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詩・散文 「走る」

「走る」

青空の下
走る。
捨ててきたものは何もなかった
別れた人も誰もいない。
過ぎ去ってこそ初めて出逢う人、
ものものに
嬉しくて嬉しくて
なべてリュックに背負い込んで走る
走る
稲穂の風に靡く金色の道を
只管な道を。

涙が溢れ出てくるのはなぜか。

2010年頃 岡村正敏

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