小説『スカイフック』第7話 襲いかかる魔の手
街は、すっかり闇に包まれた。人々は我が家に帰り、光を少しも漏らさないように工夫して、声を潜めて蠢くようにして生活している。通りを歩く人は誰もいない。死んだ街に、生物が自らの存在を消して棲息している様は、恐怖以外に何もない。
沈黙を破るように、無線機がにわか雨のような雑音をたてた。
「2045敵機発見、緯度137度、 北上中、機体は6機」
知多半島の突端に設置された監視所から、無線が入った。
誰もが、今か今かと息を飲んだ。しかし、6機は少ないなと思った。今までに6機で爆