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大河内健志短編集

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#連載小説

たそがれ(『天国へ届け、この歌を』より)

帰りの地下鉄は、混み合う。 特に淀屋橋から梅田方面に行こうとすると、京阪の乗り換え等で降…

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近江屋、突入!(『龍馬が月夜に翔んだ』より)

齊藤一は、菊屋の峯吉から、坂本龍馬が今は隠し部屋寝ている。今入った三人組は、十津川郷士と…

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さまようオヤジ(『天国へ届け、この歌を』より)

後ろを振り返った。 香田さんはまだ別れた場所にいた。 私が振り向いたのが分かったのか、百…

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すべては筋書き通り(『仮面の告白 第二章』より)

これ程までに文章を書くことが楽しいと思ったことがない。 自由に空を飛び回る鳥たちのように…

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ミッキーマウスの不調和音(『天国へ届け、この歌を』より)

「ああ美味しい」 香田さんが、先にスパークリングワインを飲んでしまった。 「あっ」 思わ…

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本能には勝てない!(『宮本武蔵はこう戦った』より)

「恐ろしい」 武蔵は、全身が強張って身動きが出来なくなってしまった。 小次郎は、目の前で…

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小説『スカイフック』第7話 襲いかかる魔の手

街は、すっかり闇に包まれた。人々は我が家に帰り、光を少しも漏らさないように工夫して、声を潜めて蠢くようにして生活している。通りを歩く人は誰もいない。死んだ街に、生物が自らの存在を消して棲息している様は、恐怖以外に何もない。 沈黙を破るように、無線機がにわか雨のような雑音をたてた。 「2045敵機発見、緯度137度、 北上中、機体は6機」 知多半島の突端に設置された監視所から、無線が入った。 誰もが、今か今かと息を飲んだ。しかし、6機は少ないなと思った。今までに6機で爆

『スカイフック』第8話  命中!

「敵編隊、最後尾通過。全機で249機。敵編隊、最後尾通過、全機で249機」 監視所にから…

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『スカイフック』第9話 軍隊の本質

「命中」 射手が思わず叫んだ。他の班員からも、叫び声を上げて飛び上がらんばかりになった。…

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『スカイフック』第11話 知ってはいけない秘密

名古屋市御器所町の村雲小学校の北側の竹藪の中にある湯浅源一郎邸のちょうど真上に落ちた敵の…

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『スカイフック』第10話 名古屋大空襲

名古屋市御器所町の村雲小学校の北側は、鬱蒼と茂る竹藪になっている。 その中に、ぽつんと湯…

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『スカイフック』第12話 アメリカ兵 謎の暗号「ヨヘ17」

「おい、生きているぞ」 一人の兵隊が叫んだ。 それは、とある偶然から発見された。 墜落…

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『スカイフック』第14話 この国に未来はない

校庭で国武中将が式台に上がって挨拶をされるのを想定して、左手側に撃墜した機体の残骸を並べ…

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