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脳にいいビタミン&ミネラル+α 【前編】

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というわけで、ここらで「ビタミン・ミネラル」が脳やメンタルに及ぼすメリット・デメリットをまとめていきたいと思います。

近頃学習法の見直しとして「検索練習入門」ってシリーズをやってるんですが、いくら学習法のテクニックを見つけても、脳の状態をベストに保てていなかったら最高のパフォーマンスは発揮できませんからね。

その中でも特に大事になってくるのが「食習慣」であるのはみなさんご存じの通り。実際、メンタルの落ち込みの改善や予防の分野でも、セラピーより食習慣の改善をした方が2倍以上効果的なんじゃない?って言われているくらいなんですよ。

最近は脳科学のほか、腸内の研究も日進月歩で進み続けているんで、これから取り上げていく話も今後がっつり塗り替えられていく可能性は大きいでしょう。しかし、現時点でもそれなりの知見がたまってきているんで、今我々にできるベストプラクティスは見えてくるはず。ってことで、今回は心臓とかがんとかとの関係は除いて、脳やメンタルとの関連に限って、ビタミン・ミネラルが我々にもたらす影響を確認していきましょう。


なんで脳やメンタルにビタミン・ミネラルが大事なのか?

そもそもなんで、いきなり微量栄養素の話をしようと思ったかという経緯を簡単にお話ししときます。

巷では、脳には魚がいい!野菜がいい!果物がいい!全粒がいい!逆に、加工食品はダメ!高脂肪はだめ!塩分はダメ!みたいな知見は広まっていて、それで基本的には間違いないんですけど、意外と栄養素別の役割についてはあまり知られていないのかなーと思いまして。

とはいえ、タンパク質、脂質、糖質のような基本的な栄養素に関しては、ネットでもそれなりに信頼できそうな情報もちらほらありしたんで、私の方では微量栄養素について簡単に補足していこうかなと思った次第です。


微量栄養素といってもおざなりにしてはいけないというのは周知の事実。ビタミンやミネラルは、エネルギー産生型の代謝や、DNA合成、酸素の運搬、ニューロンの機能の調節といった様々な役割に関与しておりまして、さらに「脳腸相関」という言葉の通り、腸経由でも脳に大きな影響を与えてるんですよ。

ある調査によれば、世界で見ると20億人以上が主要なビタミン・ミネラルが不足していると推定されていて、それによってがんや肥満、免疫機能の不調のほか、認知機能やうつなどのメンタルにも支障をきたしているらしいんですよ。微量栄養素の問題は思っているより深刻というわけです。


といっても、現時点ではどうしても動物実験や観察研究がメインだったりして、メカニズムがはっきりしていない面も多いです。なんで、用量の基準については基本的には心血管系の予防とかと同じにしておいて、脳やメンタルにも効果があるかもなんだなー、不足するとそんな弊害もあるのかーくらいのスタンスで考えてもらうといいかもしれません。

また、メカニズムは謎なところも多いってことで、詳細な話は最小限にとどめて、「こんなメリット・デメリットがあるかもよ?」くらいのサラッとした感じで紹介していきたいと思っております。

それでは早速一つずつ見ていきましょうー。


葉酸

葉酸は全身の細胞の発達、DNA合成にも必須の栄養素で、それは脳に関しても同様。年齢を問わず、あらゆる人たちの脳や認知機能に影響を及ぼすといわれています。

脳との関係では、葉酸は主に大脳のメチル化プロセスに関与し、ニューロンとグリアの膜脂質の維持に重要で、さらにセロトニン、ドーパミンの代謝、メチオニンの供給にも関わります。

その結果、葉酸をしっかりとっておくと、以下のような効果があると報告されています。

■慢性疲労軽減
■ うつのリスク、症状の軽減、進行の抑制
■ 統合失調症の症状緩和に効く(かも)
■ 脳の萎縮を抑制する(かも)
■ 気分改善
■ 興奮の抑制
■ 睡眠の質の改善
■ 情報処理能力、記憶力向上
■ 言語的な知性の向上

逆に、不足すると、脳の機能全般に支障が出る可能性がありますサプリでとるとがんリスクの向上などが心配なんで、やはり食品からとるのが一番でしょう(これは以下で紹介していく多くの栄養素でも大体同じこと)。


葉酸を摂取できる食品としては、主に以下のようなものがあります。

■ ケール
■ ほうれん草
■ 豆類(レンズマメ、ひよこ豆)
■ アスパラガス
■ グリーンピース
■ ブロッコリー
■ 内臓肉
■ のり
■ わかめ
■ ひじき


ビタミンB12

ビタミンB12が不足すると、赤血球のほか、白血球や血小板の減少、体重減少、不妊症につながるといわれています。その働きは葉酸とも密接に絡んでいて、神経機能にも重要な役割を果たします

ある調査によれば、60歳以上の成人のうち約21%が少なくともの1つ、ビタミンB12のバイオマーカーのレベルが異常値を記録していたそうで、決して他人ごとではない問題でしょう。

ビタミンB12はドーパミンやセロトニンの生成、メチオニンの供給に関与していて、神経系の障害は、ビタミンB12欠乏症患者のうち20~30%の確率で発現するけれど、欠乏症と診断される前に異常が生じることもしばしば。


もし、ビタミンB12が不足すると、

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