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1/21【バイデン大統領就任】

【要点】

・バイデン新大統領が就任した。コロナの影響もあり、式典での参加者は例年よりも非常に少ないものとなった。また、前大統領であるトランプ氏が参加しなかった。前大統領が就任式に参加しないのは152年ぶりだという。

また、今回の就任式の異例さの一つとして、就任式の時期に首都のワシントンを封鎖していることである。それによりパレードの中止・ホワイトハウスの立ち入り禁止・州兵による厳戒態勢などの対策がなされた。

・バイデン氏は「米国の団結」を呼びかける。この背景としては、ここ5年で広がった格差の是正や人権問題による米国の分断がある。特に経済格差に関しては、「資産価格の上昇で超富裕層の上位1%の純資産は36兆ドルと半年で5兆ドルも増加し、全世帯の下位半分(2.4兆ドル)の15倍になった。」(引用)そしてコロナにより、その格差は拡大している。

・バイデン氏も、アメリカのコロナ対策に全力を尽くすつもりだ。しかし、そのなかでネックなのが、米国の債務が増加しており、第二次世界大戦よりもひどい状況にあることだ。失業支援など巨額の財政出動が必要不可欠だが、いかに財政健全化を果たしながらそれを行っていくかは注目である。

【感想】

・いよいよバイデン氏が就任しました。米国は大統領のイデオロギーが政策に非常に反映されるので、同盟国の日本としても注目すべきですね。

・コロナ対策に巨額の財政支出をすることを約束したバイデン氏。高所得層を除く形で現金給付などを行うことはいいことだと思う。「米国の団結」を掲げるバイデン氏にとって、低所得者層の底上げを目指し家計支援をすることはマストなものになってくるだろう。貧困率が13%と高いアメリカにとって、財政出動により貧困率を緩和させることは、今後の経済成長を見越すうえでも重要だ。これは、アメリカだけでなく日本などの他国にも必要な考え方だ。

・個人的に注目しているのは、人権問題に対する取り組みだ。トランプ政権時代には様々な人権運動が起こった。トランプ氏自身の女性問題もあったが、昨年のBLM運動やホワイトハウス襲撃などもそうだ。トランプ氏は物事を二項対立でとらえる傾向があったこともあり、自身の「アメリカ像」をもとに「アメリカファースト」の政策を打ち出していった。しかし、お分かりの通り、トランプ氏がとらえる「アメリカ」は、多様性にあふれる本当のアメリカとはかけ離れたものだった。そしてこの二項対立的思考は分断を生んだ。

一度分断されたものを団結させることは容易なことではない。バイデン氏はこの複雑に絡み合った人権問題、ひいてはアメリカの分断の問題をどう解決していくか、そして「団結したアメリカ」がどのような国際的地位をこれから築いていくのか、期待したいところだ。

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