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誰に生かされているのだろうか

あの日、誰が救急車を呼んだんだろう。
アタイは知らない。

あの日、意識朦朧と窓を開けたのを覚えている。
3階でビルの間のこのアパートにどうやって救急隊員さん達は上がったのか。
アタイは知らない。

家の中も外もぞんざいには扱われて居ない恵。
アタイはその優しさに胸打たれた。

実家は一軒家な為かなり動きを要したが
(退院したての激痛なう横紋筋融解症の割に)
六条一間のこの自宅は何と居心地の良い事か。
アタイの心身が穏やかな恵を知る。

アタイは真綿で首を締められる日々が辛かった。
アタイは真綿なら全身を優しく心地よく包まれたかった。
それはやはり自分にしか出来ない事だった。

実家では体調が回復する感覚が無くて、心苦しい気持ちもあった。
今は臀部の皮膚に感覚が有るのが判る。
痒みと痛みだ。
感覚が戻ろうとしてむず痒くて引っ掻くと痛い。
自分が今、生かされている実感に浸る。

部屋が臭う。
汚物の一部が電気毛布により1週間で乾き切り室内に香りが染み付いた模様。
不思議と頭痛にもならず、換気して軽い消臭剤で何とかなっている。
自分の人間臭さを味わう。

生きる事は屁なチョコでどーしようも無く小っ恥ずかしい事の連続で、自分と他者との距離感大会だ。
多分、アタイが距離感ばかりを気にするのはボーダーラインパターン人間だから。
でも、ボーダーラインパターン人間なのがアタイなのだから距離感を確認出来る今は良いのかもしれない。

生きる事は恥との向き合いも必要だと今回知る。
そして生かされている今の自分は部屋の掃除から始める生き方で良いとも知る。
その上で、また出来る事を重ねよう。
無理したくても痛みで出来ないのだから。
自分を真綿で優しく包んであげよう。

外の音が私だけが生きているのだと言わずに居てくれるのも嬉しい。
夜の静かな街に時々聴こえる車の音やスケボーの音。
密やかに話す人々の声。
皆生きている。
そしてアタイは孤独のようで孤独では無い事も知る。

誰に今、自分が生かされているのかは知らない。
それでも、生命を繋いで下さった人々の力を豊かなる恵をアタイは感謝せざるを得ない。
出来たらお手紙を一通一通お渡ししたい。
助けて下さり有難う御座いました。
一言だけでも伝えたい。

我儘なアタイを生かして下さり有難う御座います。
全ての方々へ感謝です。

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