芳野幸雄(畑人)

沖縄で農業がしたくて2003年に移住。野菜の栽培を主軸に10年前からスパイスの栽培にも…

芳野幸雄(畑人)

沖縄で農業がしたくて2003年に移住。野菜の栽培を主軸に10年前からスパイスの栽培にも取り組み、いつか100% やんばる(沖縄本島北部地域)産のスパイスで美味しいカレーを作ろうと奮闘中。50歳を機に、農業とこれからの暮らし方を考える畑人(農家)です。

マガジン

  • スパイスで地域を元気にする

    沖縄県北部、やんばるという地域で農業を営んでいます。野菜作りの他に、亜熱帯海洋性気候という素晴らしい恩恵を受けてスパイス栽培にも挑戦中。いつの日か、自分の育てた、やんばる産100%のスパイスカレーを作るのが夢

  • 農業がしたくて沖縄に来て20年目。全てを書いていきます。

最近の記事

やんばるパンチフォロン

私の尊敬する料理人さんから、 「スパイス栽培していくならパンチフォロンを作ろうよ」 と何気ない一言から始まった挑戦。 毎年1品種づつ、試験栽培を繰り返し5年という月日を要して、今季ようやく完成しました。 パンチフォロンとは、パンチ=5つ、フォロン=スパイスで、ベンガル地方の5種類のホールスパイスミックスです。 沖縄では、クミンがなかなか育たないので諦め、「やんばるパンチフォロン」は、コリアンダーシード、カロンジ、フェヌグリークシード、沖縄のシマナ―シード(マスタード)、そして

    • やんばるパンチフォロン

      「ベンガル地方でよく使われてるホールスパイスのミックスにパンチフォロンというのがあるよ」と数年前に知人から教えられた。 panchは「5」を意味し、phoronはスパイスを意味するので文字通りに「5つのスパイス」という意味になるらしい。 やんばるは冬から春にかけてがせり科の植物の作付け時期でもあるので、毎年少しづつ、他のスパイスと合わせて栽培に調整しています。 今期は、ニゲラ、フェヌグリーク、コリアンダー、ディル、マスタードが調子よく、クミンはほとんど発芽無し、発芽しても

      • やんばる産スパイスの栽培と活用の可能性について

        2023年11月19日、沖縄県名護市にある「なごアグリパーク」にて, SPICE CIRCUSというやんばる産スパイスをふんだんに使用したフードフェス を開催しました。美味しいスパイス料理を味わうというフードフェスの主目的と、来場者に「もっとスパイスを身近に感じてもらう」という裏テーマを 掲げ、フードブースの他に、金川製茶さんの茶畑と果樹園を歩き香りの食材を摘んでからのオリジナルチャイ作り、エスビー食品さんのスパイスを使って適塩での美味しい料理作り、そして私のスパイス畑を巡る

        • 自分で育てたスパイスでカレーを作るvol.4

          2023年9月17日、今回で4回目となりました。 今春に収穫して乾燥しておいたやんばる産スパイスたち、そしてカレーリーフ、バイマックルーなどのフレッシュリーフをふんだんに使い、やんばるの旬を切り取ったスパイスカレープレートに仕上がったかな。 さらに、やんばるで採れるスパイスになりそうなものを採り入れてみました。 月桃の実は乾燥させてカルダモンのように 金川製茶さんの茶葉の新芽は乾燥させてカスリメティのように カラキの葉は乾燥させてパウダーにしてシナモンのように 自分で育て

        やんばるパンチフォロン

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          3本

        記事

          自分で育てたスパイスでカレーを作るVol.3

          やんばるの4月は、春の終わりと夏の始まりの季節。 畑では、セリ科などの植物は花芽をつけて種を作る準備に入り、夏の主力作物である島オクラの作付けが忙しくなる。 そんな時期のやんばるでは、グリーンカレーのペーストに使うスパイスやハーブが揃う。 左下から時計回りで、カー(タイの生姜)、レモングラス、パクチー、ホールスパイス(ブラックペッパー、コリアンダーシードは昨年収穫して乾燥したもの)、青唐辛子、島らっきょう(ホームデーンの変わり)、ニンニク、そしてバイマックルー(コブミカンの

