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【Writing】Vol.3 ついばむ ~桜の花が散り落つとき~

こんにちは。
もうゴールデンウィークですが、今回は今年の桜の写真を紹介します。
少し前、今年の桜の振り返り・第1弾を「Writing」でさせていただきました。そのときの記事は、こちらです。👇

↑の記事は、京都でお花見をした日の、お気に入りの桜の写真の話をしているのですが、写真は1枚だけで、写真よりもその背景に関する語りがメインです。ということで「Writing」。
今回の記事も、桜の写真を挙げながら、この桜を撮ったときの楽しいエピソードをメインに語りたいと思います。
※なお、桜の写真については、オッカールのInstagram(https://www.instagram.com/okkarr_pg)に投稿済です。


まずは写真の紹介

まずは1枚、今回の代表作を紹介します。詳しい語りは、のちほど。



ビジネス街の中の公園へ

では、この写真を撮るまでの話から始めたいと思います。
ある晴天のお昼どき、私は大阪にいました。夕方まで暇だったので都心のとあるビジネス街を散歩していました。とりあえずランチの時間なので、私は近くにあったたこ焼き屋でたこ焼きを買いました。その頃、なぜか無性にたこ焼きが食べたかったのです。テイクアウトして、ベンチにでも腰かけて食べようかと思っていましたが、ビル街なのでベンチがなく、スマホで周辺を調べて、近くにあった公園に向かいました。
その公園は、低めのビルやマンションが立ち並ぶ一角の、少し広めの公園でした。遊具やベンチがそろっており、大きな桜の木が1本、それから小さめの桜の木が2本ほどあったと思います。偶然たどり着いた公園なのに、見頃の桜の木があり、「これは運がいい」と思いました!
私が行ったときはちょうどお昼休みの時間で、近くで働いていると思われる人々が結構来ていて、桜を見ながらランチタイムを過ごしていました。ちなみに、公園の隣は小学校で、そのときはちょうど給食の時間。「給食委員会」の放送が公園にまではっきりと聴こえてきました。放送によると、その日の給食は「お祝い給食」で、入学や進級を祝う献立だったそうです。
さて、私は無事にベンチを発見し、腰を下ろしてたこ焼きを味わうことができました。それも、一本の大きな桜の木を近くに眺められる位置でした。

桜の木の鳥たち

ということで、たこ焼きをゆっくり食べながら、思わずお花見を楽しむことができました。桜は盛りの終盤といった感じで、満開でしたが白い花が少し赤みを帯び、風が吹くたびに公園を桜吹雪が舞っていました。空は快晴、スズメやハトのさえずり、風の音が響き、桜が満開で、人々が明るい雰囲気で集い、まさに「のどかな春」もしくは「うららかな春」の代名詞のごとき風景でした。とても心地の良い花見で、「これが春の幸せだなぁ」なんて思いながら、時間をしばし忘れて過ごしました。たこ焼きも美味しかった。

桜の木をぼんやりと眺めていると、桜の木にスズメが2羽ほど飛んできました。枝にとまって、桜の花のめしべやがくをついばんでいました。鳥たちも春を迎えて活気づいているなあと、穏やかな気持ちでしばらく見ていると、私はスズメの次の行動に驚きました。
スズメが、桜の花を一輪ごと、口にくわえていたのです。まだ花びらが5枚残っている綺麗な花を一輪ごと口に持っている(くわえているのは、花の咢(がく)筒である)光景、これは、初めて見た光景で、信じられない光景でした。
桜を愛でる人間たちからすると、かなり大胆な行動に見えるでしょう。私も、スズメだから微笑ましいが、人間がやっていれば無粋なものだろうと思います。しかし、大胆かつ滑稽でありながらも、趣があるように見えました。それは、スズメの行いだからか。


※冒頭と同じ画像です。



鳥たちと桜と偶然と

スズメたちはこのあと、口にくわえた桜の花を木の下に落としていきます。その落ち方は、軽やかではなく重たげです。桜の花びらたちは、普通は空中をひらひら躍るように舞いながらゆっくり、遠くへ散るものです。しかし、一輪の桜は、「ひらひら」というよりは「ぶるぶる震える」ように揺れながら、真下に少し速く落ちていきます。その様は、粋ではありますが、むしろ滑稽です。そうして落ちた桜の花を見ると、花びらではなく、まだ5枚の花びらを持つ花一輪。同じように、いくつかの一輪の桜がまだ綺麗なまま、無数の花びらの中に落ちていました。


「きれいな花一輪のまま散ることもあるのか…」と思いました。白い花は落てもきれいなままでした。そして、桜を散らせていくのは風だけではなく、鳥もそのような働きをしていることに気づきました。他にも、鳥が桜の枝から飛び立つとき、枝が揺れて、その拍子に桜の花びらが散っていくこともありました。

スズメが桜を口に持つという「決定的瞬間」が撮れたことをうれしく思います。そして、スズメがたまたまやってくるという「偶然」によって、桜がきれいなまま散っていくことを知り、桜の風情を一層感じました。
そして、この桜の木に巡り合ったのも「偶然」です。偶然にしては素晴らしい花見のひと時になりました。
そして、素晴らしい「偶然」を写真に残せることが、カメラを持つ魅力です。このような素晴らしい「偶然」の瞬間を写真に残せたときには、達成感があります。

以上、ご覧いただきありがとうございました。




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