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No.509 なぞなぞに思う

今から14年前、中学1年生の某男子の「学習計画ノート」には、毎日「なぞなぞ」が書かれてありました。それらは、私の油の切れかかった脳ミソに刺激を与えてくれ、ボケ防止に一役買っていました。

ある日の「なぞなぞ」は、
①「点を取るだけで大きくなる身近な動物といったら?」
②「さかさまにすると3つ少なくなってしまうものは何でしょう?」
③「上は大水、下は大火事といえば、お風呂です。では、上は大工、下はゴミ箱なあに?」
④「笑いながら飴を食べました。何個食べましたか?」
⑤「年寄りの猫を盗みました。オスですか、メスですか?」
でした。50代の私は、⑤番目が一番先にピーンと来ました。何て悲しい性でしょうか?これらの答え合わせは、明日のお楽しみにさせてください。

一方的にやっつけられてばかりいては悔しいので、こっちも5問クイズで意趣返しをしました。よろしければ、皆さんも解いてみて下さい。
Q1.「料理人が蛇にスパイスを振りかけました。さて、蛇はどう反撃したでしょうか?」
Q2.「冷蔵庫の中にゾウをしまうために必要な3つのことは何かというと、①冷蔵庫を開ける→②ゾウを入れる→③冷蔵庫をしめることです。では、冷蔵庫にキリンをしまうために必要な4つのことは何でしょう?」
Q3.「世界一性格が悪く、不細工で、頭も悪く、なんの取り柄もなさそうな女性がいました。しかし、この女性に『お願いだから結婚してくれ』と迫る人が2人もいたそうです。それはどんな人でしょう?」
Q4.「ある国の王様が、ある若者二人に『二人で馬に乗って競いなさい。 勝った馬の持ち主に褒美をあげよう。ただし、後からゴールした方が勝ちだがね。』と言いました。しかし、このままでは、ゲームを開始しても二人とも立ち止まったままで動き出そうとはしません。どうすれば、二人がゴールに先に入ろうとするでしょうか?」
Q5.「王様が兵士100人に『宝物をあげるから、欲しい人がいたら来なさい。』と言いました。すると、兵士が100人全員来てしまいました。兵士たちは、みんな宝物を欲しがり、誰一人として譲ろうとしません。王様は誰にあげるか選ぶのに困ってしまいましたが、名案を思い付き、兵士たちに言いました。すると、王様は一人も宝物をあげずに済みました。さて、兵士たちに何と命令したのでしょうか?」
こちらの答えも、明日のお楽しみにさせていただきたいと思います。

ふと、「世界で一番古いクイズ」は何だろうと思って調べました。有名な「なぞなぞ」といえば、エジプトのスフィンクスが旅人のオイディプスに出した問題「朝は4本足、昼は2本足、夕は3本足の生き物は何?」でしょう。しかし、これはギリシャ神話で、ギリシャ文明が成立した後でないと生まれません。

ところが、これよりももっと昔に、世界最古の「なぞなぞ」と言われるものが存在していたらしいのです。1960年(昭和35年)にE.I.ゴードンという学者が、古代シュメール人の楔形文字を解読して『25のクイズ』という本の中に紹介しているといいます。
 
現在のイラクにあたる、チグリス川とユーフラテス川の間に栄えたのが、古代メソポタミア文明です。その初期に栄えた民族のシュメール人が用いていた文字が、古代シュメール楔形文字で世界最古の記録文字と言われているそうです。そこには、こんな問題が書かれてありました。
 
「その建物は空に近い場所にある
 その建物は秘密の箱のように、ベールで覆い隠されている
 その建物はクオリティー高くつくられている
 誰かがそこに入る時、その目は閉じている
 だがそこから出る時、その目は開いている」
 
 答えは、「学校」だそうです。
「誰かがそこに入る時、その目は閉じている
 だがそこから出る時、その目は開いている」
という視点は一つの真理のように思えます。ちょっと哲学的な思索にいざなわれるようなクイズです。エジプト文明よりもさらに古いこの時代に、こんな炯眼の持ち主がいたのだということに胸を打たれました。「知るは、楽しみ」だと思いました。