          自分で育てたスパイスでカレーを作るVol.3

          香祭(かばーさい)2023.3.26

          食で地域を元気にする「やんばる畑人プロジェクト」のフードフェス、香祭(かばーさい)が2023.3.26に開催決定。 丸12年という活動の節目の開催ということで、今回のテーマは「原点回帰」 「やんばるは美味しい」を世界へ発信して、世界一豊かな地域「やんばる」を目指そう!と、ただただその夢に向かって前だけ向いて走っていた発足当時の気持ちを呼び起こす。 続けることの難しさ この12年の間に、たくさんのフードイベントが沖縄じゅうで開催されてきたが、民間が主体となって続いてるものは

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          自分で育てスパイスたちでカレーを作るVol.2

          お正月のお店の休みを利用して、「自分で育てたスパイスたちでカレーを作るVol.2」を開催しました。 1/2,3の2日間、Cookhalを使って1日限定15食でしたが、おかげさまで完売することができました。 今回はやんばる産ブラックペッパーをふんだんに使ったチキンペッパーカレーをメインに、伊平屋島産の島ダコのカレー、キャベツのアチャール、卵のアチャール、インゲンのタルカリ、ナスのモージュ、新じゃがのカトゥレット、ミニトマトのアチャール、とやんばるの旬の食材をふんだんに盛り込んた

          自分で育てスパイスたちでカレーを作るVol.2

          2023年 国産スパイス元年

          ここ数年で一気に巻き起こったようなスパイスブーム。 スパイスカレー店があちらこちらにできたり、キャンプブームと 合わさってキャンプ料理にもスパイスが使われ、おうちごはんが多くなった ことで、自宅でも本格的なスパイス料理が作られるようになった。 「やっと来たな」 12年前からスパイスの可能性を感じ、スパイスの国産化を目指し、亜熱帯多雨林気候という奇跡のエリア、沖縄県本島北部「やんばる」でコツコツと試験栽培を繰り返し、少しづつ栽培可能なスパイスの種類や量を増やしてきた。そんな

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          やんばるスパイス研究所を立ち上げます!参加トークンプレゼントします!

          こんにちはon the farm、FiNANCiE畑人3.0芳野幸雄です。 皆様のたくさんの応援を頂き、on the farmの立ち上げからonline配信のスタートとゆっくりですが、着実に前進しています。不定期のポップアップ営業からはじまり、月一開催の「畑の声を聞く料理教室」も来年3月まではお約束通り継続できそうです。本当にありがとうございます。 農業を志して来沖して今年で20年という節目をむかえました。沖縄に来る前に思い描いていた、仲間と出荷グループを作って「自分たち

          やんばるスパイス研究所を立ち上げます!参加トークンプレゼントします!

          プラットフォーム協同組合

          農業を志して沖縄に移住して今年で20年という節目をむかえた。沖縄に来る前に思い描いていた、仲間と出荷グループを作って「自分たちが作った作物は自分たちで販売する」という直接流通は、「沖縄畑人くらぶ」というブランディングで、地域のスーパーなどでもコーナーを作っていただけるほどに成長致した。 この20年という時間の中で、たくさんの取り組みにも挑戦し続けている。 異業種の方々と繋がり、食で地域を元気にする「やんばる畑人プロジェクト」、「6次産業化」、「新規就農支援」、そして「on t

