朝活127日目*【歌舞伎観劇】親子三世代で行ってきました!
「手が痛かった…」
小学6年生の娘の第一声に、思わず苦笑いをしました。でも、わからないでもないな。
どういうことかと言いますと、私たち親子は、私の母と一緒に、歌舞伎座にいました。
「十八世中村勘三郎十三回忌追善 猿若祭二月大歌舞伎」の夜の部を見に行ったのです。
私は、十八世中村勘三郎さんが大好きでした。だから、娘と一緒に彼を観に行くことを夢見ていました。でもそれは叶いませんでした。
娘が生まれた年、2012年に彼は早逝してしまったのです。そのニュースを娘を抱きながら見ていました。いろんな感情が、ぐちゃぐちゃっとなって涙に変わりました。
あれから12年。
その間、娘を連れて、何度か歌舞伎を観せていますが、どう思っているのかは、見当つきません。
「どうでした?」と聞くたびに、思いもしない方向の答えが返ってくるのです。
歌舞伎デビューをした年は、「寝ちゃったね〜」でした。気持ちよさそうにお昼寝をしていました。心地よい音楽と甘い香りでヒーリング効果抜群だもんね!
次からは「怖かった」が続きます。
演目は、壮大スペクタクルファンタジー系だったり、私たちが住む場所の近くが舞台の正義感たっぷりなお話だったり、怖いものはなかったはず。
よくよく聞くと、高い場所の座席から真下に転げ落ちそうで怖かったそう。のちに娘が高所恐怖症だと発覚します。
「中で話してるよ!なんか話してる!」と壁に耳をあてて楽しそうにしていたこともあります。
これは、一昨年の平成中村座。ちょうど私たちの座席が花道に出る前の、役者さんたちが準備している部屋部分の隣だったこともあり、耳をあてると中の声がどうやら聞こえたみたいなんです。
演目については「ふーむ」みたいに言ってましたけど、まあ娘なりの楽しさを見つけてくれたのでよかったです。
さて今回の歌舞伎座は
「手が痛かった…」
第三幕が連獅子、勘九郎さんと長三郎さんの親子共演。10才の長三郎くんが獅子となり、長い毛を懸命にふる姿。鬘の重さを感じさせないくらいに綺麗に弧を描いてました。
その子獅子を見つめる親獅子。
重なる勘三郎さんの姿。
親子で見得を切りました。
会場はわれんばかりの拍手。幕。
両手のひらが少しだけ大きくなったような感覚がありました。余韻にまだ浸っていたいけれど会場を後にしなければ。帰る準備をしていると、私の母が孫娘に語りかけます。
「どうでした?」
「手が痛かった…」
素直な感想に思わず、苦笑しつつも
「ママも〜」
それから親子三世代で、今日の舞台について話の花を咲かせて銀座の夜をあとにしました。
中村勘三郎さん、やっぱりあなたもあそこにいてほしかったな…。
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