母校(地方の公立進学校)の課題、そして解決策


おはようございます、だんごむしです。


今日はボランティアでやっている母校でのキャリア教育の活動について、

何を課題として捉えていて、それらをどのように解決しに行こうとしているのか、

を説明させていただきます。

4000字の超大作です。よろしくお願いいたします。



僕の母校は毎年東大に1,2名、京大に数名行くレベルの地方の進学校です。



そんな母校に対して、僕は2つ課題があると考えています。


1. 画一的な価値観が強すぎる環境


これはどこの進学校も同じかもしれませんが、

「偏差値の高い大学に行くこと」

「学歴がいい大学に行くこと」

「私立より国公立に行くこと」

という価値観がめちゃくちゃ強いです。

先に言っておくと、僕はこれらの価値観1つ1つは何も否定しません。

僕自体、学歴の恩恵はめちゃ受けていると感じますし、国公立に行ったからこそ学費も相対的に安く済ませられました。


ただ、万人にこの価値観が合うか、というとそんなことはありません。


「偏差値を落としてでも、やりたい研究がある/住みたい街がある…」

「私立だからこそ、学びたい学問がある/どうしても行きたい会社に行きやすくなる」

等々、一人一人には画一的な価値観とは別に自分なりの価値観があり、それらのトレードオフで初めて納得のいくキャリアを描くことが出来る、と僕は考えています。

しかし、学校側はそれら多様な価値観を示しきれずにいます。

わかりやすい例えで言うと、津高では早慶よりも横国をすすめられます。(もちろん横国もいい大学には違いありませんが、)

学校内部にいたからこそ、その風潮の強さはよく感じていましたし、最近の卒業生に聞いてもその風潮は変わっていない、とのことでした。

これが1つ目の課題、画一的な価値観が強すぎる環境であり、

多様な価値観を示したい、というのが僕の想いです。


2. 受け身で真面目過ぎる生徒達


「え、真面目ならいいのでは?」と思った方へ。

確かに真面目なことはいいことなのですが、ここで言う真面目過ぎるとは悪く言うと、

言われたことしか出来ないマニュアル型人間ともいいます。

これは長く母校に勤める先生方はもちろん、複数の保護者や学校関係者から同様のことを聞いていました。

「最近の生徒は大人しくて、何を考えているのかよくわからない」と。

昭和型の教育の理想像で、正解は自分から探しに行くのではなく、誰かから与えられると思っているような生徒達。

高度経済成長期等ではこういった受け身な生徒が求められていたかもしれませんが、何が起こるかわからないVUCAな現代と、こういった受け身な生徒の相性は最悪です。

だって、誰も正解なんて示してくれない、というより正解を示せないから。


これが僕の考える2つ目の課題、受け身で真面目過ぎる生徒です。

自ら行動し、考え、正解を自ら作りに行けるような人材が一人でも増えてほしいというのが僕の想いです。


じゃあどうやって解決すんねん?? -多様性の示し方-


そして、僕がこの2つの課題を解決できると考えている活動、それがOBOG交流会です。

概要を簡単に説明すると、昨年度は総合学習の時間(総合探求の時間に変わるらしい)を100分お借りして、1年生の生徒360名とOBOG約50名が少人数規模のグループでキャリアについて語り合う授業です。

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意識したことはいくつかありますが、1番はOBOGの多様性です。

大学生・社会人・国公立・私立・偏差値の高い低い、院卒から高卒の方まで、本当に多種多様のOBOGに来ていただきました。

また、成功者ばかりではなく、「もっとあの時にこうすればよかった」というしくじり先生みたいな人や「正直このままでいいのかわからない」と現在進行中で迷っている方にも、率直にキャリアに対して思うことを話せるのであればどんな人にも参加していただきました。

そんな多種多様なOBOGの話を複数人、近い距離間で聞くからこそ、生徒に響くものがあると考えていました。

そして、それらは定量的な結果としても出ました。

交流会の前後で「あなたが将来の大事な意思決定の場で、何を一番大切にしたいですか?」という質問で、

交流会の前では「お金」「親の言うこと」「学歴」等々といったカオスに答えが広がっていたのですが、

交流会の後では約9割の生徒が同じような答えを書いていました。それは、

「自分の想いを大事にしたい」

「自分がやりたいことを大事にしたい」

「自分の興味あることを大事にしたい」

というもの。

要はキャリアにおける価値観というのは、外側から与えられるのではなく、自分の中にしかない、それは人それぞれ違って当然だと気づいてくれたのではないか、と僕は考えます。

