【一言書評】滝口悠生『高架線』

滝口悠生
『高架線』

同じ〈古い賃貸住宅が主題〉モノでも、長嶋有『三の隣は五号室』が作者の色を出した実験作だとすれば、こちらは登場人物にしっかり焦点を当てて失踪劇をベースにきっちり文学作品に仕上げた実践作。最大の違いは『高架線』では実際のロケーションが示されているところ。住宅は建てられている土地によって定義づけられる="土地観"。〈退去者は次の入居者を探す〉という住人から住人へ受け継がれるしきたりこそまさに"ローカルルール"

「サ」ポートに「シ」ェアと「ス」キ…『「セ」ンスが爆発してますね』という「ソ」ウルフルなリアクションまでお褒めの"サシスセソ"ください!