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moonスーパーネタバレ感想&考察

古くからの友人がmoonをクリアしたとの一報が入ったのでmoonというゲームに思いを馳せながら今更moonの感想を書いてみたいと思う。

先日オモコロブロス!にて掲載された「人生ベストゲームを家族に聞く」にも書いたが僕はmoonが大好きだ。

https://omocoro.jp/bros/kiji/257911/

moonはRPGゲームの世界に落ちてしまった主人公が勇者に殺されたモンスターの魂を救っていきラブ(愛)を集め、レベルアップしていくというゲーム。最終的にはこの世界でドラゴンに食べられて消えてしまったという月の光を取り戻すことが目的である。

中でもヘイガー博士というキャラが僕は好き。

ヘイガー博士は主人公にガミガミと怒りながら指示を出し、常にイライラしているいや〜な感じの人物。

しかし深夜に話をかけると急に静かになり、「おけもと…吾輩と少し話をしよう。愛についてだ」と切り出す。

そして、愛とは何か?この世界に愛はあるか?この世界の外に愛はあるのか?ロケットを完成させて外の世界まで行きたいこと、それが自分のラブなのだということを話してくれる。

最後に「くだらない話をしたな、忘れてかまわんぞ」と締め括る。

ここがめっちゃいい。粗暴なジジイが真面目になる瞬間、垣間見る優しさに僕は弱い。


moonの世界にはゲームの外の世界があることを何となく知っているキャラクターが何人かいて、ヘイガー博士はその1人だ。

そのため、自分たちは何なのかに悩み、ゲームの外に行こうとしているのがすこし切ない。

ゲームのクライマックス、その夢を主人公に託し、外の世界への扉がある月へロケットで主人公を送り込む。

月には今まで助けてきたモンスターやラスボスのドラゴンとプリンセスがいて、主人公に扉を開けてと頼む。

しかし無情にも扉は開かず、月へやってきた勇者に殺されてしまう。


そしてここからのエンディングがすごい。


ゲームの世界から目覚めた主人公は殺されてしまった仲間たちの為にコンティニューするか、しないかの選択を迫られる。

ここで僕は殺されてしまった仲間を助けに行こうとコンティニューを選択した。するとテレビの中に吸い込まれ、ゲームオーバーになってしまう。

月に行くとセーブはできないのでロケットに乗るところからやり直しになる。20分くらいかかるイベントなのに。

そう、正解はコンティニューをしないで部屋を出ることだったのだ。そんなことあるのか。

暗い部屋を出た主人公は家の扉という扉を開けて家の中に光を取り込む。すると、moon世界の月の扉が開き、世界に光が戻るというエンディングだ。

エンディング曲であるKERA-MA-GOが流れる。

この曲はゲーム中のクリスというアイドルになりたい女の子が舞台に立った時に歌う曲。初めてエンディングを見た時は、「明るい曲調のこれを使うのか!」とびっくりしたが、KERA-MA-GOは開けゴマのアナグラムとなっており、歌詞の内容も扉を開けて〜みたいな感じと知り、扉を開けたエンディングのための曲だとわかる。

画面には現実世界にmoonの住人やモンスターが紛れ込んでる様が映されます。

moonの世界で出会った奇妙な住人やモンスターたちは開いた扉を出て現実の世界に来たのだろう。

しかしもう一つの見方もできると思う。

moonというゲームのコンセプト、アンチRPG、「ゲームなんかやめて早く寝なさい」というキャッチコピーにあるとおり、現実にもゲームのように愉快な人物が沢山いるよということだ。

そしてmoonの世界で仲良くなったり問題を解決したりしてラブをくれた住人たちがいるということは、僕たちが住んでいる世界にも愛があるということになる。

そう、ヘイガー博士の考えていた外の世界に愛はあるのか?この答えがエンディングの映像に示されている。現実の世界は愛で溢れているということなのだ。

僕はこのエンディングを理解した時凄まじく感動した。

たまにはゲームをやめて外の世界に目を向けてみようと、世界は素晴らしいよと教えてくれるのだ。

moonに関してはいろいろな考察があるのでどれが正解とかはない。この感想考察もどこかで見た情報のつぎはぎかもしれないし。

もしオリジナルだったらそれは僕のものにするけど。

それもラブ。

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