奈良県御所市にある郵便名柄館は、1913年に郵便局舎として建てられてから1975年にその役目を終えるまで地域のキーステーションでした。役目を終えて朽ちていた郵便局舎でしたが、2915年(平成27年)に開局当時の姿に復元されました。
その復元再生を記念して始まったのが、「はがきの名文コンクール」です。近くに立つ一言主神社は、一言の願いであれば、何でもかなえてくれると言われており、その言い伝えにちなんだものだそうです。
2015年度(平成27年)の第1回「はがきの名文コンクール」で大賞受賞したのが、冒頭の山口峯三さん(90歳・埼玉県)のハガキ文でした。先立たれた奥さんへの愛情あふれる文面に、文字がかすみます。峯三さんのラブレターに、男の私も惚れてしまいます。
翌、2016年度(平成28年)第2回「はがきの名文コンクール」で大賞に輝いたのは、三上八郎さん(79歳・静岡県)の次のハガキ文でした。
第2回コンクールで佳作(斉藤孝賞)となった長谷川美津子さん (71歳・福岡県)の文面も心に響きます。昭和28年生まれの私ですが、グッと来てしまうのです。
同じ佳作の村岡美佐男さん (75歳・福島県)の文面は、亡くなった両親への心のおとないです。「さすけねぇ」は会津方言で「大丈夫、心配ない」の意味でしょうか。効いています。
これも第2回コンクールで日本郵政大賞を受賞した若色 茜さん (34歳・栃木県)の作品です。お父さんへの気遣いがたまりません。娘さんのエールに、きっと元気を取り戻されたのではないかと思います。
いかがでしたか?心の疲れを癒し、心に栄養ドリンクを頂いたような持ちよい文章がネットに掲載されています。「はがきの名文コンクール」と検索してみて下さい。小さなはがきに、大きな心があふれています。
このような素晴らしい企画を始められた主催者のお手柄のコンクールは、今年で9回目を迎えます。その応募締め切り日は、今日9月5日(消印有効)だとありました。
※画像は、クリエイター・ワダシノブ/イラスト・マンガさんの、タイトル「削らずに反応を起こす」の1葉をかたじけなくしました。大きな「愛の筆」が雄弁に言葉を綴っているようです。お礼申し上げます。