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緊張と弛緩

背もたれによりかかることが苦手だ。

姿勢がいいのとは違うとおもう。

緊張、いや硬直しているに近いかもしれない。

先日初めての美容室に行ったところ、カットを始める前に「背もたれにもたれかかってもらえますか?」と言われ、1時間弱の間に2度ほど肩をピッと背もたれ側に押し戻された。

また、シャンプーの時も頭を支えられて洗われる事がすごく苦手で、どうしても首に力が入ってしまう。リラックスしようと意識すると余計に力んでしまい、重くなってしまってないだろうかという事ばかりで頭がいっぱいになって落ち着いていられた試しがない。

マッサージに行ってもやはり、身体を人にゆだねるのがすごく下手だなぁとおもう。
とりあえずで選んだお店ならまだしも、かねてから気になっていていつか施術を受けてみたいとおもっていたお店にやっと行けたというのに緊張感がなかなかとれず、身体がどこか逃げてしまうようだ。

ところかわって休みの日に2駅先の商業施設に足を運んだら、屋外ベンチのあるエリアですごくリラックスした姿勢で座る人々をみておどろいた。

背中の中ほどを背もたれにつけ足を前に投げ出して座る人、テーブルの上にスマホを置き手のひら1枚分くらいの距離で眺めている人など、「ここはどこなんだっけ?」と思わず自問したくなるような光景がひろがっていた。

色んな人がいるんだなぁとおもったけれど、自分が同じように過ごしている姿はなかなか想像できなかった。

上記の光景についてなにが正しいとか善し悪しを論じるつもりはないけれど、自然体でいることやリラックスすることとだらしなくなることは違うし、力み続けるのもまた良しとはおもえない。

とはいえ世の中はさまざまな出来事が満ちあふれていて、ある程度ぐっと構えておかないとこちらがつぶされてしまいそうになる。
でもそうやっていつもはりつめていると摩耗していくものの、もう力の抜き方すらわからなくなっていくというか今がどういう状態なのか自覚できない。
リラックスしているのか力んでいるのか。
どれが自分にとって正解なのか本当にわからないのだ。

その事を自覚したのもここひと月くらいのことなのだけど、まずは自覚できてよかったなと思ってる。

そこから自分自身のメンテナンスに目を向けるようになり、マッサージや美容室を始め選ぶものもすこしずつ変わってきた。

上に書いたようにあいかわらず力みはとれていないけれど、ここが痛いとかなにか違和感があるな、ということに気が付けるようになった。
1度通っただけではこれまで蓄積されてきたすべてをほぐしていくことはできないけれど、痛みすらわからなくなっていた自分にとってはひとつの進歩といえるだろう。

身体的にも精神的にも問題は山積みだけど、根気よく意識的に関わり続けていくしかないんだなぁと今はおもっている。

本来書こうとしていたものとは違うけれど、書き出せなかったということはたぶんまだ向き合える状況じゃないんだとおもう。
そしてこれもまた自分にとってはすごく大事な問題だから、ここに書き記せてよかった。

また、おめにかかれますように。

2020.08.27 Kao Tan

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