神経疾患とグルタチオンと顔面神経麻痺

以前のブログに、認知症患者さんにグルタチオンを継続投与していると、認知症の進行がほとんどみられなくなった件を書きました。

もともとグルタチオンはパーキンソン症状に効果が期待できますから、レビー小体型認知症や、認知症が進行してパーキンソン症状が出てきた方など複数名に定期的にグルタチオン点滴をしてきました。

進行が早いといわれている若年性アルツハイマー型認知症の患者さんを始め、高齢のレビー小体型認知症患者さん等におこなってきました。
もう10年以上の経験になります。

で、日本薬理学会という雑誌に掲載された以下の資料を発見しました。

神経細胞におけるグルタチオン産生調節機構

細かい内容はかなりマニアックなのですが、冒頭からこのように書かれています。

『グルタチオン(GSH)は,グルタミン酸,システイン,およびグリシンからなるトリペプチドで中枢神経において重要な神経保護物質として働く.アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患においては,発症前からの脳内 GSH 量の減少が示唆されており,GSH の調節機能障害は神経変性疾患発現に関与すると考えられる.』

以下、わかりやすくて大事そうなところをピックアップします。

『神経細胞内の GSH 産生を促進させることにより神経変性疾患の発症を抑制する,あるいは進行を遅らせる新たな治療戦略となり得る.』

『特に GSH は細胞内に最も豊富に存在する抗酸化物質であり,酸化ストレスに対し脳の神経細胞保護に関わっている.脳は重量当たりの酸素消費量が多く,活性酸素種(reactive oxygen species:ROS)や活性窒素種(reactive nitrogen species:RNS)の発生量も多い臓器として知られている.また,脳は不飽和脂肪酸を多く含有するため,酸化ストレスを受けやすいと考えられている.
ROS/RNS による酸化ストレスは脂質過酸化,DNA 傷害,ミトコンドリア機能障害,および酵素などのタンパク質変性の原因となる.一方で,脳内においては GSH など
の抗酸化物質や各種抗酸化酵素が抗酸化機構を構築しROS/RNS の細胞傷害性を抑制している.』

『GSH の機能は神経変性の引き金となる酸化ストレスから神経細胞の機能を保護するために無くてはならないものである.』

『神経細胞における GSH 産生促進は酸化ストレスによる神経変性を抑制することが示唆されることから,…』

『アルツハイマー病(AD),パーキンソン病(PD),筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性疾患では脳内 GSH量の減少が報告されている.』

『また,AD の前段階と考えられている軽度認知機能障害(mild cognitive impairment:MCI)21)においても海馬GSH 量の減少が報告されている.さらに,認知的に健康な 55 歳から 75 歳までの高齢者においても,側頭部および頭頂部におけるアミロイド量と GSH 量が負の相関を示したことから,脳内 GSH 量の減少は AD 発症に先行することが示唆された.
PD 患者においても変性部位の黒質において GSH 量減少がみられる.また,剖検により偶発的に Lewy 小体が確認された健常者は PD 発症前段階と考えられが,Lewy 小体が確認された群では,確認されなかった群と比較して中脳黒質における GSH 量の減少が認められた.このことは AD 発症と同様に,PD 発症においても脳内 GSH 量の減少が先行して起こることを示唆している.また,病理学上あるいは臨床上の PD 症状の重症度は脳内 GSH 量減少の重症度と比例することから,GSH 量減少は PD 発症の指標となるだけでなく,神経変性進行の指標にもなり得る.』

『神経変性疾患の病態には GSH 量減少が関わっていることから神経細胞選択的な GSH 産生促進を目的とした研究は重要であると考える.』

この資料では、遺伝子工学的にグルタチオン産生を増加させようと検討しているものではありますが、それが果たして可能なのか、いつ実現するのかはわかりません。ちなみに2021年に発表されたものですし。

いま実際にできることとしたら、グルタチオン補充しかありません。
しかも細胞内により効率よく移行しやすいリポソーマルグルタチオンです。
点滴の場合は超大量の補充しないといけないでしょう。

上記にたくさんの引用を載せてしまいましたが、単純にいえば、
・認知症やパーキンソン病など神経変性疾患の発症前には脳内グルタチオン量が減少している。
・脳内グルタチオン量の減少が神経変性疾患のは賞に関係している。
・グルタチオンにより神経変性疾患の発症を抑制したり、進行を遅らせることができるかもしれない。
ということです。

ちなみに、「パーキンソン病の場合は、症状の重症度は脳内グルタチオン量減少の重症度と比例している」と書かれていますね。
パーキンソン病の場合にも特にグルタチオンは重要そうです。

