行動規範が優れている」ことがその前提や条件となっているため、とにかくそういう人たちの考えや経験を、インタビューでつまびらかにすることにより、他の社員の気付きとなるような記事を出しています。
こちらについても前述新入社員の記事と同じく、人事と蜜に連携することで、受賞や昇進直後にタイムリーに記事を出せるよう、徹底的に型にはめた運用を行なっています。

一方で、目指す3つのゴールの中では、この「コンピテンシー強化」が、冒頭のスコアにも表れているように、相対的には難易度が高く、運営としてもまだまだPDCAを回している状態です。
他の「情報共有」や「社内活性化」については、記事を公開して見てもらえさえすれば割と直接的に効果に繋がりやすいですが、「コンピテンシー強化」については、読んでもらった上で、各自に「気付き」を与えることが必要であるからだと考えています。
普段の業務の会話において、社員の口からコンピテンシーが「言葉」として出る頻度は増えてきており、浸透自体は確実に進んできていることを実感していますが、それをいかに「行動レベル」にまで移してもらうか、引き続き内容のブラッシュアップを行なっています。

社内報で「会社の経営課題」を解決したい

いかがでしたでしょうか。今回は社内報で目指すゴール達成のために、私たちベーシックが具体的にどのような取り組みを行なっているのかをご紹介しました。

一般的に、社内報は、会社の求める成果に直接的にはつながらないと思われがちかもしれません。そのため、他の業務との優先順位を考慮した結果、社内報という活動自体が停止になるケースも世の中には少なくないと感じています。

しかし、このnoteで述べてきたような社内報が起こした会社の変化や、そのための取り組みを評価してもらい、私たち社内報グループは、第2四半期の全社の特別賞を受賞することもできました。

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冒頭にも書いたように、私が社内報を立て直すと決めたのは、社内報を通じて「会社の経営課題解決」をサポートしたい、という想いが理由です。

もちろん、全社課題の解決の為には、全社会議での説明やメールでの告知、部署ごとのマネジメントでの徹底など、他にも色々な手段があると思いますが、ベーシックでは、社内報を通じて会社を変える、ことに本気で取り組んでいます。

「会社を変えられた」というにはまだまだ時期尚早ですが、着実に成果が出てきていることを実感しており、今後もさらなる会社の成長のために、社内報の運営に力を入れていきたいと思っています。

もし読者の方で、社内報の運営についてお困りの方がいましたら、私の経験を踏まえお役に立てることもあるかと思いますので、以下のフォームより、気軽におくだ(@OKYO000)までお声掛けください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

いただきましたサポートは次回のnote執筆に向けた自己研鑽に使わせていただきます!