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漆黒
2020年6月4日 00:05
ふと、私の目に留まったもの。何気ない日常の中にあって忘れていた遠い記憶。人はそれを思い出と言うのだろうか。泣き出しそうになるのを堪えながら急いで帰路を急ぐ。すれ違う人が不審な目で見てくるが気にしてはいられない。「早く帰ろう。」やっと見つけた居場所だった。座り込んでいた私に差しのべられたその手は大きく、語りかけてくれたその声も、よく見ると広い背中も、大人びたしゃべり方も、み
2020年6月18日 19:31
どれだけの時が過ぎ、どれだけの季節が過ぎて行ったか。いつもの変わらない日常がただ、ただ過ぎていく。いつの事だったろう。あれは3月の末の、風の強い午後だった。今日は何かいつもと違う。そんな予感がしたんだ。桜並木をくぐってキミの顔が少しこわばっていた。薄々、ボクはキミの願いに気付いていた。そのキミの願いに怖じ気づいた。キミの願いがボクの願いと同じだとあの時、言うべきだ