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有報に平均精神年齢をいれることにしたらどうでしょう

 億近読者のみなさんこんにちは。金融教育の専門家遠藤です。


 みなさんは銘柄をみるときにどこをみますか?
 業績成長率、株価の水準、その企業がいる市場の成長率、など、いろいろだと思います。

 「社長を見る」という人も少なくないのではないでしょうか。
 いうまでもなく会社で一番えらいのは社長です。民主主義国家の日本ですが、会社という箱の中では民主主義は機能しません。社長や社長の息のかかった役員で構成される取締役たちで会社はリードされていきます。

 「この社長に就任が決まったら株価が暴落した」となっては大変ですから、各企業はしっかりと社長を選んでいます。ゆえに、社長は仕事はできるし人格者の方が多いです。社長の話ぶりを見ることは1つの投資材料になるでしょう。


 社長が会社の顔ではありますが、実際に業務を動かしていくのは社員です。社員の様子を見るのも投資判断においては大事です。目がうつろな人ばかりの会社と、目がいきいきとしている人ばかりの会社、どちらの株を買いたいかというと後者です。

 どこの会社でも「社員にいきいきと働いてほしい」と願っています。そのために研修や福利厚生など、多くの社員のための制度を取り入れています。
 しかし、どうでしょう。研修には一定の効果があると思いますが、そもそも斜に構えている社員は手上げ式の研修には参加しませんし、参加を強制しても吸収しない可能性があります。

 福利厚生についても、多くの社員は感謝よりは当たり前と感じており、案外モチベーションの後押しになりにくいです。大手企業の場合、福利厚生が似てきているというのもあります。
 大企業で勤めている人は1年程度、零細企業に修行に行くといいと思います。大企業のありがたみがわかるはずです。


 研修や福利厚生だけでは足りない、もっと社員をイキイキとさせる方法はないだろうか。

 これは企業が共通して持つ課題・疑問だと思います。
 私は、1つ発想として面白いと思っているのが「精神年齢を下げる」という方法です。実年齢でもなく健康年齢でもありません。

 精神年齢を下げると何が生まれるかというと「イケイケになる」ということです。みなさん大学生や専門学生くらいの時って、大人になった今よりは「イケイケ」だったのではないですか?もちろん静かな方もいたと思いますが、そういった方も熱いものをもって何かに没頭していたと思います。無邪気に。

 大人になり会社員になるとこのイケイケ感がなくなってきます。また、10代ならではの頭の柔軟性や情熱も段々と落ちてくる人も多いのではないでしょうか。

 一方、起業家の方々を見ているいつまでもイケイケです。発想も柔軟で、情熱的な人多いですよね。組織で活躍している人も「あの人いつも元気だな」という人が多いです。

 実年齢はサバ読むしかないですし、健康年齢は一朝一夕では下がりません。しかし精神年齢は、マインドセットで一気に変えられるかもしれません。
 たとえば、会社で「茶髪金髪OK」にしたり、年齢詐称OKにしたり、人工的に精神年齢が下げされそうな手立てはあります(発想が古いのはご了承ください)。
 学生時代の友人に会うと精神年齢がその頃に一気に下がると思いますがそんな感じをイメージしています。


 精神年齢を下げる施策をやってみて業績がどう変わるか、実験してみたいです。少なくとも社員のウェルビーイングは上がるでしょう。社員の幸福度が上がって業績が下がる会社はあるのでしょうか。逆に幸福度を犠牲にしてまでする仕事って何だろう、という疑問にも行き着きます。


 このようなことを考えたのは先日子供とこんな会話をしたからです。

「クラスで学園祭の出し物で意見が割れたときどうしたらいいか」

 普通は多数決ですよね。
 ただ、小学3年生の子供はこういいました。

「ドッジボールで決めたらいい。」

 重要な決定事項を情熱的な方法で決めるのは面白いです。
 「どっちが勝っても恨みっこなし。負けたほうも決めた方針に全力で協力する。」というルールの元に勝負事で方針を決めていくというのはどこの会社もやってないと思います。大抵、上の人が物事を勝手に決めるので、社長未満の人は多かれ少なかれストレスを感じていると思います。これがイケイケ(=イキイキ)の害になります。やらされ仕事は誰でもやる気がおきません。かといって全ての人が自発的な発想があるわけではありません。

 別にドッジボール大会でなくても、社内駅伝、カラオケ大会、ボーリング大会など、熱くなれる決め方ならなんでもいいと思います。負けた方が「負けたんだからしょうがねえ。協力するよ。」という感じの、「漫画で敵キャラが味方になるパターン」が描けると理想です。


 私は子供に投資教育を伝える活動をしていますが、大人が子供から学べることは多いと思っています。有報に精神年齢サーベイの結果を入れることにしたら、あなたはどのくらいの平均年齢の会社がお好みでしょうか。


(遠藤)


[遠藤 功二氏 プロフィール]

 日本FP協会認定CFP
 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
 MBA(経営学修士)

大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。

子育て世代のための金融教育サービスFP君
web:https://fpkun.com
メッセージ:koji.endo@fpkun.com


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)

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