詩・散文 「またやまにのぼりたくなったよ」
やまにのぼりたくなったよ
また やまに のぼりたくなったよ
ちいさな やま だけれども
そのさんぷくには まちがいちぼうできるちょっとひらけたばしょがあって つきでたいわが ぴょんとつきでているのです
そしてその ぴょんとつきでたいわによじのぼると まちのおとがかぜになって コーコー とほほをなでるのです
するとなんだかぼくはすきとおってしまって いったいなにがぼくなのだろうかとおもってしまったりするのです
ああぼくなんてかぜのねのようなものなのかもしれない
なんておもったりして
それでも いやそうじゃなくってきっと きっとなにかこう すっくとたしかにそこにたつようなものがぼくなのだ というかくしんめいたかんねんが ぐっとぼくのせなかをおすと それはもう かぜのね=ぼく というぼくのていぎをぜんりょくでひていするのです
それはただしいのかいなか きっとその せいひ はただのただの せいひ であって せいひ であるかないかのもんだいを こえることはないのだろうね
つまりただしいかただしくないかをいったりきたり そのはんぷくだけがすべてなのかしらん と そんなことを いつもまいかい おもいながら たびたびぼくは このやまにのぼりたくなるのです
その山の山頂は頭上には立木の枝葉が幾重にもかさなり幹には蔓蔦が絡んでいて地は熊笹に覆われているのです。山頂なんてそんなものなのかもしれないね。
2021年8月
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