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バクテー 〜妻に鍛えられた料理スキル〜

僕の料理スキルは妻に鍛えられている。

我が家では食料品は主に「生活クラブ」という生協のようなサービスを利用している。毎週食材が届くので楽だ。

そのサービスの中に「野菜ボックス」というのがある。毎週、産地直送で野菜の詰め合わせが送られてくる。

妻の提案で野菜ボックスを登録することになった。最初の感想は「美味しい」だった。さすが産地直送。新鮮な野菜はとても美味しい。そして旬のものが送られてくる。何が届くのか、ワクワクする。

野菜ボックスの野菜は美味しい。しかしデメリットもある。内容が届くまで分からない。ミステリーツアーならぬミステリーベジタブルなのだ。

毎週届いてからどんな料理にしようか考える。時間のあるときは良いのだが、時間がないときは考える時間がとれなくてもどかしい。

少し辛くなってきたところで、「野菜ボックスをやめよう」と提案した。妻の意見は「え〜美味しいやん」と、ノーだった。料理するのは主に僕なのだが。

しばらく頑張ってみた。野菜に追われる日々。辛くなって遂に辞めた。

しかし、今思えばそれも良い経験だった。季節によって種類の変わる野菜を次々に捌いていく。レシピのストックがどんどん増え、段取りが良くなる。人生には誰しも、渦中にいると辛いことでも、振り返れば良かったと思える経験があると思う。妻のマネジメントスキルはすごいと思う。

ところで、先日、エスニック料理を作ったというFacebookの投稿をした。その投稿に妻が「おすすめのエスニック料理を募集しまーす」という補足を入れてくれた。たくさんのコメントが集まった。前回のグリーンカレーもそのコメントのひとつだ。友人がせっかく入れてくれたコメントをスルーするわけにはいかない。そうして、半強制的にエスニック料理のスキルが向上するのだろう。僕の料理スキルは妻に鍛えられている。

友人のひとりがこんなコメントをしてくれた。

「個人的におすすめなのはバクテーかな。バクテー食べるためにマレーシア旅行行ったくらい。笑」

バクテーという食べ物は初めて聞いた。マレーシア料理らしい。単語の響きからして異国っぽい。エキゾチックな響きだ。エスニック料理を調べていると「エキゾチックな」という表現を目にすることがある。ファッション雑誌並みに「それっぽいけどよく分からない表現」なのかと思っていたが、エキゾチックとは「異国風」というちゃんとした単語だった。知らなかった。今後は「あ〜、この料理、エキゾチックですね〜」などと多様しようと思う。

さて、例のコメントをしてくれた友人はとてもセンスが良い。このバクテーとやらも旨いに違いない。こうして次のエスニック料理はバクテーに決まった。友人はバクテーを求めてマレーシアにまで行ったのだ。それならば、それを自宅で作れたら最高じゃあないか。今回の検証内容を考えた。

検証内容:自宅で本場の味に近いバクテーを作れるのか?

さて、前置きなのか本題なのかよくわからない前置きを経て、ようやく料理の話だ。

僕は料理をするときにコンロを使わない。主に使うのはホットクックだ。ホットクック用のレシピはネットで探してもなかなか見つからない。だから、複数のレシピを参考にして組み合わせる。

今回のレシピは下記を参考にした。

ハウス食品の公式サイトのバクテーの作り方
https://housefoods.jp/recipe/rcp_00018418.html

ホットクック公式の豚の角煮の作り方
https://cocoroplus.jp.sharp/kitchen/recipe/hotcook/KN-HW24G/R4068

作りたい対象のレシピで食材を揃え、調理方法は、それに近いホットクックのレシピを参考するのだ。

バクテーとやらには大量の香辛料が必要だ。またしても香辛料を爆買いしてしまった。香辛料を買うにはヨドバシカメラが良い。少量でも送料無料で送ってくれる。少量だけ発注するのは申し訳ないので、いつも日用品等をまとめて発注している。

さて、材料が揃ったら調理だ。豚肉の塊を茹でて洗って、油抜きとやらをする。

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ここに大量の香辛料を投入する。シナモンスティックがなかったので、代わりにシナモンパウダーを使った。シナモンスティックをシナモンパウダーに代替するときの分量をネットで調べたら、かなりの量だったのでビビった。シナモンをこんなに大量に消費することなんてあるのか。砂のようなシナモンパウダーに埋もれて、肉が見えない。

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さらに野菜を入れ、豚の角煮モードで調理する。これはホットクックでほったらかし調理だからこそできるメニューだ。

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仕上げの香辛料を加えて出来上がり!

ものすごく独特な香りがする。妻曰く、「台湾の匂いがする」らしい。食す。これは…食べたことのない味…。まさに「エキゾチックですね〜」だ。そして、ぼくは気づいた。

本場のバクテーとやらを食べたことがないので、これが本物を再現できているのか分からない。

妻に尋ねてみたが、バクテーを食べたのは初めてだと言う。

結論:バクテーらしきものを作ったが、これが本場のバクテーに近いものなのかは、検証不可能。

とりあえず、妻には「美味しい!」と言ってもらえた。いつか本場のバクテーを食べて検証したい。そんな欲求が芽生えた。

今年は秋が短かった。長い夏が終わったと思ったら、もうすぐに寒い冬がやってきたようだ。変わりゆく季節とともに、我が家の台所もエキゾチックに変わってきたのかもしれない。しらんけど。



ホットクックを使うと、料理の可能性が広がります。


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