おっさんの孤独

電車の中で大声をあげるおっさんがいた。自分の席の前に座っている集団のおしゃべりがうるさく気に入らなかったらしい。(正直気になるほどの音量ではなかった)

考えてみると、街中や駅の構内等、不特定多数がいる場所で感情を露に大声をあらげるのはおっさんが多いように思う。

50~60代だろうか。

どの年代からおっさんと呼ぶかは議論あるだろうが、50以上をおっさんと呼ぶことに異を唱えるものは少ないのではないか。

おっさんは孤独だ。

大体この年代は社内での評価も定まっており、大半の人が大きく出世することもない。それどころか世代交代の波がやってきて、若手にうっとおしがられるのも珍しくはないだろう。

環境を変えるために転職するマインドもないだろうし、そもそも受け入れてくれる企業も少ない。

子供たちも自立しており、所謂暖かい家族団らんのような雰囲気は過去のものになっている。

終身雇用が当たり前の世代であるため、付き合う人間も社内の人がほとんどだろう。そしてその関係性も終わりを意識しなければならない年代だ。

自分への期待もなければ、未来への楽しみもない。

50~60代に自殺者が多いのも何となく納得がいく。

とてつもなく身勝手で偏見に満ちた想像だが、リアルにイメージできてゾッとした。

おっさんは孤独だ。その切なさを想像したら、電車の中であらげる声も許せるような気がする。

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