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財政健全化のための投資教育

 億近読者の皆様こんにちは。

 お金教育に特化したFP、遠藤功二です。


 私は、小学生になったら家庭で投資教育を行っていくことを推奨しています。

 日銀や金融庁が共同作成した金融リテラシーマップではお金の教育が推奨されています。

(出典)知るぽると 金融リテラシーマップ 
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy/

 金融リテラシーマップでは、

必要なものと欲しいものを分ける。
仕事をして貯蓄の習慣をつける。

 小学生にもこのようなことを求めています。

 実は、大人にとっては当たり前のこの習慣は、投資教育を行うことで簡単に習慣化することができます。


●投資教育がもたらす効果

 投資教育を行うことで、自然と必要なものと欲しいものを分けることができるようになります。
 また、「増える」と言う前提があれば貯蓄習慣にも身が入ります。

 例えば、私が推奨する家庭内の起業体験をすると、子供は投資として材料の仕入れをするので「必要なもの」を買う体験ができます。
 お店のお金で欲しいものは買えません。

 また、お店のお金は投資に使えば増えるという経験があると、子供が売上のうちの事業主の取り分をあえて少なめにし、投資できるお金を残すという判断をします。

 子供には「無駄遣いをするな」と何度もお説教をするよりも、投資教育をしてしまうことが最も効果的です。

 もし学校教育で投資の原理をしっかり教えていれば、日本に元本払い戻し金である「特別分配金」の文化は生まれなかったでしょう。
 赤字分配を出し続けることは投資ではないですし、信じて託してくれた投資家に対する裏切り行為だからです。
 分配金は「投資信託」の名に相応しくない行為ということです。


●投資教育によって税収増も期待できる

 私は投資教育を日本の必修科目にすべきだと考えています。
 日本に投資教育が必要な最大の理由は、財政問題です。

 税収増に繋げるために最も効果的な方法は、平均所得を上げることです。
 所得が上がれば、所得税収が増えるばかりか消費税を上げてもマイナスインパクトを吸収しやすくなります。

 しかし、日本人の一世帯あたりの平均所得は、1995年から2015年の20年で100万円以上減少しています。

 教育投資は、うまくいっていないと言わざるを得ません。

 日本よりGDPが巨大なアメリカや中国では、サイドビジネスが当たり前なのに、日本では、未だに社則を恐れて多くの会社員が個人事業1つ持てません。

 事業は投資と回収の連続です。

 学校教育で教われないばかりか、日本人は社会人になってからも投資を学ぶ機会が不足してしまっています。

 日本全体の投資の知性はなかなか底上げされません。


●新しい学習指導要領を生かすために投資教育が必要

 登校自粛であまり話題に上がっていませんが、小学校では2020年4月から新学習指導要領が開始されています。

 新学指導要領では、語学力、プログラミング教育、対話力などの現代人に必要な能力が重視されています。

 しかし、これらの能力が花咲き、国民の所得を上げていくためには

「どうやったらお金を増やせるのか」

という投資教育が欠かせません。

「AIの時代だからプログラミングだよね。」
「プログラミングができればどこか就職できるよね。」

と言う程度ではなく、

「アプリを作って億の金額で事業売却を目論む」
とか
「学生のバイト代だけでファンドを立ち上げて事業を起こす」

くらいのことを、学校の教育現場で体験できても良いのではないか、と私は思います。


 投資の原理を理解した金融の知性の高い人たちが日本のリーダーになれば、教育が変わり、所得が変わり、財政が変わると私は考えています。


(遠藤)


[遠藤 功二氏 プロフィール]

 日本FP協会認定CFP
 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
 MBA(経営学修士)

大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。
web:https://fpkun.com
メルマガ:https://mailseminar.fpkun.com/
メッセージ:koji.endo@fpkun.com


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)

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