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『舞台上で生きるためのWS』2023年3月報告書


おつかれさまでございます。
コロナの影響もあって研究会としての活動はなかなか行えないままですが、研究員のみなさまのご協力もあって改良・改善を繰り返し今にいたる技術(方法)もあります。
本当にありがとうございます。
それらを駆使しつつ、個人としても学び教えてもらいつつ組み立てたセッションプランで行いました『舞台上で生きるためのワークショップ』のご報告をさせていただけたらと思います。

今回初めて5日間という日程のセッションを行いました。
テーマは『手放すための準備』でした。
研究会でもたびたび話題となったテーマであるかと思います。
そこに取り組む上での近年の自分の意志としては、『手放す』(言葉はなんでもいいのですが)という状態で臨む時に俳優に伴うであろう不安や恐れをできるだけ緩和できる「環境」を作るということに向かっております。
今回の報告書ではそのために導入したことと、その効果についてフィードバックいただいたことなどをシェアすることで、更なる改良・改善について一緒に考えていただける材料提供になればと思います。

①【おしゃべりの時間】
<やること>
・1人づつ2分間のおしゃべりをする。
・内容はなんでもよい。場合によって決めてもよい。
・まとまらなくても、何を話そうか考えているうちに2分が過ぎてもよい。
・お名前と何と呼んだらいいかだけはお話してもらう。

こちらは初めて導入する訳ではないが、他の人のおしゃべりの時間が自分に与えてくれる影響(興味を持つ瞬間や思い出すことや何か話したくなること等)をより意識しやすくなるように、もう少し進めて、他の人の存在が引き出してくれる自分があることに意識が働く効果を期待して、扱い方を少し変えて導入しました。

<フィードバック>
・何でもよい。しゃべらなくてもよい。とは言え人前で自分のことを話すというハードルは残る。
・しゃべる+人を聞くを行った後に自分ではない人たちの存在の価値に意識が向かいやすくする何かがあった方が良いか?
・自分がしゃべる内容について意識が向いてしまい他の人の時間に集中しづらい状況もある。

創作空間の中に入るためのワークのイントロダクションでもう少し工夫できるかもしれない発見はありました。そんなことも含めてアップデートしたいと思います。


②【オリジナル呪文】
<やること>
・座組のみんなそれぞれからテーマに沿った単語を出してもらう。テーマは何でもいいが自分自身にまつわるものの方がいい。
・それぞれの単語からいくつか音を拾いつつそれらを組み合わせながら呪文のようなフレーズを作っていく。
・組み合わせや読み方のイントネーションなどみんなで話し合いながら決めていく。
・できた呪文を唱えるとどんな状況でも時を止めることができる。全員が一旦創作の手を止めて、焦ってはいないか、ストレスを感じてはいないか、リスペクトを欠いた状況はないかなど落ち着いて考える時間を作ることができる。
・全員がいつでも呪文を唱えることができる。
・呪文を唱えた人は魔法使いとしてみんなから賞賛・感謝される。

こちらは今回個人的には初めて5日間のセッションを行うので導入したワークでした。
その始まりに座組の小さな創作物を互いのコラボレーションで作るという実績を持ってそれが期間を通して創作の場にあるという環境を作る。またそれが自分や他の人のためにより良い創作環境を保つための座組一人一人が持てる力になるようにする。ということを目指してやってみました。

<フィードバック>
・個人の性格的に他の人の時間も止めてしまうこともあり実際に唱えるにはハードルがある。
・心の中で唱えてみるだけでも自身を落ち着かせる多少の効果はあった。
・目に見えるところにあるという効果。
など

最終日に自分自身が唱えるタイミングがあり、個人的にはこの呪文の存在は有り難かった。
時間が残り少ない中でのフィードバック中に、自分が渡したいことと選んでいる言葉の間に違和感を感じて呪文を唱えさせてもらった。
その結果、自分が焦って言葉を選ぼうとしていることに気づけたし、自分でもまだ明確な言葉で渡せないものを渡そうとしていることでそれを受け取る人に不安を感じさせていたことに気づくことができたので、そのことについて謝罪してリセットすることができた。
とは言え上記のようなフィードバックから改良の余地について考えることができる。


【まとめ】
環境を作るという点で主に上記の二つのことを取り入れてみましたが、今回ご参加いただいた方々からいただく感想から、想定分の効果はあったと感じてはおります。
同時に、特にそれを扱う自分がですが、まだ未熟なところも感じます。
この報告書をお読みいただいたみなさまにはどうぞ改良・改善についてのご助言をいただけたらと思います。
その際はできれば知識のみでなく、経験による体感を伴ったご助言をいただけると幸いです。
また一緒に考えていただけるだけでも幸いです。どうぞ気になることがありましたらご連絡いただけたらと思います。

最後に、ワークショップにご参加いただいたみなさま、方法についてのご教授をいただいたみなさま、研究員としてや友人として一緒に考えてくださっているみなさま、ご支援ご協力いただいているみなさまに感謝申し上げます。
本当にありがとうございます。


info@oharakenji.com
大原研二

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