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AI コンシェルジュ機能をリリースしました(NOT A HOTEL)

こんにちは、NOT A HOTEL で CTO をしている大久保 貴之 (@okbtks) です。本日、予約からチェックアウトまでをサポートする AI コンシェルジュ機能「Kevin」のβ版をリリース 🚀 しました。

この記事では開発に興味がある方に向けて紹介をします。

 Kevin では、次のようなことを実現したいと考えています。

  • AIができることはAIに任せ、CSや運営メンバーがヒトだからこそできることに集中することで、お客様に提供できる価値を最大限に高める。

  • 24時間365日、お客様の要望に柔軟に対応できるようにしつつ、従業員の負担も減らし、従業員の働きすぎを防ぐことで、より良い質の高いサービスを提供する。

  • 料理人をはじめとする一流のスタッフ、現地で働く人ならではの情報を反映させた NOT A HOTEL のおすすめの飲食店やアクティビティなどを提案し、お客様の滞在をより充実したものにする。

  • 今後の拠点、物件、オーナーの方の増加にも柔軟に対応し、スムーズなオペレーション、常に向上するサービスの提供を行う。

今回のβ版のリリースによって、まずは一歩を踏み出せました。これからすぐに1.0, 2.0 にできるように力を入れて Kevin を成長させていきますので注目いただけると幸いです。開発にご興味がある方、ぜひ こちらよりご応募ください!

この機能の裏側では次節以降のものが使われています。これらのキーワード、どれ1つをとってもお腹いっぱいになるようなことが満載ですので、いずれ開発者の @codehex さんが詳細を書いてくれると思います🙏

コンシェルジュ機能の技術構成概略

Dialogflow CX (Google Cloud)

今回、GPT-3.5系の技術を組み合わせていますが、元々は dialgoflow のみでの初期リリースを想定していました。

Dialogflow は Googleが提供する自然言語処理(NLP)プラットフォームであり、会話型のインターフェースを作成することができます。開発者が会話のフローを設計することができます。

Dialogflow に落とし込む前にフローの設計を運営・CSを巻き込んで行います

NOT A HOTEL でお客様が要望されることの大半は「日程の変更」「食事の変更」といった限られた個数のフローで対応することができると考え採用しました。「チェックアウト日を3/17にずらしたい」といった自然言語での入力を受けつけつつ、お客様が迷わないようにフローならではの選択肢を提示してスムーズなコミュニケーションを行えるようにしました。

チェックアウト日の変更例、選択肢以外入力も受け付けます

Dialogflow は文字だけではなく音声の入力にも対応しているため、今後は各部屋に設置されているスマートスピーカー経由でのやり取りや、スマートホームとの連携も行えるようにできればと考えています。

#dialogflowCX #terraform

GPT-3.5系(OpenAI)

流行りのGPT です。「Generative Pre-trained Transformer」の略で、OpenAIが開発した自然言語処理のモデルです。大規模なテキストコーパス(例えば、ウィキペディアのようなオンライン百科事典)を事前に学習しており、その学習データから自然言語生成や文章分類、質問応答、言語翻訳などのタスクを実行することができます。

今回私たちは、LangChain をベースにしたAI基盤を構築し、私たち独自の情報やインターネット上の情報を加味した NOT A HOTEL らしい返答を行うようにしました。

前にも述べたように、NOT A HOTEL のチャットは dialogflow と非常に相性が良いと考えています。一方で、お客様の要望により柔軟に応えていくためには、フローを1つ1つ設計していくことには開発速度的にも限界があるとも考えています。

GPT と dialogflow、どちらの方が良いとかではなく、お客様の体験が最大限良くなるように両者の良いところを組み合わせていければと考えています。

#openAI #gpt #langChain #pgvector #supabase #programmableSearchengine #openTeremetry

sunshine conversations

Chat の基盤に用いています。異なるソースからのデータを取り込み、カスタマーサポートやビジネスプロセスでの活用を可能にするためのAPIが提供されています。この基盤自体はAIと直接的な関係はないのですが、NOT A HOTEL で実現したいチャットの要件にマッチしているものを検討した結果、こちらを選びました。

Channel Capabilities | sunshine conversations

SDKではUIも提供しており、iOS/web のチャット画面のUIはこのSDKを使っています。カルーセルをはじめとする必要なコンポーネントが大体揃っています。現在は NOT A HOTEL のアプリ上でのみチャットが行えますが、この基盤により LINE や Instagram などさまざまなアプリと NOT A HOTEL のチャットを繋ぐこともできます。

#smooch #sunshine #zendesk #cloudSpannerChangeStreams

終わりに

まだまだ不完全な部分も多く、進化の余地が十二分にある AI コンシェルジュ Kevin です。直近のこれらのテクノロジー領域の進化の速さは特に目まぐるしく、可能性に満ちています。今後成長してく Kevin の未来がとても楽しみです。

NOT A HOTEL ではエンジニアに限らず、一緒に Kevin を成長させてくれる仲間を大募集していますので、我こそはという方、ちょっと話を聞いてみたい方、気軽にご連絡ください!( 採用ページ  | Wantedly )

また、はじめに触れた実現したいことについては、コンシェルジュに限らず、NOT A HOTEL APP や PMS、スマートホームをはじめとする様々なプロダクトで共通しています。

少しでも開発に興味がある方やNOT A HOTEL が提供する未来の体験、サービス、建築に興味がある方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。カジュアル面談も選考応募も大歓迎です!

採用ページ  | Wantedly

今後とも NOT A HOTEL をよろしくお願いします!


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