創作を投稿するときにジャンルで悩むという話
私の創作は限りなく自己満足の表現物であるが、ぜっかく書き上げたのなら第三者にも読んでほしいという欲が大なり小なり存在する。
作品は、誰かに観測してもらうことで一つの世界として存在できるような感覚もあるので。
あと単純に、ローカルに保存だけしておいてデータが飛んだら怖い。
となると、何かしたの小説投稿サイトに作品を置かせてもらうことになる。
私の場合は『note』と『ステキブンゲイ』を利用している。
作品を投稿する場合、ジャンルを選択したり、タグを付ける必要があるのだけど、これに毎回非常に悩む。
『note』の場合はタグとして作品のジャンル、長さ、あとは物語のキーワードを設定するのがベストだと思う。
「小説」はマストとして、その時々の気分で「幻想小説」だとか「ファンタジー」だとか、それっぽいジャンルを付けている。
それから「短編小説」とか「ショートショート」とか、作品の長さの目安になるものを設定したいのだけど、だいたいここでとてつもなく迷う。
いったい何文字から何文字が「短編」で、「掌編」で、「ショートショート」なのかわからないのだ。
明確な線引きがないらしく(投稿サイトによっては基準があったりするらしいけど)、人によって少しずつ意見が違う。
「掌編」と「ショートショート」ってそもそも同じじゃないの……?漢字かカタカナかの違いかと思っていたけど、そうでもない……?調べれば調べるほどわからなくなっていく。
まるで沼に足を取られたようにどんどん深みにはまっていく。
このまま悩んでいると一生投稿できないので、たいてい最後には適当に付けてしまう。
なので、似たような文字数でも作品によってタグが微妙に違っているかもしれない。
本当は物語のキーワードや要素である言葉(「梅雨」とか「人外」とか)も設定していいのかな、とも思うのだけど、うっかり場違いなタグを付けてしまうのが嫌で結局付けないことが多い。
作品は見つけてほしいけれど、悪目立ちもしたくないのだ……。
(もちろん付けるときもある。完全にその時々の気分である)
『ステキブンゲイ』では長さによる分類はなく、投稿時に作品ジャンルの選択を行う。
この作品ジャンルの選択にとにかく毎回悩んでいる。
下手すると中身を書くときより、タイトルをつけるときより、悩む。
私の作品は多くの場合、「ヒューマンドラマ」や「青春」や「純文学」を名乗るにはファンタジーや幻想要素が多すぎるのだ。
「幻想小説」というジャンルがあったら飛びつくのだが、残念ながら存在しない。
(ジャンルとしてはマイナーな部類だと思うので今度も実装しないと思う)
結局「ファンタジー」を選択することが多い。
ただ、私の書くしっとりじっとり薄暗い雰囲気や登場人物がひたすら悩み続けているような作品が「ファンタジー」ジャンルに交じっていて大丈夫なのかは定期的に不安になる。
誰にも怒られていないから大丈夫……なはず……。
書いている最中はジャンルも長さも考えてなんかいないけれど、投稿するからにはそれを求めている人に少しでも見つけてもらえるチャンスを作るために目印をつけたい。
(第一、ジャンルについては選択必須だから逃れられない)
書いた本人が「このジャンルです!」と言っているならそれでいいと思う反面、やはりあまりに場違いなものを選択していたら怖い。
作品を書きあげてほっとしたのも束の間、これからもうんうん唸ったり頭を抱えたり不安になったりしながら投稿するのだろう。
もし今後どこかで私の作品を見かけた際は「ああ、このジャンルにしたのね」なんて思いながら楽しんでいただけたら嬉しい。
そして万が一、それはあまりにも違うでしょってことがあったら、そっと教えてください……。
最後に二編、うんうん悩みながらジャンルを選んだ小説を置いておきますので、興味がありましたらぜひ。(どちらも短編です)
『抱き寄せて、遠雷』
優秀な兄へ弟が向ける愛着の話。
明治~大正あたりの時代を想定した文学っぽい雰囲気だけど何分幻想的要素が多いため「ファンタジー」に。
今読み返すとブロマンスっぽさもあるような、ないような……。
『バーミリオンの愛嬌』
遠い未来、人工生命体を開発する研究員の愛情や苦悩の話。
書いた当初はSF!と思っていたのだが、果たしてこれはSFといえるのだろうか…SFファンタジー…。
不安になってSFの定義について調べたがさっぱりわからなかった。
まだ怒られていないのでジャンルはそのまま「SF」にしている。
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