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美意識過疎



もしも私が
美女生まれの金持ち育ちだったら


やれ、パックやら
やれ、日焼け止めやら
やれ、何ちゃら美容器とやらで

四六時中、全身をそずっているに違いない。

ほっそい横文字の草を食べ、
US仕様のタンパク質を飲み、

オーガニックという響きに
何万も費やすような
わがまま臓器の女になっているのだと思う。








書いていても無理だと分かる。


なんの施しもなく
ダイエットのダの字もなく

すっぴんジャージ
ぽってちビール
もしくは
にっかとギョーザ


快適とはだらずのことをいう。

この選択は自由だが、
美の貌とは無縁が故の特権な気もする。



ならば私は

一生ブスがいい。




悪口を言いたいのではないが
性格が悪いからか
こんな皮肉しか出ない。

整形とかダイエットとか
やり方は色々あるけど
私はそれに成功したとて、
根本なところが
どうやっても変われない気がしている。

もし明日、
容姿端麗に生まれ変わっていたとしても、
晩酌は我覇者となり
容姿など忘れて屁理屈をこねくり話すのだと思う。


最低だ。
魅力が一欠片も浮き上がってこない。


とはいえ、辞める理由もない。
















振り返れば、
沢山のお酒の場があった。

そこで分かったことがある。







どんなかたちであろうと、



好きな人達に貰った酒と

好きな人達に奢ってもらった酒と

好きな人達に注いでもらった酒に




勝てるものなど
この世にひとつとない



ということだ。









この時の正しい飲み方としては
相手に必ず降伏し、奉ることだ。


勿論建前でなく本心で。


寧ろそれが出来ない人との酒など
身体に1ミリも入れてはいけない。


心裸で飲むことが
相手への感謝という名の礼儀なのだと
田舎のだんじり祭りの縦社会でしっかり学んだ。





こうして飲ませて頂いた酒の数だけ
いずれ恩返しが出来るわけで、

その大きさの分だけ、
孝行したいという気持ちが
自ずと生まれてくるものなのだと思う。




誰かを想いプレゼントする酒

心から注ぎたくなる酒

惜しみなく奢れる酒


それは、
あなたが大好きだという
愛の告白だ。



これはもはや
世界平和の糸口なのかもしれない。


そう思う。














育むとするならば

出来ればゴルフより、
野球がいい。

球団争いは一旦取っ払うことにして。

ドームも神宮も景色は抜群。
そこにあるアルコールは格別。

ただ、
ドームは館内キャッシュレスだ。

時代の波に気をつけながら
いつものようにレフト席に行くが、

電光掲示板近くになってしまうと
サウンドがデカすぎて
帰り道のイヤホンの音量を狂わせてしまうので
そこだけは注意が必要かもしれない。

神宮なら夏は花火が座って見られる。
氷結との相性は熟年夫婦並みだ。

来年の晴れのスケジュールに期待しよう。



共に汗を流したい場合は
バッティングセンターで十分だろう。

その後は近くの居酒屋で大いに身体を労ればよい。

そこでは多分、
野球好きが飲んでいるはずだ。


知らない奴とも話は尽きないだろう。
















あぁ。好きだ。

















欲を言えば
一年に一回くらいは内野席で見たいものだ。

都内のホテルディナーより
遥かに景色がいい。

会話をしなくても
映画より臨場感があっていい。

帰り際、
キャッチボールでプロポーズしようもんなら
絶対に首を縦にふってしまうはずだ。



初球、真ん中低めどストレート



ウルトラ場外逆転満塁サヨナラホームラン





きっと歴史上に名を馳せることだろう























間違いない。




























さて、
今日もひとり。

ビールでも買いに行ってこよう

oki

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