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宮本武蔵はこう戦った

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短編小説「宮本武蔵が約束に遅れた理由」

短編小説「宮本武蔵が約束に遅れた理由」

武蔵は、小舟に乗り込むと、真ん中の粗末な敷物が敷かれた席に腰を据えた。

そして、船頭を見やり、目で出すように促した。

船頭はそれには返答せず、おもむろに立ち上がり、櫂(かい:舟をこぐ道具)を手繰り寄せた。

右手の肘の二寸ほど先がなかった。

かつては、足軽として、戦に出ていたのだろうか。

粗末な身なり船頭なのだが、明らかに、それは切り合いで、切り落とされた跡と見受けられる。

得体のしれな

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