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愛車購入 15マジェスタ

7月。夏が来た。誕生日を迎え18歳になった俺はとうとう自動車免許を取得した。
隣町の天野先輩が車を乗り換えるということで免許取得したその日に天野先輩の15マジェスタを30万で売ってもらうことになり一目惚れで即決で現金一括払いした。天野先輩の家の駐車場には既に黒のセンチュリーが止まっていた。センチュリーはめちゃくちゃ渋い。            マジェスタの内装はグレーのモケットシートに茶色のウッドパネルで高級感満載だ。18歳になったばかりの少年には物すぎる1台目に大満足。初めて運転した時はボンネットの長さにビビったけど一日で慣れた。乗り心地もめちゃくちゃ良くて高級車だ。その足ですぐに陸運局で名義変更等を済ませ、車のナンバーは「7777」にした。7は縁起が良さそうだしなんか好き。天野先輩は車のナンバーは「…2」にしたみたい。どうせなら1番が良いよね。笑

そのままこの日は天野先輩と2台で夜飯を食いに行った。天野先輩は1つ年上で今はラブホテルの経営をしたりしてて職業不詳といった感じだけど最近は羽振りが良さそう。2人で焼肉を食ってこの日は解散になった。どうしても車を見せびらかしたくて早速地元のリョウに連絡をしてリョウを助手席に乗せて駅前ロータリー流したりプラプラした。「めちゃくちゃカッコ良いじゃん!俺も早く車ほしいぜ!」とリョウは期待通りのリアクションをしてくれた。              

翌日、塗装屋の仕事を寝坊した俺は大宮に向かっていた。鑑別所で仲良くなった同い年の沼尻という男と会う約束をしてた。         「うぇーい。久しぶりじゃーん」なんて言って再会を果たした。鑑別所の中での色々な思い出話に花を咲かせた。こいつは車に詳しくてエアサスコントローラーの取り付けをお願いしたんだ。「マジェスタめちゃくちゃ渋いな〜。しかも金髪にこの車ってヤンキーだな」なんて言いながら取り付けをしてくれてる。沼尻も15クラウンに乗っていてマジェスタとクラウンは兄弟車みたいな感じで構造もほとんど一緒みたいだ。       「よしっ。終わったぞ」と1時間もしないで取り付けが完了した。               ポチポチポチ。ボタンを操作して早速車高を1番低い設定にした。イメージしてたベタベタにはならなかったけどまぁいいか。車高を下げると乗り心地は少し落ちたがドノーマルよりは雰囲気も若々しいしカッコ良くなった気がする。陽も沈み暗くなってきたので大宮駅前をグルグル2台で流したり恐らくヤクザの人くらいしか車で通らないであろう北銀の風俗街を車で侵入して行ったりした。 それっぽい人にジロジロみられたりしたがなんかスリルがあって楽しかったな。笑       この日は沼尻と2人でラーメンを食って解散になった。                    次は飲みに行く約束をして解散となった。   彼女のサヤが家に泊まりに来る約束だった為、そのまま大宮からサヤの地元まで車を走らせサヤにも愛車のマジェスタをお披露目した。    「なんか龍二が一気に大人に見える!」こんなリアクションをされた。サヤはすごい嬉しそうにしてくれてた。地元に帰る途中サヤからこんな告白をされた。                 「ねぇ〜龍二。サヤさ、赤ちゃん出来たかも」急にこんな事を言うもんだから戸惑った俺は「え、いつ?」なんて間抜けたリアクション。なんせ、俺は18歳でサヤに関してはまだ16歳の高校生だ。「生理来ないな〜と思って検査したら妊娠してたの!龍二の赤ちゃん!」なんて言ってる。どうやらまだ親には話をしていないみたいだったのでとりあえず親に伝えてもらう事にした。初めての経験でどう行動したらいいかも分からず戸惑った。その日は俺の家でまた生で2発やらかして眠りに付いた。                   翌朝5時半、仕事に行こうと作業着に着替えて準備をしていると社長から着信があった。     「龍二、今日は雨だから現場無しな。明日絶対寝坊すんじゃねーぞ」と社長から言われた。という事で急遽仕事が休みになった俺はサヤの高校までマジェスタで送ってあげて学校終わりにサヤの両親に挨拶に行く約束をした。         高校の校門の前でサヤを降ろすとサヤの友達のギャルが「え、なに彼氏?カッコいい!」なんて言ってるのが聞こえた俺は満更でもない顔をしてププッとクラクションを鳴らしてその場を後にした。                    サヤの学校が終わるまで暇になった俺は成塚に電話をして成塚の家で時間を潰す事にした。   「龍二お前仕事ちゃんと来いっ!」成塚に会って第一声がこれ。成塚は更生への道を着実に進んでる。女好きなところは全く更生できてないみたいだけど。笑                 成塚に彼女のサヤの妊娠について相談したら成塚もすごいビックリした様子で「お前大丈夫かよ?」なんで言われた。 まだ親に挨拶もしてないのに俺はパパになる気満々だ。       サヤの学校が終わるまでの間成塚と隣町のゲオやドンキホーテで時間を潰したり昼寝をしたりしてひたすらグダグダ過ごした。         

18歳、パパになります!


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