ただ、疑い深い人は「そんなの正解の探すのがうまい生徒達なら、どうせそう書けばいいと思って書いたんじゃないの?」と思うかもしれません。

確かに一部はそういう生徒もいるかと思いますが、そうではない生徒もたくさんいると、僕は確信を持って言えます。

何故かというと、生徒達のリアクションがまるで違ったから。

それは、OBOGの話を聞いているときの真剣な顔つき、決して質問では手は挙げられないけどぎっしりと真っ黒にうめられたメモ欄。。。

津市という地方に住み、社会との接点は親と先生と塾の先生くらいしかない生徒達にとって、自分の将来の延長線上にいるOBOGが急に50人も体育館に来て、そんなOBOGが自分のこれまでのキャリアについて、近い距離間真剣かつ率直に語ってくれるという、その非日常性が与えたインパクトこそが、この効果を生んだのではないか、と僕は考えています。

この交流会は昨年10月に行ったのですが、12月の文理選択のタイミングでは、例年以上に文理を変更する生徒も多かったそうです。

このように、交流会によって1つ目の課題を解決し、多様な価値観を示すことが出来るのでは、と僕は考えます。

じゃあどうやって解決すんねん??  -主体性の生み方-


そして、実はこの交流会こそが、主体性を生むきっかけになるとも考えています。

交流会の後では約9割の生徒が「『自分の想い/やりたいこと/興味あること』を大事にしたい」と思ってくれました。

そんな生徒たちは次にこう考えます。


「じゃあ、『自分の想い/やりたいこと/興味あること』を大事にしたいって何だろう、、、わからない、、、」


そんな生徒達に、僕が伝えたいメッセージは以下の通り。


『自分の想い/やりたいこと/興味あること』ってのは、わからなくて当然で、焦る必要は全くないと。大人でもわかっていない人はたくさんいます。

ただ、少なくとも僕みたいにわかっている人もいます。

その違いは何か。

それはどれだけ自分の人生と真剣に向き合ってきたか。

もっと簡単に言うと、勉強でも部活でも恋愛でも友達との遊びでも何でもいいけど、どれだけ自分で考えて、自分で行動してきたか。

何故、自分で考えて行動することが大事か。

そうしないと、自分の中にそれらの結果が深く入ってこないから

「俺ってこういう時にワクワクするんだ」

「私ってこういう時にいら立ちを覚えるんだ」

もっと具体で言うと、

「俺ってロボット作るのが好きやと思ってたけど、何か作る前に色んな計画を立てるのが好きでそれは別にロボットじゃなくてもよかったんだ」みたいな。

そんな感じで、自分から考えて行動した結果から、少しずつ自分の価値観は磨かれていくと。

君たちはまだ高校1年生で時間はいっぱいあると。

3年、大学行く人は+4年、そうやって自分から考えて行動し続けることで、世間が与える画一的な価値観とは別の、自分にしかない価値観が形成されていって、それらのトレードオフではじめて納得のいくキャリアは描けるようになると僕は思ってます。

なので、皆さんは勉強でも部活でも遊びでも、何でも自分で考えて行動してください。」


このように、納得いくキャリアを選ぶための主体性の重要性を訴えかけることで、主体性が生まれるきっかけを与えられるのではないか、と考えています。

これが2つ目の課題の解決法です。


あとがき -就活への想い-


お気づきの方もいるかもしれませんが、このキャリア教育は就活に対する問題意識から始まったという側面も強いです。

就活を終えてから、後輩の相談に乗ることも多かったのですが、その際今までの人生を主体的に生きてきた人というのは、話を深堀するお手伝いをすることで、先ほどの『自分の想い』というものを確信持って見つけられるのですが、

今まで受け身に生きてきた人は、例え話を深堀して、自分の想いの「芽」みたいなものを見つけられたとしても、所詮「芽」なんです。

転職が当たり前になりつつあるとはいえ、これまで働いたことのない学生が選ぶ大事な大事な1社目、そんな重要な意思決定をするときに、その「芽」というのは世間の画一的な価値観に踏みつぶされてしまいます

それは何故か。そこに対して自信が持てないから

「俺って本当に挑戦すること好きなんだっけ、、?」

「俺って本当に困っている人を助けたい、という善人な人だっけ、、?」

みたいな。

その疑問には、今までの人生でしか回答することができなくて、、、

今までの人生で真剣にそういう機会に立ってこなかった人からすると、そんな自信はほぼ出せないのではないかと、僕は思ってます。


そんなこんなで、僕は就活のタイミングでキャリアを考えるのはあまりにも遅すぎると思い、高校のキャリア教育に力を入れたいと思うようになりました。


最近、就活界隈でもボランティアをしているのは、とはいえ今の就活生も見過ごすことが出来なかったからです。応急処置的なことしか出来ないかもしれないですが、それでもやらないよりは絶対にマシなので。。。


そんな思いで僕はキャリアに関するボランティアをしています。

以上です。約4000字の長文、最後までお読みいただき本当にありがとうございました。



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