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龍馬が月夜に翔んだ

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#月

龍馬、月へ帰る

「お龍」

布団の中にいて寝つかれなかったお龍は、今確かに龍馬の声を聴いた。

はっきりと、龍馬から名前を呼ばれた。

夜明けのように障子から薄明かりが差し込んでいる。

お龍は、障子を開けた。

見事な満月。

何処から聞こえるのか、清らかな鐘の音が長く尾を引いて流れている。

向こうの山影から青白い光の玉がすっと上がった。

一直線に満月に向かって昇って行く。

そしてその青白い光は、満月の光

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月は見ていた(『龍馬が月夜に翔んだ』より)

ここを飛び降りるしかない。

龍馬は、欄干を跨ごうとするが力が出ない。

頭から乗り越えようとした瞬間。

龍馬に衝撃が走った。

背中を力任せにこん棒で打たれたような衝撃。

見ると、胸から角のようなものが飛び出した。

大石鍬次郎が背後から、龍馬を手槍で突いたのだ。

龍馬は、心臓を後ろから一息に差された。

心臓を貫いた穂先は、勢い余って龍馬の体を突き抜けた。

龍馬は、刺された衝撃で欄干か

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