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大河内健志短編集

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#私の不思議体験

初めて自転車に乗れた日の思い出(『天国へ届けこの歌を』より)

 私が、補助輪なしで自転車に乗れた日のことは、今でも鮮明に覚えている。  補助輪を外した…

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悪魔のささやき 5-4 (『夕暮れ前のメヌエット』より)

 「田中さん、申し訳ない」  田中の額にぽたぽた水滴が落ちた。それは、自分から滲み出た血…

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宝石屋さんの不思議な古時計

 「キクちゃん、早う寝なさい」  お母さんは、そう言うと階段をきしませて降りていかはりま…

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坂本龍馬暗殺5-2(『龍馬が月夜に跳んだ』より)

 藤吉は、二人の脇差の下げ緒がしっかり巻かれていて、すぐに抜けない状態にあるかを確認した…

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坂本龍馬暗殺5-3(『龍馬が月夜に跳んだ』より)

 実は、これは中岡慎太郎が開けた。  最初は、火鉢を挟んで北側の床の間の前に龍馬が座り、…

新説坂本龍馬暗殺5-4(『龍馬が月夜に跳んだ』より)

 抜けるような青い空に真白な帆がたなびく、深い群青色の海に真白な波を立てて、体が引っ張…

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新説坂本龍馬暗殺5-5(『龍馬が月夜に跳んだ』より)

 服部が、藤吉の強烈な羽交い絞めで落とされようとした時、抜き身の手槍を手にした大石が、疾風のような速さで二階を駆け上がってきた。  「中岡は何処じゃ。お前ら、ぶった斬られたくなけりゃ、大人しくしろ」  奥の部屋に入ろうとするが、行く手は服部を羽交い絞めしいる藤吉がふさいでいる。  「服部さん、ご無礼」  大石は、羽交い絞めしている状態のまま藤吉の脇腹に手槍を浅く突き刺した。藤吉は思わず羽交い絞めを外した。藤吉は自分の痛みに手を当てる前に、龍馬を探した。  龍馬は、こ

『饗宴 』(前半)

 人通りが少なくなった。  道行く人は、誰もが伏せ目がちに、逃げるように急ぎ足で行き交う…

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『饗宴』(後半)

 前半 https://note.com/okouchi1959/n/n5036b4842e38  突然、光を浴びせられた。  目の…

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