          プラットフォーム協同組合

          奇跡の地域やんばるでSPICE CIRCUS

          沖縄は亜熱帯気候とは言われているが、その中でも沖縄が世界で唯一無二の気候だということをご存知だろうか。 『亜熱帯多雨林』という、とても珍しい気候で、奇跡の気候と称されている。世界で見ると同緯度地域はリビアやインドなどの砂漠地域が多いが、 沖縄だけが近傍を流れる暖流の黒潮とモンスーンが大きく影響し、亜熱帯多雨林が発達しているのだ。そんな中でも「やんばる」といわれる本島北部地域は、その恩恵を受け、森が多く存在し、美しい川が流れ、栄養豊富な水が海に注ぎこむ。まさに奇跡の地域。 そん

          奇跡の地域やんばるでSPICE CIRCUS

          全高5mのやんばるカレーリーフ

          12年前に植えた「カレーリーフ」がすくすくと育っている。植えた当初は、冬になると葉を落としてしまっていたけど、2mを超えたあたりから、たまーに寒焼けするときはあるけど、1年中収穫できるようになってきた。 春になると白い花を咲かせて、実を結ぶ。ブルーベリーのように完熟した実は食べることもできる。(ちょっとヤニっぽいが美味) 完熟した実の種を取り出して、ポットに植えるとほぼ100%の発芽率で増やすことも容易だ。 ここ数年のスパイスブームで、内地でも観賞植物的に育てながら使えると

          全高5mのやんばるカレーリーフ

          南国の甘い香りパンダンリーフ

          数年前に1株植えた子が元気よく広がってきた。 スリランカ料理やタイ料理などでよく使われるパンダンリーフ。 スパイスというとピリッと辛いものや香りが独特のものを思い浮かべる と思うけど、甘く優しい香りのパンダンリーフもお忘れなく。 いちばん有名なのは、「カヤジャム」かな?とにかく甘いこのジャムをトーストにたっぷり食べる「カヤトースト」。 栽培に関しては、やんばるでは比較的容易で、放っておいてもどんどん広がっていき、苗も作りやすい。 やっぱり暑い地域の植物なので、収穫は冬より

          南国の甘い香りパンダンリーフ

          国産の胡椒「やんばるペッパー」

          皆さんは胡椒と言えば、海外産しかないとお思いですか? 実は、沖縄でも育つんです。 私の住む沖縄県本島北部、「やんばる」という地域で仲間と、ほんの少しづつですが、試験栽培をしています。 タイトル画像の向かって左が挿し木苗、右が実生苗になります。 フレッシュグリーンペッパーは、乾燥させてブラックペッパーに。 赤く完熟した実は、土に植えると芽を出して実生苗となります。 やんばるの亜熱帯多雨林という奇跡の地域では、胡椒もちゃんと育ちます。 苗さえ上手に作れれば、栽培はそんなに難

          国産の胡椒「やんばるペッパー」

          自分で育てたスパイスたちでカレーを作る

          やんばるに来てスパイスと出会い、12年間の試験栽培を重ね、量は少ないですが、ようやく20種類ほどのスパイスができるようになりました。 そんなスパイスのおかげで、素晴らしいシェフの皆様と出会い、料理に興味を持ち、「栽培から料理するところまで挑戦したい!」という目標のもと、約1年間、スパイス料理人のみなさんに教えをいただき修業をしてきました。 そして念願かなって、2022年9月11日(日)初めて、「on the farm」にてスパイスカレーを出すことができました。 ご予約頂い

          自分で育てたスパイスたちでカレーを作る

          沖縄で農業を志すみんなへ(2022改)

          これから沖縄で就農を考えてるみんなへ 「2009年2月、沖縄県名護市にて就農3年未満の新規就農者8名で任意出荷クループ、「沖縄畑人くらぶ」を発足。ここまでくるのに6年もかかってしまった。」 私は沖縄に来る前は、東京を中心に13年間、有機農産物の宅配事業、外食関係の卸業者、自然食品店などへの卸業者で農産物の流通の仕事をしていた。  仕事上、産地研修や収穫祭など農家さんと接する機会が多かったので、元々デスクワークが苦手な私が、この流通の一番の川上である農業に興味を持つことは当然

          沖縄で農業を志すみんなへ(2022改)