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目分量人生

3月から一人暮らしを始めた。就職で上京。
大学を卒業するまでずっと実家暮らしだったから、寂しいとか不都合なことが起きるかなとか色々考えていたけど、今までの日常がそのまま続いているみたいに何も変わらなかった。物心がついてからはずっと一人暮らしだったんじゃないだろうか?なんて記憶を改ざんしたくなる。

そんな生活でも、やらなければいけないことは確実に増えている。掃除・ゴミ出し・洗濯…。生きていくための必修科目だ。今までやっていなかったこと。
親へ、ごめんなさい。改ざんした記憶はやはり作りものだったようだ。家族がしてくれていた掃除やゴミ捨てのおかげで成長した過去をきちんと覚えておこう、

家族への感謝はさておき、その必修科目の中に含まれているであろう「料理」。これについて、一つ、あまり共感を得ないことがあった。
「調味料を計らない・レシピを見ない」
これだけなんだけど。ああ漢字が違うとかこっちが合っているとかは置いておいてもらいたい。

この話をすると、「すごい」「料理が上手い人のやつだ」みたいな風に言ってもらうことがあるけど、これは、私はイコールではないと思っている。

私は、ただの面倒臭がりなだけだ。軽量スプーンを取り出すのが、計量カップの目盛を読むのが、時間が経って消えてしまった液晶に映されたレシピを何度も見直すのが。ただただただただ面倒臭いだけなのだ。

油を引けばフライパンに焦げ付かない。醤油は美味しい、砂糖も美味しい、合わせれば美味しいに決まっている。”仕上げに塩コショウ”、DNAに刻まれているでしょ。
そして、ちょっと塩辛くても、かなり甘くても気にしない。それだけのこと。すごいことは何も無いのだ。

自分しか食べないから。誰にも文句を言われる予定が無いので、そういう風に生きている。誰かに食べてもらうために料理をするなら、ちゃんとレシピ通りに食材を揃えて、調味料も計ってってするはずだ。きっと。

一人暮らしだからこそのなせる業なのだ。一人暮らしを始めて約半年、その腕はメキメキと上達している。今日なんか唐揚げも作っちゃったからね。あれ、これはもしかして、自分で気づいていないだけで料理が上達していっているのか。そうなのか?

そういえば、お母さんも料理をするときに計量スプーンをほとんど使っていなかったような気がするな。一人暮らしじゃなかったのに。

一人暮らしだからなのか、料理が上達しているからなのか、ただの怠惰の遺伝か…。

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