48.三題噺「オムレツ、鉄、サイドミラー」
放課後、僕は出かける待ち合わせをしていた。
同じクラスの女の子、同クラさんが停車してる車のサイドミラーを見て前髪をいじっている。
「待たせてごめんね」
「あ! ううん! 全然待ってないよ! 私から誘ったんだから気にしないで」
「今日は弟くんを励ますプレゼントを買いに行くんだよね?」
「うん。男の人の意見も聞いてみたかったから一緒に来てくれて助かるよ」
さっそく、僕たちは近くにあるショッピングモールに来た。
「目星はついてるの?」
「うん!」
同クラさんが指したお店は玩具屋さんだった。
「これがいいかなって……」
手にしたそれはたくさんの可愛い動物たちで遊ぶドールハウスシリーズのランチセットだ。
ハンバーグやオムレツの乗ったプレートはすごく美味しそう。
「弟くん、結構かわいらしい趣味なんだね」
「変かな?」
「そんなことないよ。同クラさんが選んだランチセットも、きっと喜んでくれると思う」
「ほんと? うーん……。でも、もう少しだけ考えてみようかな」
「わかった。僕はその辺でも見てるよ」
店内を見渡して戦隊モノとか鉄道とか積み木の玩具を見つけて、懐かしい気持ちになった。
同クラさんはそろそろ決めたかなと思って振り返ると、どんっと誰かとぶつかった。
「わっ!」「ひゃっ!」
僕と同クラさんはお互い尻もちをついた。
プレゼントが決まったって声かけに来てくれたのかもしれないな。
「いてて……」
瞑っていた目を開くと、そこには透けてるレースの桃源郷があった。
僕は咄嗟に目を隠した。
だがそこは男の性。指の隙間からチラ見してしまう。
同クラさんは慌ててスカートの裾を戻した。
「み、見た?」
僕は開いていた指を閉じた。
「見てない……です」
帰り道は、同クラさんがずっと恥ずかしそうに赤面していた。
……それにしても。意外だったな。
何がとは言わないけど、大胆な同クラさんの一面を知ってしまった。
作者です。
三題噺を書きました。
題目の選定は以下のサイトを使用させていただきました。
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