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89冊目【本のはなし】小中学生のお子さんをお持ち方へ:学校の教育方法にお悩みの方におススメの一冊。

子どもの教育について、悩みが尽きません。どんな教育があるのか?子供にとってどんな学びの場がいいのか?誰に聞いて、どこに問い合わせればいいのでしょうか?

私には、小学6年生になる娘がいます。彼女の将来の夢は「ケーキ屋さん」、ケーキやクッキーなどお菓子を作りたいそうです。この夢は、保育園に通っているころから変わりません。


ところで、娘は幼いころから、表現者として素晴らしいものを持っていました。特に工作や絵などの表現は、プロフェッショナルとして生きた父をうならせたほどです。親バカ発言ではありますが、娘の才能を信じて疑っておりません。娘の才能をつぶしたくない。彼女にとってよい教育方法はないかと調べまくりました。


正直な話、私は日本の公教育に対して、強い不信感を持っていました。なぜかというと、私は学校とくに教師にいい思い出が、ほぼないからです。


数ある事件の中で強烈に残っていること。それは体育の時間、縄跳びの前回りを10回飛ぶというものでした。飛べた人から、座っていきクラス全員が合格したら残りの時間は、ドッヂボールをしようと担任が、提案してきました。私は、クラスで一二を争う運動おんち。何度チャレンジしてもたった10回の前回りができません。最後の一人になりました。先生は座っている生徒の前に突っ立ったまま私をにらみ、クラスの人たちもため息まじりに応援をしてきました。


地獄のような空気。公開処刑。心の中で暴言を吐きまくっていました。なぜ「できない」をよしとしないのか?よしとしないのならば、それなりのフォローをしてくれないのか?この先の私の人生に高確率でなわとびは必要としないはずだ。その後も事件が起こるたびに、教師への信頼度は、低くなっていきました。学校が大嫌いになりました。


だから、娘の才能をつぶされてしまうのではないか?そう日本の学校に対して強い不信感を持っていました。ですから娘にとってより良い学びの場をと探しました。一番合いそうだったのは、フィンランド教育。でも、フィンランド教育を推奨している学校は、私の力では探し出せませんでした。


結局、在住学区内の公立小学校に入学することにしました。私の嫌う日本の公教育です。しかし、娘は小学校の6年間、元気に楽しそうに通っています。お友だちも先生も大好きだというし、勉強は嫌いだけど授業は面白く、よく発表をするのだと教えてくれました。


私の知る学校と、彼女の語る学校では、イメージが違います。疑問に思っていましたが、そのなぞがようやく解けました。娘の授業参観に行ったときのことです。私は、教室の後ろ側に立ち、そっと娘を見ていました。授業内容は国語で、漢字についての勉強でした。

「音読みが同じ、つくりも同じ漢字を探しましょう。たとえば・・・」と6年生担当のU先生が、板書をしました。「青」を音読で読むと「セイ」です。では、この「青」が入った漢字で「セイ」と読む、ほかの漢字を考えてみましょう。子どもたちは数分、個人で考えていました。それから周りの友だちと相談しあい、発表をしました。


次々と手が上がり答えていく子どもたち。「清、静、精・・・」
そしてある男の子が「青」は確かに使っていますが、不確かな漢字を答えました。すかさず先生は、「この漢字は、あるのか僕もわからないなあ、初めて見ます。あとで調べますね」そんな言葉がけをしました。


発表した子は、「あると思うんだけど、ないのかなあ・・・」なんて言いながらもまた新たな漢字を発表するために手をあげます。周りの子たちも負けじと手を上げます。


果敢に挑戦していくその雰囲気を見ていると「間違うこと」=「恥、いけないこと」なんていう風につながることがおかしいように感じました。しかも先生が生徒に向かって、「わからない」というのです。私にとって、「わからない」も間違うことや失敗することと同じことでした。

それまで、私は学生時代に体験した数々の事件によって、間違うことも失敗することも、やってはいけないことだと認識していたのです。それが覆った瞬間でした。

ただ、これは小学校での話です。今年、娘は中学生になります。中学校は、同じ小学校の子たちが多く通う学区内の中学校を選択しました。娘自身もそれを望んでいましたし、お友だちがいたほうが断然いいでしょう。ただ、私は非常に心配をしています。

実をいうと娘はグレーゾーン。短期記憶が弱く、視覚優先型です。小学校では、支援学級に所属していました。なので、娘の習熟度に合わせて授業を進めてもらってます。中学校入学とともに一般級を選択しました。なぜなら、在住県では、支援級を選択してしまうと一般の高校受験ができないと聞いたからです。

発達診断をしてくれた医師、学級担任と話し合った結果、一般の高校への入学が選択できる一般クラスに所属したほうがいいだろう、と方針が固まりました。つまり、点数と成績を重要視しなければならないのではないでしょうか。

不安が募るなか、在住学区内の中学校への進学を選択。そのあと皮肉にも「国際バカロレア」という教育方法を、ある本を読んで知りました。もっと深く知りたいと思い、こちらを読みました。


疑問・質問が褒められるIB PYPの教室: 国際バカロレアに魅せられて(寺町 幸枝)


国際バカロレアとは、思考力・表現力を重点に置いて学習することで、異文化に対する理解と尊重、探究心旺盛な人間力を含む、幅広い知識と教養を身に着けるということを目標にしている学習方法だそうです。


娘は、好奇心と探求心のかたまりです。さまざまな知識を取り入れてきては、私に話をしてくれます。「国際バカロレア」と合致している気がしてならないのです。

自分を分析して「勉強はあまり好きではないし、得意ではないので大学には行かない」と宣言しています。どうするのか尋ねるとフランスに行くそうです。フランスに行ってマカロンを食べる!と言ってますが、ケーキ職人になる勉強をしに行くのかは不明です。


もしかしたら、海外にチャレンジするかもしれない娘。海外に行くということは、きちんと自分の考えを表現(言葉や身体表現、アートなど)しなければなりません。特にフランスという国は、哲学というものを未就学児のころから触れていると聞きます。日本で育った日本人は、埋もれてしまうかもしれません。そのためには、点数や成績重視の教育を受けるよりも、早い段階から自分を表現する手段を知ったり、体験・体感したほうがいいかもしれない。

もちろん日本には、「和をもって貴しとなす」という言葉があるように「和」を大事にする文化があります。その柔らかさ、私は大好きです。日本公教育への誤解がなくなったことにより、「和」大事にするような素晴らしさがあるでしょう。


言うまでもなく、娘自身が選んで中学校進学を楽しみにしているのですから、親子で決めた中学校は良かったのだと今は思っています。

ただ、どんな教育があるのか?娘にとってどんな学びの場がいいのか?もう少し早い段階で、いくつかの選択肢がほしかったと思ってしまうのも事実です。


もしも、お子さんのこれからの教育方法や学びの場に悩んでいるのであれば、こちらの本はいかがでしょうか?実際に「国際バカロレア」教育を受けているお子さんをお持ちの著者の体験談がつまっていました。

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