新説坂本龍馬暗殺5-5(『龍馬が月夜に跳んだ』より)
服部が、藤吉の強烈な羽交い絞めで落とされようとした時、抜き身の手槍を手にした大石が、疾風のような速さで二階を駆け上がってきた。
「中岡は何処じゃ。お前ら、ぶった斬られたくなけりゃ、大人しくしろ」
奥の部屋に入ろうとするが、行く手は服部を羽交い絞めしいる藤吉がふさいでいる。
「服部さん、ご無礼」
大石は、羽交い絞めしている状態のまま藤吉の脇腹に手槍を浅く突き刺した。藤吉は思わず羽交い絞めを外した。藤吉は自分の痛みに手を当てる前に、龍馬を探した。
龍馬は、こ