これまで患者さんにグルタチオン投与してきて
「認知症やパーキンソン症状の進行を遅らせる効果があるのではないか」
と感じていた感覚は正解だったようです。

自分の感覚が素晴らしいでしょ、と言いたいのではなくて、査読済みの論文だエビデンスだ云々の前に、臨床医が現場で感じる感覚も結構大事ってことです。
それなりの数の疾患をまとめて診察して日々経験しているわけですから。

これはワクチン副作用・後遺症にも当てはまることです。
シェディングにも当てはまることです。

世間で起きていることを観察・経験していれば、何が起きているのかなんとなく察しがつきます。

これをワクチン推進派は「エビデンスがない」だとか「査読済みの論文はあるのか」だとか「論文書いて発表しろ」だとか言って攻撃してくるわけですが、現場で働いている医師(特に開業医)が、上記のような遺伝子工学的な研究等ができるわけがありません。
日々目の前の患者さんを診るだけでいっぱいいっぱいなのですから。
そんな実験施設があるわけじゃないし。
(あっ自分が攻撃されたわけではないですよ)

ちなみに話は変わりますが、先週たまたま2日続けて、「グルタチオン使用して顔面神経麻痺が劇的に早く良くなった」という感想をお二人の方からいただきました。
そのうち一例は「医者も驚くほど」だったようです。
ステロイドなどの治療もおこなわれていた例もありますし、入院して加療された例もありますから、すべてがすべてグルタチオンによるものとは言えないかもですが、ご家族の印象・感覚としては「グルタチオンに効果あった」とのことです。
「医者も驚くほど」だから、グルタチオンに効果あったのかもしれません。

顔面神経は脳神経の一部で、脳みそから直接出ています。
顔面神経麻痺は詳しく分けると、中枢性と末梢性顔面神経麻痺に分かれるのですが、脳みそに近いことを考えると、なんだか今回紹介した資料とも何か関わりがありそうな感じはします。

顔面神経麻痺は、本人にとってはとてもショッキングな出来事です。
外に一歩も出たくなくなるでしょう。
仕事がある方はなおさら大変ですし、仕事に行けなければお金が稼げなくなり、社会的に生存に関わることになります。
精神的にもやられてうつ傾向になる可能性もあります。

こんな時はぜひグルタチオンを試す価値はあるかと思います。
副作用もまず心配ないですし。
自分なら絶対に試します。

また以前に紹介したかもですが、慢性疲労症候群のブレインフォグの方にもリポソーマルグルタチオンが効果ありました。
この方は10年以上ブレインフォグに悩み、これまでいろいろな治療法を試してきましたが、結局はリポソーマルグルタチオンが一番効果を感じるとのことでした。

『中枢神経系の悩みにはグルタチオンを!』
とか言ったら、また保健所とかから目つけられるかな。

でも認知症にしろパーキンソン病にしろ特効薬なんてないし、であれば上記のように発症前から脳内グルタチオンが減少していることがわかっているなら、グルタチオン補充すべきだと思うのですがね。
進行も抑制できるらしいですし。

ちなみにいつか詳しく書こうとは思っていますが、認知症の高価な新薬は効果期待できませんからね。
「高価だから効果ある」というわけではなりません。ダジャレではありません。
アレは治療やっても進行します。
治療しなかった群と比べて、若干進行の度合が小さくなったというだけで認可されました。
その差は日常生活ではわからないレベルの点数です。
ですから世界中の専門家からは「認可されたのはおかしい」という声が上がっています。
副作用も、脳の微少出血なども結構報告されていますし、メディアではそういうリスクが全然報じられていませんね。

パーキンソンも、現代の治療はただただ薬漬けになっていくだけ。
1種類から始まってもだんだん効かなくなり、次は2種類、3種類と増えていきます。
パーキンソン薬の副作用に対する薬が増え…と、どんどん薬漬けになっていくのがパターンとなっています。

「酸化ストレスから脳を守る」ということであれば、急性期の脳梗塞や脳出血の治療後早期にグルタチオン投与するのも良さそうな感じがします。
治療後成績が良くなるとか、その後の後遺障害の程度に差が出てくるかもしれません。

『中枢神経系の悩みにはグルタチオンを!』

どっかから何言われたってかまいません。
試す価値が十分あるのですからやってみるべきだと思います。

グルタチオンを定期的に取っている方の認知症やパーキンソン病の発症率とかデータがあったらおもしろいですね。
超絶暇になったらいつか皆さんに連絡して調査するかもしれません。

無駄に医療機関の食いものにされないように、自分でできるケアなど役にたちそうな情報を大公開していきます。