雪と電車パンパン。

寒い。
スゲー雪降った。
路面にもちょい積もった。

帰りの電車も遅れた。
風が冷たい。
右耳が風吹いてきて痛い。
二十分ぐらい、人がどんどん増えるホームに、やっと到着した電車が、パンパンの満員。
チョー密。
溢れるぐらいの人が降りてもパンパン。
そこにまたズカズカと押し込まれる人人。しんどい。
怪しくないと、立ち位置と、手の位置を意識しつつ、無表情で、ジッと。
斜め前の高校生が、友達の背中を机にして、スマホでゲーム。
何もここでって思ったけれど、「そんな俺」を演出してるのかなって思うと、ああ、学生のノリは大変だったなぁと。ちょい同情。
三駅ぐらい、ぐわんぐわん、乗り降りが行われ、少しずつ座席に近づき、やっとこ座れる。
けど、密。体を小さくして、静かに目を瞑る。

ふと、温泉につかって、目を瞑っている猿の映像が過る。
あれは、気持ちよさそうな顔だったなぁ。と。
が、コロナ対策で、窓が少し開いていて、ちょろちょろと雪が入ってきてモロに顔に当たる。しんどい。けど、しんどくないふり。

「……」

なんとか小刻みに体を動かし、スマホにイヤホンをさして、浅香唯を聴き始める。
雪が顔にかかろうが、目を瞑る。

な、2022年。冬。